ご挨拶

検査部長 松下 正

医療の進歩により現代医療は客観的なデータに基づく診断、治療が必須であり、患者さんの診断・治療において臨床検査は欠かせません。検査部門の最も重要な任務は、血液や尿などの生体試料、あるいは生体から得られる電気的な信号をもとに生理的な検査を行うことにより、名大病院各診療科の診断・治療への支援を行うことに尽きます。その意味で検査部門にはまさに病院の縁の下の力持ち的役割が求められており、決して華々しくはありませんが「目立たなくてもなくては困る」病院の重要部門として日夜正確・迅速な情報提供を心がけています。かつて大学病院の検査部門といえば、専門性は高いが、決してサービスの品質が高いところとは言えませんでした。当検査部門はこの点を少しずつ改善し、現在は輸血部門、病理部門と一体的な運営を行い、各部門が提供する検査結果に関する品質をより迅速で精密かつ正確な検査なものにするよう、職員一人一人が現場で様々な工夫を行っています。私はこうした職員の不断の努力に改めて敬意を表するとともに、病院各部門からの建設的なフィードバックをいつでもお待ちする気持ちで日々の業務に取り組んでいます。 当部門の最も重要な責務は名大病院の診療を強力に支援することにありますが、一方で、未来の日本の検査部門を背負って立つ若い学生や、地域における検査技師への教育も大学病院検査部門の大きな責務です。一方で患者さんの健康増進にさらにつながるような新しい検査技術・システムの開発をも行っていかねばなりません。私が前任の血液内科から2010年に着任してから早4年になろうとしています。今後もこれら3つの柱、診療支援、検査技術教育、研究開発をさらに加速させつつ、地域における中心的な新しい時代にふさわしい検査部門を目指して参ります。

名古屋大学医学部附属病院 検査部長 松下 正