腫瘍外科学について

教室紹介

 名古屋大学の大学院重点化にともない、名古屋大学医学部第一外科学教室は、名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座器官調節外科学(旧腫瘍研究室)と同血管外科学(旧血管外科研究室)の2つの専門分野からなる第一外科ユニットになりました。現在では器官調節外科学の名称が腫瘍外科学に改変され、腫瘍外科学と血管外科学とで第一外科ユニットを構成しています。

 第一外科教室は、初代齋藤真教授が大正8年に教室を担当し、血管造影法を開発するとともに、脳神経外科の先駆者として業績を残し、戸田博教授は血管外科、交感神経外科を開拓する一方、人工心肺の開発をわが国で初めて行い、心臓外科の端緒を築きました。橋本義雄教授の時代には心臓、血管、脳神経外科の領域に腫瘍外科、高気圧治療、小児外科の研究が加わりました。弥政洋太郎教授の時代に心臓、血管、腫瘍、小児、高気圧治療が5本柱として大きく成長しましたが、胸部外科の開講に伴い心臓研究グループは胸部外科へ移動しました。塩野谷惠彦教授の時代には、小児外科研究グループの主力が分院外科へ異動し、血管外科、腫瘍外科を中心とした国際的なレベルの研究が数多く行われました。平成3年12月に二村雄次教授が就任し、腫瘍外科、血管外科、小児外科の領域において精力的に研究が推し進められました。小児外科は平成12年4月に新講座として独立し、大学院重点化にともない、第一外科腫瘍研究室、血管外科研究室は、それぞれ器官調節外科学と血管外科学の2つの専門分野に名称を変更しました。血管外科学では平成14年4月に古森公浩教授を初代教授として迎え、第一外科ユニットの教育・診療・研究体制が現在の状態に整いました。平成18年5月からは器官調節外科学という曖昧な名称が腫瘍外科学に改められ、平成19年5月から梛野正人教授が教室を担当し、現在の体制となりました。

 腫瘍外科では肝胆膵疾患を中心に、食道癌などを扱う上部消化管、大腸癌などを扱う下部消化管、乳腺・内分泌の4本柱で研究、診療、教育を行っています。附属病院の診療科としては、消化器外科1と乳腺内分泌外科の一部を担当しています。