<研究課題 概要>

研究課題:Aichi-UDPプロジェクト

研究の趣旨:

全エキソーム解析などの網羅的遺伝学的診断による未診断疾患解析プロジェクトはアメリカではUDP(Undiagnosed Disease Program)、英国ではDDD (Deciphering Developmental Disorders) projectなどを代表として世界中で取り組まれています。未診断疾患の約25%の診断が可能であると報告されています。Aichi-UDPでは愛知県において未診断疾患の網羅的遺伝学的解析を行い、診断支援および新しい病因や病態の解明を目指します。

研究の目的:

日本医療研究開発機構(AMED)が推進する小児希少・未診断疾患イニシャチブ(IRUD-P)に参加し、希少・未診断疾患の遺伝学的解析を実施します。愛知県全体で必要な患者に対して解析が実施できるように、四大学が共同して患者登録、解析、レポート作成、遺伝カウンセリング支援のシステムの構築を目指します。

研究の方法:

IRUD-Pの東海地区拠点病院である名古屋大学病院小児科に患者情報と検体を集約するシステムを構築します。
患者を診療するそれぞれの病院から患者登録を実施できるように、ホームページを開設しますhttp://133.6.182.37/fmi/webd#tokai-irud 。ホームページから必要な書類(エントリーシート、倫理申請書類、写真使用の同意書など)のダウンロードができるようにします。さらに、患者情報を入力することにより、自動的に匿名化番号が設定されます。集約した検体は定期的にIRUD-P解析センターに送付します。戻ってきた解析結果については月に1回主治医を含めた検討会を行い、その場での討議を基にレポートを作成します。

研究機関:

名古屋大学小児科、名古屋市立大学小児科、愛知医科大学小児科、藤田保健衛生大学小児科

研究の経過 (2017年4月現在):

平成29年2月までに5回の検討会を実施し、39家系の解析を終了しました。診断率は16家系(41%)でした。一般的な全エキソーム解析の診断率は25%と言われているため、かなり高い結果となっています。
86家系の段階での検討では発達遅滞、知的障害、てんかんなどの神経疾患が約7割、先天異常が約2割と両者で大部分を占めました。
平成28年度で150家系を超える検体集積が行われましたが、結果報告に至ったのは一部に停まっています。解析時間の短縮が課題となっています。

連絡先:

研究代表者
名古屋市立大学大学院医学研究科新生児・小児医学分野 齋藤伸治
〒467-8601 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
TEL: 052-853-8244
FAX: 052-842-3449
Email: ss11@med.nagoya-cu.ac.jp(@を半角@に変えて送信してください)

各大学研究担当者
名古屋大学小児科:奥野友介、村松秀城
名古屋市立大学小児科:齋藤伸治
愛知医大小児科:奥村彰久、倉橋宏和
藤田保健衛生大学小児科:石原尚子