移植成績について
肝移植の成績は…
肝移植という治療は、非常に大きな治療です。
肝移植が必要となる患者さんの状態も重篤なことが多く、残念ながら肝移植をしてもすべての患者さんを救命が出来る治療ではありません。これからも様々な工夫を重ねて、移植成績は改善すると思われますが、これまでの当院での肝移植の成績を提示します。
肝移植が必要となる患者さんの状態も重篤なことが多く、残念ながら肝移植をしてもすべての患者さんを救命が出来る治療ではありません。これからも様々な工夫を重ねて、移植成績は改善すると思われますが、これまでの当院での肝移植の成績を提示します。
当院での肝移植成績
名古屋大学病院での肝移植は、1998年にはじまりました。
2015年2月末までに、小児生体肝移植 79例、成人生体肝移植 122例、脳死肝移植 22例（小児 1例、成人 21例）、総数で223例を施行しております。
2015年2月末までに、小児生体肝移植 79例、成人生体肝移植 122例、脳死肝移植 22例（小児 1例、成人 21例）、総数で223例を施行しております。
名大病院の肝移植全体成績
黒: 全体症例
青: 小児症例
赤: 成人症例
※ カプランマイアー曲線といわれ、治療後にどれぐらいの確率で生存しているかをみるグラフです。
名大病院の2015年2月までの全肝移植（223例）の成績は、1年生存率 88.9%、3年生存率 86.7%、5年生存率 85.5%、10年生存率 77.3%となっています。
全国統計（2011年末までの生体肝移植 6,503例）の移植成績は、1年生存率 83.4%、3年生存率 79.3%、5年生存率 76.9%、10年生存率 71.9%と報告されていますので、全国平均より良好な移植成績となっています。
また、小児症例と成人症例で比較すると、小児症例の成績は成人症例より良好です（5年生存率で小児症例 92.5%に対して、成人症例 81.4%）。
全国統計（2011年末までの生体肝移植 6,503例）の移植成績は、1年生存率 83.4%、3年生存率 79.3%、5年生存率 76.9%、10年生存率 71.9%と報告されていますので、全国平均より良好な移植成績となっています。
また、小児症例と成人症例で比較すると、小児症例の成績は成人症例より良好です（5年生存率で小児症例 92.5%に対して、成人症例 81.4%）。
当院での肝移植成績の改善
肝移植治療は、日々、進歩しています。
名大病院での初期の50例（1998年11月〜2004年6月）とそれ以降の173例（2004年6月〜2015年2月）で比較してみると、著明に移植成績の改善がみられます。
名大病院での初期の50例（1998年11月〜2004年6月）とそれ以降の173例（2004年6月〜2015年2月）で比較してみると、著明に移植成績の改善がみられます。
初期の症例と最近の症例の名大病院の肝移植成績の比較
実線: 最近の症例
破線: 初期の症例
※ カプランマイアー曲線といわれ、治療後にどれぐらいの確率で生存しているかをみるグラフです。
初期の症例と最近の症例の名大病院の小児肝移植成績の比較
実線: 最近の症例
破線: 初期の症例
※ カプランマイアー曲線といわれ、治療後にどれぐらいの確率で生存しているかをみるグラフです。
初期の症例と最近の症例の名大病院の成人肝移植成績の比較
実線: 最近の症例
破線: 初期の症例
※ カプランマイアー曲線といわれ、治療後にどれぐらいの確率で生存しているかをみるグラフです。
最近の当院での肝移植成績
移植初期の50例を除いた2004年6月から2015年2月末までの名大病院の肝移植成績は、小児症例（60例）で98.3%、成人症例（113例）では、1年生存率 94.5%、3年生存率 93.4%、5年生存率 92.0%となっています。
2011年の肝移植研究会からの移植成績報告の全国平均は、小児症例で1年生存率 88.5%、3年生存率 86.9%、5年生存率 85.7%。成人症例で1年生存率 80.5%、3年生存率 75.0%、5年生存率 71.8%と報告されていますので、名大病院の小児、成人肝移植成績は全国平均より良好な成績となっています。
2011年の肝移植研究会からの移植成績報告の全国平均は、小児症例で1年生存率 88.5%、3年生存率 86.9%、5年生存率 85.7%。成人症例で1年生存率 80.5%、3年生存率 75.0%、5年生存率 71.8%と報告されていますので、名大病院の小児、成人肝移植成績は全国平均より良好な成績となっています。
最近の（2004年6月〜）名大病院の肝移植成績
青: 小児症例
赤: 成人症例
※ カプランマイアー曲線といわれ、治療後にどれぐらいの確率で生存しているかをみるグラフです。
当院での成人の血液型不適合肝移植成績
2000年代に入って、成人生体肝移植の血液型不適合症例の管理の仕方が確立されてきました。
従来と比較し格段に成績の向上がみられ、1年、3年、5年生存率 92.3%となっており、血液型組み合わせによる移植成績の差はみられなくなっています。
2010年の肝移植研究会からの成人血液型不適合症例の移植成績報告の全国平均は、1年生存率 71.0%、3年生存率 63.0%、5年生存率 53.8%と報告されていますので、全国平均より良好な成績となっています。
従来と比較し格段に成績の向上がみられ、1年、3年、5年生存率 92.3%となっており、血液型組み合わせによる移植成績の差はみられなくなっています。
2010年の肝移植研究会からの成人血液型不適合症例の移植成績報告の全国平均は、1年生存率 71.0%、3年生存率 63.0%、5年生存率 53.8%と報告されていますので、全国平均より良好な成績となっています。
最近の（2004年6月〜）名大病院の血液型別の成人肝移植成績
緑: 血液型一致、適合症例
赤: 血液型不適合症例
※ カプランマイアー曲線といわれ、治療後にどれぐらいの確率で生存しているかをみるグラフです。
当院での脳死肝移植成績
名大病院では、2005年から2015年2月末までに22例の脳死肝移植を実施し、その内訳は21例の全肝移植と1例の分割肝移植となっています。
当院の脳死肝移植後の患者生存率は90.9%となっており、国内の139例の脳死肝移植の報告の1年生存率 81.8%、3年生存率 78.7%、5年生存率 77.1%と比較して、良好です。
当院の脳死肝移植後の患者生存率は90.9%となっており、国内の139例の脳死肝移植の報告の1年生存率 81.8%、3年生存率 78.7%、5年生存率 77.1%と比較して、良好です。
名大病院の脳死肝移植成績
赤: 脳死肝移植
黒: 生体肝移植
※ カプランマイアー曲線といわれ、治療後にどれぐらいの確率で生存しているかをみるグラフです。
