<研究課題 概要>

小児科関連事業:新規マススクリーニング検査

検査の概要:

現行の新生児マススクリーニングに加え、新たにポンペ病と重症複合免疫不全症の新生児マススクリーニングが「新生児マススクリーニング対象疾患拡大に関する研究」として、平成28年4月1日より開始されました。
保護者の方に費用負担を頂いての任意検査:1症例:6000円(税込)となりますが、早期発見による治療介入で著しい予後改善が望める疾患です。
各医療機関では、新規マススクリーニング検査の導入につき、ご検討頂ければ幸いです。保護者の方におかれましては、お子さんが検査を受けることをご考慮いただけると幸いです。

ポンペ病は、ライソゾーム内でグリコーゲンを分解する酸性α-グルコシダーゼの活性低下により、筋組織内にグリコーゲンが蓄積し筋原線維の変性することで筋力低下、心肥大などを来す疾患で、重症の乳児型は無治療の場合、約90%が2年以内に死亡すると報告されています。症状が出ていない生後できるだけ早い時期に病気を見つけて、酵素補充療法を開始することで命を救うことが可能となりました。このスクリーニング検査は、現在日本ではごく限られた地域でしか行われておりません。

重症複合免疫不全症は、生まれつきの免疫の異常により、病原体(細菌・ウィルスなど)から体を守ることができない病気です。まれな病気ですが、適切な治療がなされないと感染症を繰り返し、1歳になる前に死亡します。しかし、発症前に早く見つけて、骨髄移植などの治療を受ければ、健康に生きられる病気です。海外では、米国をはじめ多くの国々で重症複合免疫不全症のマススクリーニングが始まり、大きな成果をあげていますが、日本ではまだ導入されていません。重症複合免疫不全症に対する新生児マススクリーニングを全国に先駆けて愛知県で導入を目指しております。

スクリーニング陽性例に対する確定診断とその後の治療は、ポンぺ病は藤田保健衛生大学小児科、重症複合免疫不全症は名古屋大学小児科が責任を持って対応致します。愛知県を起点として、これらのスクリーニング検査を全国に拡大し、救われる命を増やしたいと考えています。

検査をご希望の施設は、申込書(下記よりダウンロードできます)に必要事項をご記入いただき、愛知県健康づくり振興事業団宛にご送付下さい。
後日担当者から連絡させていただきます。

本検査について、さらに詳しい説明をご希望される場合は、愛知県健康づくり振興事業団までご連絡ください。

連絡先:

藤田保健衛生大学 小児科 伊藤 哲哉
名古屋大学    小児科 村松 秀城

公益財団法人愛知県健康づくり振興事業団
Tel: 052-871-1877
Fax: 052-882-2963



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