キャリアパス例:家業・5代目。地域のかかりつけ医として(駒田雄一先生)

ジェネラリスト専門医養成コース修了後のキャリアパス例 ~地域のかかりつけ医として~

駒田医院と5代目院長

▲三重県芸濃町:駒田医院と5代目医師である筆者

皆さん、こんにちは。ここでは名大総診ジェネラリスト専門医養成コース(以下、本研修プログラム)修了生の一人として本研修プログラム修了後にどのような道を進んでいるのかをご紹介していきたいと思います。地域のかかりつけ医としてのジェネラリストを目指す方々のキャリアパスモデルの一例として少しでも参考になればと思います。

筆者略歴

  • 2008年 杏林大学医学部医学科卒
  • 研修期間:2010年4月~2014年3月
  • 主な研修施設:名大病院総合診療科・救急科、三つ葉在宅クリニック 愛知県がんセンター愛知病院総合内科・緩和ケア科、名古屋掖済会病院小児科、勝川ファミリークリニック
  • 2014年 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医資格取得
  • 駒田医院5代目医師としてプライマリ・ケアを実践中

地域のプライマリ・ケアを担う『かかりつけ医』としての当院の役割

どうして自分が家庭医というものに興味を持ち、その道を選択したかを振り返る前に現在の勤務先であり実家である医院について少しだけ触れておきたいと思います。

当院は三重県津市の北西部はずれにある芸濃町という地域にあり、その開設は明治25年で先祖代々継承されながら昔から地域のかかりつけ医としての機能を担ってきました。そのため内科に限らず小児科や皮膚科、整形外科や小外科など正にプライマリ・ケア実践の場となっており幅広いスキルと柔軟な考え方が要求されます。

また、ご高齢の方が多く公共交通機関の乏しい不便な地域特性から往診や訪問診療などのニーズが絶えず、午前は外来診療、午後は往診・訪問診療、夜間は再び外来診療という診療スタイルで日々地域に根ざした継続的な診療を行っております。

自分は2014年に本研修プログラムを修了後、当院5代目医師として当院での勤務をしております。

なぜ、本研修プログラムを専攻し家庭医療専門医という選択したか

上記のような環境で祖父や父らの背中を見て育った自分にとって思い描く理想の医師とは、地域に密着して身近な存在で何でも相談にのってくれる専門家であり、そのイメージにピッタリだったのが家庭医でした。自分が初めて家庭医療に出会ったのは医学生の時で、患者本人の病気だけでなく家族との関わりや生活環境、さらにはその人の価値観や人生観なども共有するというのは当時の自分にとってはとても印象的で、その道に進みたいと考えるようになりました。

旧東海道の古い町並みの中での訪問診療の様子

▲旧東海道の古い町並みの中での訪問診療の様子

自分には将来地域のかかりつけ医になるという目標があったので、そのためには何が必要かを考えて初期臨床研修をしてきましたが、そこでの名大総診の先生方との出会いや研修中の教訓が今でも医師としての基礎になっています。

特に主治医として複数の健康問題や複雑な病態などと向き合う時にきちんとプロブレムリストを作成して病態と問題点を整理して解決に導く習慣を身につける事ができたのはジェネラリストを目指す上でとても価値ある事だったと思っています。

また、患者さんにはそれぞれの生活があり、それを取り巻く環境や家族らの関わりなどは医療機関の中だけでは分からない事も多く、時として診断や治療、さらには今後の方針にまで大きく影響を及ぼす可能性があるという事もやはり広い視野でジェネラル・マインドを常に意識する環境にあったから気づけた事だと思っております。

『住み慣れた地域で最期まで自分らしく』を支えるために

自分は本研修プログラムで救急・集中治療など含めた急性期医療、慢性疾患の管理や緩和ケア、小児救急や予防医療、そして在宅医療など様々なシーンでの臨床経験を積んできました。様々な地域でいろんなライフステージの人たちに関わる事でニーズの多様性を実感しつつ時には苦い思いをする事もありましたが、医学教育に熱心で経験豊富なスタッフが揃う研修機関でフィードバックを受けながら日々成長していく事が出来ました。

訪問診療の様子

▲訪問診療での診療の実際

近年の医療技術の進歩はめまぐるしく、複数の健康問題を抱えながら日常生活をおくっている方々もたくさんおられ、複数の診療科や医療機関にかかっているケースも少なくありません。また、風邪やアレルギーなど親子で共通の悩みを抱えている方々も多くいらっしゃいます。そのような方々を我々家庭医が中心となってまるごとケアする事で住み慣れた地域で継続的かつ一貫した医療を提供できるのではないかと考えています。

そうやって長い年月の中で培われてきた信頼関係や共有されてきた人生観や価値観を大切にして最期まで自分らしく過ごすための人生の選択を支援する事も家庭医としての重要な役割と考えて年齢や性別問わず、予防医療や健診業務、外来診療から在宅医療、看取りケアまで対応できるように毎日奮闘しております。

地域での診療の様子

▲小児から超高齢者まで幅広く診療

今後、家庭医療専門医として目指すべきもの

これからは先代達が築いてきた伝統と信頼を崩さず、『その地域でのニーズや健康問題』を最も身近な専門家の立場で受け止めながら、行政や介護・福祉など周囲と連携して教育や研修などの人材育成や地域への啓蒙活動にも力を入れて、胸を張って『地域のかかりつけ医』と言えるように頑張っていきたいと思います。

家庭医や総合診療医などのジェネラリストがますます多様化するニーズに幅広く対応しながら日本の医療の基盤を担っていくためにはまだまだたくさんの仲間が必要です。ぜひ皆さんも本研修プログラムでジェネラル・マインドを体系的に学び、我々とともに活動の場を広げて自分の可能性を探ってみませんか?

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