脳とこころの研究センターについて

 平成27年4月1日より名古屋大学 脳とこころの研究センターのセンター長を拝命いたしました長縄慎二(ながなわしんじ)と申します。皆様にご挨拶申し上げます。 またこのたびは、本センターのホームページをご覧下さり誠にありがとうございます。私自身は放射線科診断専門医で、特に頭頸部のMRI(磁気共鳴画像診断)の研究を長年おこなっております。

 さて、脳の疾患(認知症、パーキンソン病、脳血管障害、脳腫瘍など)とこころの疾患(うつ病、統合失調症、発達障害など)はいずれもまれなものではなく、根本的な予防法や治療法が確立されておらず、社会に与える負荷も急速に増大しています。科学の最後のフロンティアといわれる脳とこころの問題の解明は、医学のみでなく、多くの科学分野の協調的な学際的研究により進むであろうと予想されています。

 本センターは名古屋大学のみでなく、地域の研究者とも連携してコンソーシアム型研究を推進する核となるべく平成25年12月1日付で前 祖父江 元 センター長のもと、名古屋大学の全学的な組織(学内共同教育研究施設)として設置されました。
 当センターには、1) 脳とこころの疾患の病態解明と次世代創薬開発研究コア、2) 脳とこころの発達・加齢の機序解明と、それに基づく次世代創薬開発研究コア、3) 最先端脳医療・脳科学に基づくQOL向上方策の開発研究コアという3つの研究コアがありますが、小児期から老年期にわたる健常者と患者の脳に関わる多元的データ(脳画像、臨床、ゲノム、血液、髄液、死後脳)を前方向的、網羅的、かつ戦略的に収集するデータベース(疾患・発達・加齢コホート)を構築することが、中心的な柱となっております。

 当センターの主な設置機器は、大幸地区にある当センター専用の3テスラMRI装置とMEG(脳磁図)装置ですが、鶴舞地区の附属病院との密接な連携により、今後、PET(陽電子放射断層撮影)による脳内蛋白老化の画像化、高精度ナビゲーションシステム“ニューロメイト”を用いた次世代マイクロサージャリー開発など先進的な取り組みも積極的に行ってまいります。

 平成27年4月より、組織を改変し、従来の研究開発部門、基盤整備部門に加え、総合研究推進室を設置し、そのディレクターとして、祖父江 前センター長が就任し、センターの全体の運営の中核を担っていただいております。またセンターの運営委員会、戦略会議、若手中心の研究者カフェを引き続き定期的に開催し、風通しのよい、有機的、機動的な組織運営をしております。専任教員は7名の体制ですが、多くの分野のたくさんの兼任教員、フェローの方々が活発に活動しております。さらには、脳とこころの領域の研究の次世代をになう若手のための教育も積極的に推進しております。この地域から、脳とこころに関する、多くのイノベーションを継続して発信してまいりたいと思いますので、皆様のご指導、ご協力をお願い申し上げます。