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患者様向け医療情報

■Q&A 腹膜透析


      




CAPDの場合:
毎日、先生から指示された回数の透析液交換を行います。
出来るだけ今までの生活サイクルにあわせられるように相談しましょう。

例)1回目:起床後、2回目:昼、3回目:夕方、4回目:就寝前




APDの場合:
自動的に透析液を交換する機械を使用します。
夜間、就寝中に使用する場合は、夜寝る前に機械をセットし、起床後、機械を取り外します。

例)




必要な透析液の量や交換回数は、患者様の体の大きさ、年齢などによって異なります。
バッグ交換やAPDのスケジュールに関しては、主治医やスタッフによく相談しましょう。

Image4お腹の管(接続チューブ)と透析液を清潔に接続する機械。

Image29 Image30

Image5夜間就寝中に自動的に透析液を交換する機械。

Image6 Yume

※腹膜透析で使用するこれらの機械は、医療機器として保健適応されていますので、患者様の自己負担はありません。



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人工透析を受けている慢性腎不全患者様は血液透析であっても、腹膜透析であっても、同様の医療保障制度を受けることが出来ます。特定疾病療養受領証を受けることで、高額医療費の自己負担分を軽減出来、その他、更生医療や障害者医療費助成制度を利用することが可能な場合があります。
また、身体障害者手帳を受領することで、福祉サービスを受けることが出来ます。腹膜透析では、透析液を温めるために使用するCAPDバッグ加温器が日常生活用具として所帯の所得に応じて補助を受けることが出来ます。その他の福祉制度はお住まいの地域や患者様の状況によって異なりますので、詳しくは病院のソーシャルワーカーや市区町村の担当者にお問い合わせください。


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透析液を腹腔内に出し入れできるように、「カテーテル」という管を埋め込みます。
カテーテルはやわらかいシリコンで出来ています。
通常、当院では麻酔は硬膜外麻酔や腰椎麻酔を使用し、痛みをコントロールしています。

Image25 Image24

カテーテルの先端は、直腸と膀胱の間にあるダグラス窩に位置します。
カテーテルがお腹から出ている部分を「出口部」と呼びます。お臍の下で右側か左側かのどちらかの位置になります。ベルトのラインは通常避けるようにします。

従来の腹膜透析の手術ではカテーテル挿入術を行って、すぐにCAPDを開始する方法がとられていましたが、近年、カテーテルの埋没とカテーテルの取り出しを2期に分けて段階的に行うSMAP(スマップ:Stepwise initiation of PD using Moncrief And Popovich)法が行われるようになりました。SMAP法では従来法と比較して以下のようなメリットがあります。

  •  カテーテルがあらかじめ埋没されているので、必要な時期に透析が開始できる
  •  埋没期間中に手術での創が治癒することで、感染症などが少なくなる
  •  透析導入を計画的に行えるので、患者様の生活・仕事など考慮した入院ができる

当院では現在、SMAP法でのCAPD導入が多くなっています。

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○ 1回目の手術(カテーテル埋没術):
カテーテルを埋め込んで、いつでも必要な時に透析が開始
できるように準備します。お腹の表面には手術の創はありま
すが、カテーテルは出ていません。
当院では約1週間の入院です。




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○ 2回目の手術(出口部作成術):
埋め込んであるカテーテルを取り出して、接続チューブを接続し、透析液の交換ができるようにします。お腹からカテーテルが出た状態になります。手術後からバッグ交換の練習を行います。
当院では約1週間の入院です。









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通常、治療を開始し安定したら、注排液にともなう痛みはありません。透析を開始した直後は、お腹が張ったような感じ・肛門の近くでの違和感・液の出し入れの時に痛みを感じる患者様がいます。このような自覚症状は1ヶ月以内にほとんど消失します。


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操作自体は難しくありません。繰り返し練習することで、ほとんどの人が覚えることが出来ます。大切なことは、ばい菌で汚染されないように清潔操作を行うことです。


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カテーテルや出口部が濡れないように、ビニール製の袋をお腹に貼り付けて入浴します。出口部の状態が良く主治医からの許可があれば、出口部をシャワーで洗うことが出来ます。


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食事は基本的にはバランスよく摂取してください。

CAPDの一般的な食事注意ポイント

塩分

保存期と同様に7〜8g/日と注意して摂取する事が望ましい。

カロリー

透析液からカロリー摂取があるため、体格にもよりますが、カロリー摂取過多にならないようにして下さい。

カリウム

カリウムが比較的自由に摂取できるのはCAPDのメリットの1つです。
腎不全保存期に比べ、生野菜や果物などの摂取が増える場合が多くなります。

水分

CAPDは尿量維持・確保が出来るのが特徴で、尿量が確保できている場合は水分制限は緩やかです。

蛋白質

基本的に、蛋白摂取量(グラム)=標準体重(キログラム)×(1.0〜1.2)となっています。保存期より多い蛋白摂取が可能です。


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透析液と必要な物品がそろえば、基本的にはどこでも旅行することが可能です。透析液や物品をご自分で旅行先に持参したり、あらかじめ、旅行先に配送の手配を行うなどの対応も可能です。(海外も特殊な地域を除けば可能です)
旅行をされる時は主治医に許可をもらい、スタッフに早めに相談して交換スケジュールや注意点など確認しましょう。


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透析を行うことで日常の生活は問題なく過せるようになります。
透析液を貯留して生活することになりますので、過度の腹圧や出口部に負担のかかるスポーツなどは避けてもらったほうが良いと思われます。



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腹膜透析を長期に続けることで、生体膜である腹膜が徐々に変化し、腹膜機能の低下が見られることがあります。その際には他の治療法への移行を考えます。継続期間については個人差もありますので、主治医へ相談してください。

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CAPD最大の特徴は、透析開始後も血液透析に比べて長期間尿がでることです。そこで、透析療法はまず腹膜透析から始め(PDファースト)、できるだけ尿量を保ちます。その後、腎機能が減ってきたら(尿量の減少)、透析量を増やすための治療を考えます。具体的には腹膜透析と血液透析を組み合わせたり、あるいは完全に血液透析に移行をします。このように、長期的な視点で透析ライフを考え、始めにPDを選択する方法を「PDファースト」といいます。


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腎不全システム治療学寄附講座

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