第9回 創傷外科学会総会・会長 亀井譲
この度、第9回日本創傷外科学会総会・学術集会を2017年(平成29年)7月6日・7日に長良川国際会議場にて開催させていただくこととなりました。日本創傷外科学会は活気のある学会であり、このような学会を主催させていただくことを名古屋大学
形成外科 医局員一同、非常に光栄に感じております。
日本創傷外科学会は「きず」という大きな分野に対して形成外科的観点から取り組み、治療法を考え知見を深めるという趣旨のもと設立されており、毎年活発な議論が展開されております。今回の学会では、テーマを「創傷への挑戦」といたしました。われわれ形成外科医にとって「きず」とはなじみぶかいものでありながら様々な病態があり、診療において悩まされる課題の一つであります。近年、各診療科の治療の発展とともに、「きず」の病態も多様化しております。重症下肢虚血に対するバイパスや血管内治療後 の潰瘍治療、心臓外科や整形外科のインプラント露出に対する治療、Cancer
survivorの増加に伴う再発癌に対する切除後の再建、ケロイドに対する集学的治療など、難しい創傷に対し形成外科的アプローチを駆使して新しい治療法や治療方針が試みられております。今回はこれらのさまざまな「きず」に対する各分野での「挑戦」を取り上げ、シンポジウムやパネルディスカッションなどのプログラムで十分に討議していただきたいと考えております。
招待講演ではUniversity of Pittsburghより再生医療研究において第一線で活躍されているWilliam R. Wagner
先生をお招きし、「Tissue Engineering with Biomaterials. Soft, Elastic, Biodegradable
Scaffold Design Guided by the Role of Mechanics in Tissue Remodeling」と題してマテリアルを用いた再生医療の最前線についてのご講演をいただく予定です。
また名古屋大学 中央感染制御部 八木哲也教授に、「手術部位感染症(SSI)の予防対策」と題してSurgical Site Infection(SSI)についての講義を行っていただく予定です。長良川国際会議場からは、日本三大清流の一つである雄大な長良川の流れ、織田信長によって築城された歴史ある岐阜城を一望の下に見ることができ、すばらしい 景色を楽しめます。会場には皆様がリラックスして討議ができるような企画も用意してございます。皆様是非、岐阜まで足を運んで歴史と自然を楽しんでいただき、この学会を有意義な討論の場としていただければと存じます。
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