名古屋大学医学部 医学系研究科腫瘍病理学 分子病理学分野(旧第二病理学講座)

教室について

教室の沿革・特色

 旧病理学第2講座は昭和14年、名古屋帝国大学の創立に伴って設置された。
 初代教授の大島福造は発癌ウィルスによる家鶏肉腫の発生の研究をライフワークとした。この研究はその後の発癌遺伝子研究につながる内容を含んだ先駆的な研究であった。
 昭和33年に教授に就任した田内久は、肺癌の研究、老化の研究などに多大な業績をあげた。
 昭和53年には星野宗光が教授に就任し、癌の電子顕微鏡的研究、マウス乳癌ウィルスの研究を行った。
 平成元年に教授に就任した松山睦司は胸腺腫の研究をテーマとし、ユニークな胸腺腫発生ラットを用いた研究を行った。
 平成8年には高橋雅英が教授に就任し、自らが発見したRET癌遺伝子を中心に癌関連遺伝子による発癌機構の解明や神経系の形成に関する研究を展開している。
 教室からは婦人科腫瘍病理の故牛島宥(名大名誉教授)、乳腺病理の故田村潤(国立名古屋病院名誉院長)、早期胃癌研究の故長与健夫(愛知県がんセンター名誉総長)、糖鎖と癌転移研究の小島清秀(名大名誉教授)、癌と間質の研究の故竹内純(名大教授)、佐賀信介(愛知医大教授)、悪性リンパ腫研究の社本幹博(藤田保健衛生大学名誉教授)、ウィルス感染と発生異常の研究の筒井祥博(浜松医大名誉教授)、卵巣腫瘍病理の中島伸夫(名大名誉教授)などの人材が輩出している。
 平成12年4月より大学院重点化により旧病理学第1講座と病理学第2講座は病理病態学講座として1つの大講座に再編された。旧病理学第2講座は専門分野として腫瘍病理学と神経機能病理学を担当することとなった。
 現在の教室の主要テーマは発癌の分子メカニズムの解明と癌の新規診断法の開発、神経系の形成に関わる研究である。


(2015年5月、病理学会総会会場にて)

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