名古屋大学医学系研究科 消化器内科学

教室紹介教授挨拶

教授挨拶

消化器内科/span>日常臨床の一歩先へ!

消化器内科日常臨床の一歩先へ!

名古屋大学医学系研究科消化器内科学 教授 川嶋 啓揮

消化器内科臨床の向上と、世界をリードする基礎・臨床研究を遂行すべく、
多種多才な仲間と日々精進しています。

名古屋大学医学系研究科消化器内科学教室は、2003年2月にナンバー内科が新たな大講座である病態内科学講座として改組され誕生した6専門講座のひとつであり、2006年3月までは病態修復内科学と称していました。2003年2月に初代の後藤秀実先生が教授に就任され(2018年3月にご退官)、2019年1月に藤城光弘先生が2代目の教授に就任されました(2021年7月に東京大学にご異動)。私はその後任として2022年4月1日付けで消化器内科学の教授に就任しました。
消化器内科学教室は、愛知・岐阜・三重・静岡に52の関連施設があり、同門会会員が750名に及ぶという大きな教室です。東海地区の消化器内科診療を他大学と協力しながら、大学病院・関連施設で勤務する同門会会員、地区に根付いた医療を行う同門会会員全員でしっかりと支え、次世代を担う人材を育成し、基礎・臨床研究で世界をリードできる教室を目指しています。

消化器内科は、食道から肛門までの消化管、肝臓、胆道、膵臓と多岐にわたる臓器に発生する多彩な疾患の診療・研究を行う内科です。臓器・疾患が多岐にわたるため、様々な技術、知識が必要とされます。その例を挙げると、

① 内視鏡・超音波を中心としたEUS-FNAなどの診断技術、内視鏡下粘膜下層剥離術に代表される内視鏡を用いた治療技術。消化器内視鏡分野は機材開発から医療技術まで本邦が世界をリードし続けており、当教室もその一翼を担っています。
② 免疫療法、分子標的薬、遺伝子パネル検査を用いたプレシジョン・メディシンなど日進月歩のがん治療に関する知識。消化器内科が扱うのは消化管の癌から肝細胞癌、膵癌など多種多様です。外科や化学療法部、放射線部の先生方と協力し最善の治療を患者さんに提供しています。また新たな診断法・治療法開発の研究を行っています。
③ 炎症性腸疾患、自己免疫性肝炎、自己免疫性膵炎などの免疫関連疾患の診断と治療の技術や知識。本態が不明で患者数の増加が著しい疾患であり、病態解明・治療の進歩が期待されています。名古屋大学は旧帝大で初めてIBDセンターを設立し、最先端の診療・研究を推進しています。
④ その他、過敏性腸症候群や機能性ディスペプシアなどの消化管蠕動に関わる機能性疾患の診断と治療、非アルコール性脂肪性肝疾患を代表とする代謝疾患の治療と管理。これらの疾患は個々の症例で治療反応性が異なり日常の生活指導が重要であるなど臨床医の腕の見せどころです。当教室でも臨床・基礎研究が進んでいます。

また、腸内細菌叢の研究など、消化器領域にとどまらない多臓器横断の研究も行われています。これら全ての臨床と研究を消化器内科医のみで遂行することは不可能です。そのため外科をはじめとする他科や基礎系の先生方、看護師さん、薬剤師さん、技師の方々などとのチーム医療・チーム研究が重要となっています。名古屋大学医学部附属病院にはそれを可能とする人材豊富なプラットフォームがあります。

消化器内科学教室は多岐にわたる疾患を臨床的にカバーし、新たな知見を求めて基礎研究を遂行するためにあらゆる才能を募集しています。よく、“名古屋大学消化器内科は医局員が多いからこれ以上は不要でしょう”という声を耳にします。とんでもありません、関連施設で定員を満たしている施設は皆無です。各施設のがんばりでなんとか支えているのが実情です。検診など子育て世代の医師に向いているであろう業務を担当する医師も不足しています。また、各方面の基礎教室から共同研究の誘いをいただいていますが、マンパワー不足で応えられていない状況です。名古屋大学消化器内科学教室と関連施設はひろく門戸をひらいて新たな才能を求めています。是非、一緒に働きましょう!少しでも興味のある方は連絡ください。

最後に名古屋大学医学部創基150周年で作成した光学医療診療部の案内ビデオです。是非、ご覧ください!

(外部サイト:https://www.youtube.com/watch?v=IVteP1J_mccにリンクされています。)

教室の目標

  • 診療:技術・知識を常に更新し、患者さんと向き合う診療を行う。
  • 研究:失敗を恐れず、挑戦を根気よく継続する。
  • 教育:社会から信頼される研究者・医療者を育成する。

略歴

  • 平成元年3月 愛知県立半田高等学校卒業
  • 平成7年3月 名古屋大学医学部医学科 卒業
  • 平成7月5月 半田市立半田病院 研修医
  • 平成11年11月 愛知厚生連渥美病院 内科医員
  • 平成14年4月 名古屋大学医学部 内科学第二講座 研究生
  • 平成15年4月 名古屋大学医学部附属病院 消化器内科 医員
  • 平成19年7月 名古屋大学大学院医学系研究科 消化器疾患病態論 助教
  • 平成21年1月 名古屋大学大学院医学系研究科 消化器内科学 助教
  • 平成26年6月 名古屋大学医学部附属病院 消化器内科 講師
  • 平成31年4月 名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部 部長
  • 令和元年10月 名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部 准教授
  • 令和4年4月 名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科学講座(消化器内科学分野)教授