名古屋大学医学部附属病院 皮膚科Department of Dermatology, Nagoya University Hospital

教室紹介

120年以上の歴史を受け継ぎ、皮膚科学の次代を拓く。

MESSAGE

教授挨拶

名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 運動・形態外科学講座 皮膚科学分野 教授 武市拓也
名古屋大学大学院医学系研究科
総合医学専攻 運動・形態外科学講座
皮膚科学分野 教授 武市 拓也

この度、2026年7月1日付で名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 運動・形態外科学講座 皮膚科学分野 教授を拝命いたしました、武市拓也と申します。1905年の開講以来、長い歴史と伝統を有する教室をお預かりすることとなり、その責任の重さに身の引き締まる思いでおります。

私は2004年に滋賀医科大学を卒業後、愛知県厚生連昭和病院で臨床研修を行い、2006年に名古屋大学皮膚科学教室に入局しました。富田靖先生をはじめ、多くの先生方から皮膚科診療の基本をご指導いただき、翌年には大学院へ進学し、杉浦一充先生らのご指導のもと、研究に取り組みました。2010年からは秋山真志先生のご指導のもと、先天性魚鱗癬をはじめとする角化症の診療と研究に取り組み、臨床・研究の両面にわたり多くのことを学びました。また、豊橋市民病院、稲沢市民病院での勤務を通じて、地域医療、多職種連携の重要性を学びました。その後、英国King’s College LondonのJohn McGrath教授のもとに留学し、遺伝性皮膚疾患の遺伝学的解析に携わりました。帰国後は、先天性魚鱗癬をはじめとする遺伝性角化症、自己炎症性角化症、皮膚バリア機能を中心に、患者さんの診療から生まれる課題を病態解明と新たな治療法の開発につなげる研究を続けてまいりました。

名古屋大学皮膚科学教室は、一般的な皮膚疾患から、遺伝性疾患、角化症、膠原病、皮膚腫瘍などの重症・難治性疾患まで、幅広い診療を担っております。今後も、患者さんに最良の医療を届けることを第一に、関連病院や他診療科、多職種の皆様との連携をさらに深め、東海地域の皮膚科医療に貢献してまいります。教育においては、患者さんの痛みに寄り添うことのできる良医を育てるとともに、臨床上の疑問を研究へと発展させ、世界に成果を発信できる医師・研究者の育成に力を注ぎます。また、若い医師がそれぞれの能力を十分に発揮し、長く活躍できる教室づくりを目指します。

教室の歴史と伝統を大切にしながら、新しい医学を積極的に取り入れ、臨床・教育・研究のいずれにおいても信頼される皮膚科学教室となるよう、教室員一同、力を尽くしてまいります。今後ともご指導、ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

名古屋大学大学院医学系研究科
総合医学専攻 運動・形態外科学講座
皮膚科学分野
教授 武市 拓也
HISTORY

名古屋大学皮膚科学教室の沿革

1905年の開講以来、東海地域の皮膚科診療・医学教育・研究を支えながら、時代とともに役割を広げてきました。

名古屋大学皮膚科学教室の歴史は、1905年、愛知県立医学専門学校に皮膚病花柳病科が開設され、楠太先生が主任に就任したことに始まります。その源流は、明治初期の名古屋県仮病院・仮医学校、愛知医学校、愛知県医学校の時代にまでさかのぼります。欧州医学の導入とともに、皮膚病学、梅毒学、泌尿器病学の教育と診療が行われるようになりました。

1916年に田村春吉教授が着任し、教室の診療・教育・研究を長く主導しました。田村教授の在任中には、留学による不在を補うため、1919年から1922年まで志賀亮教授が東京帝国大学皮膚科から着任し、1924年から1926年まで太田正雄教授が在任しました。1943年には、皮膚科泌尿器科講座が皮膚科学講座と泌尿器科学講座に分かれ、それぞれが独立した専門領域として発展していく体制が整えられました。

1946年、田村教授の退任後に加納魁一郎教授が就任し、戦後の混乱期から新制名古屋大学発足後にかけて、教室の再建と発展に尽力しました。加納教授の退官後には一時、教授不在の時期を経ましたが、1974年に小林敏夫教授が就任し、診療・教育・研究体制の充実を図りました。1979年には大橋勝教授が就任し、幅広い皮膚科学領域における臨床と研究の基盤をさらに発展させました。

1997年には富田靖教授が就任し、色素細胞や遺伝性皮膚疾患の研究を中心に、教室の診療・研究・教育を推進しました。1998年には、名古屋大学医学部環境皮膚科学寄附講座が開設され、早川律子教授が就任し、接触皮膚炎を中心とする環境皮膚科学の診療・研究の発展に大きく貢献しました。2010年には秋山真志教授が就任し、先天性魚鱗癬をはじめとする遺伝性角化症、稀少難治性皮膚疾患、皮膚バリア機能、分子遺伝学的診断の領域で、国内外を牽引する診療と研究を展開しました。

名古屋大学皮膚科学教室は、1905年の開講以来、東海地域における皮膚科診療・医学教育・研究の中核として歩みを重ねてきました。皮膚泌尿器科学の黎明期から、戦後の再建、大学医学部としての発展、そして分子遺伝学や稀少疾患研究へと、時代の進歩に応じてその役割を広げながら、現在に至っています。

1905
愛知県立医学専門学校に皮膚病花柳病科を開設。楠太先生が主任に就任。
1916
田村春吉教授が着任し、診療・教育・研究を長く主導。
1919–1926
志賀亮教授、太田正雄教授が在任し、教室の発展を支える。
1943
皮膚科泌尿器科講座を、皮膚科学講座と泌尿器科学講座に分離。
1946
加納魁一郎教授が就任。戦後から新制名古屋大学発足期の再建を推進。
1974
小林敏夫教授が就任し、診療・教育・研究体制を充実。
1979
大橋勝教授が就任し、幅広い皮膚科学領域の基盤を発展。
1997
富田靖教授が就任。色素細胞・遺伝性皮膚疾患研究を推進。
1998
環境皮膚科学寄附講座を開設。早川律子教授が就任。
2010
秋山真志教授が就任。遺伝性角化症、稀少難治性皮膚疾患、皮膚バリア研究を牽引。
2026
武市拓也教授が就任。教室の歴史を継承し、新たな臨床・教育・研究を始動。

出典:「名古屋大学皮膚科100年の歩み」より