出産・育児によるブランクからの復職

再研修プログラムを受講して

向田 美保 先生

  • 1999年卒
  • 元 消化器内科医
  • 出産・育児で4年のブランク
  • 研修期間:2012年9月~2016年12月

産休後の復帰に関する悩み

もともとは、大学病院および関連病院で内科単科研修を2年間行った後、消化器内科医として3年間大学関連病院に勤務していました。その後、結婚や出産などを機に、民間病院、クリニック、検診センター、在宅診療などの医療に携わりながら非常勤医師として勤務していましたが、夫の海外赴任と第2子出産などが重なり、検査業務に復帰はしたものの、ふと気づけば約4年間外来業務から離れてしまっていました。

「臨床に復帰したい。」という気持ちはあったものの、育児や家事の多忙さからついつい先延ばしになっていましたが、上の子が小学校に上がったことと、下の子も2歳になったことなどからそろそろ復帰できるのではないか?と考え始めました。休職する前に興味を持っていた女性外来や漢方診療への思いがあきらめきれず、また育児や主婦を通した目線から、家庭医療、総合医療に携わりたいという思いもあり、自分が目指す道に進むにはどうすればよいのか悩んでいました。

親身になっていただけました

女医再研修プログラムなどもいくつか検討したのですが、望むような研修をうける場がなかなか見つからず、また最大の難点として、実家から遠く、待機児童がいっぱいで子供の預け先がない、という壁も立ちはだかっていました。

インターネットで医師の再研修や求職を検索していたところ、たまたま名古屋大学の「臨床再研修プログラム」が目にとまりました。出身大学ではないし、名古屋大学というのは高いハードルというイメージが強く、大学病院の医師は朝から晩まで働くというイメージだったため躊躇しておりましたが、思い切ってメールを出してみました。すると、大変親切なご連絡を頂き、院内保育園が使えるような配慮などもしていただきました。

指導医と共に、時間を掛けて

この研修の素晴らしいところは、外来診療にPreceptorという指導医の先生がついてくださり、適宜相談をしたり一緒に診察して頂きながら外来を進めることができることです。そのようなシステムのもと、一人一人の診療に時間をかけて、きちんと考えて診療することができます。また新患症例振り返りセッションを通して、自分の診察をチェックして頂けると同時に、他の先生の診た患者さんの勉強もできます。また、コメディカルスタッフの方も大変親切で、とても働きやすい職場です。

実際に外来業務を始めてみると、内科研修以来お目にかかっていない疾患や教科書でしか読んだことのないような病気をはじめ、知らないうちに疾患概念が確立されていた病気があって驚いたり、自分の知識のなさに愕然としました。内科医であったため、ある程度診察はできたものの、知識や経験の足りない分野の診察には大変苦慮し、Preceptorの先生に何度も一緒に診察して頂いたりしました。ありがたいことに、親切で優秀な先生方が周りにたくさんいらっしゃるので、御指導を受けたり、外来のあいた時間に調べ物をしたりしながら、経験したことを再確認しながら、積み重ねていっている毎日です。

漢方・東洋医学に関する学びを得られます

また、こちらは漢方専門医の指導施設になっているため、漢方の勉強や処方、漢方専門医の取得もできます。私は現在のところ西洋医学的な医療を最優先としていますが、東洋医学的な考え方に基づき治療をしたほうが効果的と思われる方には、漢方処方なども行わせていただき、理想的な医療ができていると感じています。

女医の臨床復帰へのモデルとして

仕事復帰にあたって、家庭に支障をきたさないか?とか、子供との時間が少なくなる、など、いろいろと悩みました。最初の1か月は生活激変で、生きているだけで精一杯といった毎日でしたが、3か月もするとペースもつかめてきました。外来の仕事は毎日が楽しく、帰宅してからはバトルのような生活ですが、子供とは以前より濃密に過ごせ、また子供もしっかりしたので驚いています。

そろそろ臨床復帰はしたいけれど自信がない、小さな子供がいるため当直業務や緊急呼び出しに対応できない、勉強し直しながら臨床復帰したい、などの悩みを抱えている女医の皆様は多数いらっしゃると思います。そのような皆様の一つのモデルとしてご参考にしていただけたら幸いです。

再研修修了後、クリニックで勤務

再研修を通して、総合診療を学ぶことができ、内科の知識もアップデートすることが出来ました。2017年1月には再研修プログラムを修了し、今後はここで学んだことを活かして名古屋市内のクリニックで外来勤務をしていく予定です。何より、好きな仕事を続けていく自信がついたことがとてもよかったです。

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