名古屋大学大学院医学系研究科 予防医学
教科の内容

疫学と予防医学

「予防医学」とは、健康状態に影響を与える要因(発生要因)を探索検証し、 疾病予防方法を確立する学問領域である。各集団で要因を探索検証するための研究方法が「疫学」であり、疾病頻度を減少させるための戦略が「予防」である。 両学問分野を支える学問の1つとして「医推計学」がある。


疫学:
総論では、人間集団における疾病発生、健康状態、発生要因の頻度分布を記述する「記述疫学」、症例対照研究およびコホート研究により疾病発生要因の関連の強さを推定する「分析疫学」、介入による疾病予防効果を測定する「介入研究」について学ぶ。各論にて、がんなどの発生要因と遺伝子環境交互作用その他のトピックを学ぶ。

予防:
疾病の発症を未然に防ぐ「第一次予防」、早期に疾病を発見し治療する「第二次予防」、疾病罹患後の再発・合併症・死亡を防ぐ「第三次予防」の概念、意義、具体的方法について学ぶ。喫煙者を禁煙させるための技術も解説する。

医推計学:
疫学研究に必要な生物統計学の初歩を学ぶ。確率分布の概念、2群または多群の平均値や比率の差の検定、回帰分析や相関についての基本的統計技術を勉強する。