医療関係者の方へ
入局案内

名古屋大学医学部泌尿器科学教室では、やる気ある研修医の先生の入局をお待ちしています。

泌尿器科は、昔はminor科と言われましたが、前立腺癌を始めとする泌尿生殖器系癌の急増、超高齢化社会による泌尿器疾患の増加、排尿や性機能障害などのQOL疾患に対する診療需要増加の状況にあって、患者数、対象疾患の多様性、治療技術の進歩など、質・量ともに、もはやmajor科であると思います。泌尿器科では、小児から高齢者まで、男女幅広い患者層を扱い、治療には外科手術のほかに薬物治療などの内科的治療が含まれます。また、泌尿器科は先天異常、感染症、泌尿器癌、排尿機能障害、女性泌尿器科、男性不妊や性機能障害、外傷のほか、腎機能不全に対する腎移植など幅広い領域に対応することが求められ、手術内容も開腹、開胸を伴う大きな開創手術から、内視鏡手術、腹腔鏡手術など多彩な治療手技を行います。さらに、特に泌尿器科の大きな特徴は、検査から治療まで一貫した診療を行うことです。

以前は、専門科を決めて入局することは当然のことで、何の疑問も持ちませんでしたが、最近は、大学の医局に入局する意味って何ですか?という質問をよく耳にします。泌尿器科は前述のように診療内容が極めて広範囲で、多岐にわたり、一人前の泌尿器科医になるためには、いろいろな症例を経験し、多彩な知識と技術を習得しなければなりません。このような修練は、どんなにすばらしい病院であっても、一施設のみで完結することは不可能です。たとえば、名古屋大学泌尿器科学教室には、約25の関連病院があり、中京病院、名古屋医療センター、名古屋第一日赤病院、名古屋第二日赤病院、中部労災病院、岡崎市民病院、豊橋市民病院、刈谷豊田総合病院、小牧市民病院などの教育病院が積極的に若手泌尿器科医の教育を担当していただいていますが、大学病院を含めてそれぞれの病院には診療の特徴があります。名古屋大学泌尿器科グループでは年間1万1千件以上の手術件数があり、全国でも有数の症例数があります。またロボット支援手術装置のダ・ヴィンチシステムも現在8病院が保有し、3年以内には11病院が保有する見込みです。 Common diseaseの診療以外に、ロボット手術、腹腔鏡手術、腎移植、女性泌尿器科、小児泌尿器科、癌化学療法、男性不妊症、性機能障害などの専門診療の知識と技術を習得するためには、いくつかの教育病院で学ぶことが必須です。さらに、臨床での修練以外に、臨床研究や基礎研究、海外留学なども貴重な経験です。私どもの医局は、泌尿器科領域のすべての疾患に対応できる知識と技術を持ち、さらに研究マインドも兼ね備えた質の高い泌尿器科医の育成を最も重要な役割と考えています。入局するメリットとはこのような教育機会を利用するとともに、同じ志を持った仲間と共に進むことであろうと思います。

名古屋大学泌尿器科学教室への入局資格は特になく、あえて言えば、やる気があれば十分です。入局を希望される方、あるいは私どもの教室についての説明を希望される方は、医局(電話:052-744-2985)までお問い合わせください。日本専門医機構の専門研修制度についても、名古屋大学泌尿器科専門研修プログラム、およびその申し込み方法などについては「名大泌尿器科専門研修プログラム」を参照下さい。