J-MICC Study 大幸研究 研究責任者からのごあいさつ

名古屋大学大学院医学系研究科予防医学分野 講師 田村高志

日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)は、日本ではじめての大規模ゲノムコホート研究で、2005年に研究がはじまりました。現在、本研究には全国で約10万人の方が参加しています。参加者の皆さまのご協力と研究者の分析によって、日本人の疾病予防に関するさまざまな知見を報告しています。

大幸研究は、J-MICC Studyの一地区として、名古屋大学予防医学分野が運営しています。2008〜2010年にかけて、名古屋大学医学部保健学科大幸キャンパス(旧大幸医療センター)で参加者の登録を行い、約5,100人の名古屋市住民の方にご参加いただきました(ベースライン調査)。 また2014〜2015年には、参加者の生活習慣やバイオマーカー(血中・尿中の成分)の変化を調べるための第二次調査を行い、約3,500人の方のご協力を得ることができました(一部は郵送調査のみ)。現在は参加者皆さまの追跡調査を行っており、コホート研究としてのデータも蓄積されています。

大変未熟ではございますが、このたび前任の研究責任者である若井建志先生(本学予防医学分野教授)より本研究の運営を拝任いたしました。 私は大学院生であった2009年に本研究のベースライン調査のスタッフとしてはじめて疫学調査の現場に携わり、それ以後10年以上にわたって本研究と関わるなかで、本研究とともに研究者として(なにより一人の人間として)成長しこれまで歩んでまいりました。 微力ながらも(一歩ずつではありますが)本研究に関わる皆さまへ少しでも恩返しができるように、本研究の運営ならびに研究に取り組んでいく所存です。

大幸研究は、全国研究の一地区として知見創出を担うだけでなく、本学予防医学分野で活躍する第一線の研究者のさまざまな視点にもとづいて、独自の研究を数多く展開しています。今後も本研究によって日本人の疾病予防に役立つ知見を見出し、社会へ発信できるように努めてまいりますので、皆さまの変わらぬご支援とご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

2019年6月吉日


名古屋大学予防医学分野スタッフ