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当講座について

■当講座の概要

わが国において透析を必要とする慢性腎不全患者は増加の一途をたどり、2019年末で34万人を超え、全国民の約360人に一人の割合で透析療法を受けていることになります。慢性腎臓病、慢性腎不全は重大な国民病といえ、且つ平均透析導入年齢も70歳を超えていることから超高齢化社会を迎えるわが国においてもっとも重要な疾患の一つと言っても過言ではありません。治療法である腎代替療法のうち、日本ではそのほとんどを血液透析に依存しており、腹膜透析や腎移植は非常に少ないのが現状です。腹膜透析の比率は先進国のなかでも最低の3%弱にとどまっており、その偏在ぶりは際立っております。このような状況から、もっとも理想的には腎移植のさらなる普及が望まれるわけでありますが、現状では急速な増加を期待するのは難しいと考えられます。
腹膜透析は血液透析と比較して患者満足度が高く、残腎機能が保持される(尿量が長期間維持される)といった特徴もあって、近年、まずは腹膜透析を用いて透析療法を開始するといった概念(PD First)が提唱されており、さらに医療経済的にも有利な点が期待されております。しかし、このようなメリットが未だ十分に理解、普及していない点や、腹膜へのダメージを危惧して長期にはできない点などが妨げとなっている可能性があります。
以上のことをふまえ、血液透析、腹膜透析、腎移植のそれぞれの利点を生かした総合的な腎不全管理を行うことが、望まれていると思います。

本講座は2005年2月設立の「腎不全総合治療学寄附講座」から始まり、
(1)腹膜機能を長期保持して腹膜硬化、腹膜機能不全を予防する腹膜透析法の開発
(2)腎臓専門医療スタッフと患者に対する腹膜透析医療の啓蒙と教育
(3)名大病院を腎不全治療センターと位置づけた総合腎不全医療システムの構築
を目的として、日本の風土に合った新しい末期腎不全患者の総合的医療システム、とりわけ腹膜透析治療システムを確立し、実際の診療に生かして普及させるという目的をもって、活動してきました。

2015年2月からは、大学の規定により「腎不全システム治療学寄附講座」と改名。講座設立より15年以上にわたり当地区における腹膜透析・腎移植を含めた腎不全医療の活性化をはかり、教育、啓蒙活動を推進して参りました。高齢化の進む我が国において、在宅治療である腹膜透析療法をすすめることで、患者さんの生活の質や満足度の向上、また医療費の抑制にもつながっていくと期待するところであります。また、名古屋地区で確立してきた教育活動を全国の医療関係者へと対象をひろげた、腹膜透析の教育プログラム(BSJNU;Baxter Scientia Japan at Nagoya University)を開催しています。さらに、いくつかの臨床研究や、腹膜透析の合併症克服のための基礎研究にも注力し、多くの業績をあげております。


■腹膜透析に関わる医療について

我々は名大病院において、医師、看護師、臨床工学士が連携し、腹膜患者さんの診療・教育・指導に努めています。また、保存期腎不全の方に、適切な腎代替療法を選んでいただくため、血液透析、腹膜透析、腎移植の3つの治療法について、情報提供を行っています。


■腹膜透析に関する研究について

我々は「腹膜透析を如何に安全に行っていくか」を目指し、腹膜の機能低下や解剖学的変化の解明、ここに関わる様々な要因の解明と、これに対する治療的アプローチの開発を試みています。



■活動内容アルバム

  
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腎不全システム治療学寄附講座

名古屋大学大学院医学系研究科
腎不全システム治療学寄附講座
〒466-8550
愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65
TEL 052-744-2205
FAX 052-744-2205