<研究課題 概要>

研究課題: SLC26A7遺伝子異常による先天性甲状腺機能低下症の病態解明

研究の趣旨:

先天性甲状腺機能低下症(CH)は新生児マススクリーニング対象疾患であり、4000人に1人程度の有病率を持つ最も頻度の多い内分泌疾患の一つです。私たちは、著明な甲状腺腫を伴うCHの兄妹例に全エキソーム解析を行いSLC26A7遺伝子のナンセンス変異をホモ接合性に同定しました。さらにヒトの甲状腺組織や細胞を用いた実験によって、この遺伝子が甲状腺に発現し、濃度依存的にヨード輸送を担っていることを証明しました。しかしながら、この遺伝子異常によって発症するCHの病態は明確ではありません。

研究の目的:

CHにおけるSLC26A7遺伝子異常の頻度及びその病態の解明を目指します。

研究の方法:

新生児マススクリーニングの結果に関わらず、以下に示す甲状腺機能低下症の患者様から血液を採取してDNAを抽出し、次世代シーケンサーという機器を用いて先天性甲状腺機能低下症に関わる50個の遺伝子の解析を一度に行います。SLC26A7遺伝子に病原性の疑わしい異常が認められた場合には、必要に応じて細胞を用いて細胞内での局在の変化やヨード輸送能を評価し、その遺伝子変異の臨床的意義を確認します。

【対象の患者様】
下記の徴候のいずれかを満たす自己抗体陰性の甲状腺機能低下症(基礎疾患を持つ症例は除外する)
①甲状腺腫
②サイログロブリン値>500 ng/ml

これらの解析は研究費によって行われますので、費用負担はございません。

研究機関:

名古屋市立大学病院
上記病院以外に、全国の施設と協力して行っています。

連絡先:

研究代表者
名古屋市立大学大学院医学研究科 新生児・小児医学分野 青山 幸平
〒467-8601 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
TEL: 052-853-8246
FAX: 052-842-3449
Email: ncu.endopedi2019@gmail.com(@を半角@に変えて送信してください)

遺伝子解析の結果は、他人に漏れないように、取扱いを慎重に行っています。遺伝カウンセリングの体制も整えています。
遺伝子解析をご希望の際は事前にご連絡下さい。

各大学研究担当者
愛知医科大学: 岩山 秀之
名古屋市立大学: 青山 幸平
名古屋大学: 川田 潤一
藤田保健衛生大学: 藤野 正之