<研究課題 概要>

研究課題: 胆汁うっ滞疾患に対する網羅的遺伝子解析

研究の趣旨:

新生児期から幼児期にかけての遷延性黄疸の原因には、鑑別疾患が数多く存在し、確定診断が難しい場合がしばしばあります。

疾患によっては黄疸が成人に至るまで遷延し、黄疸とともに肝硬変、肝不全に至る例があります。そのため、予後の予測と、正しい治療のためには正確な診断が必要です。正確に診断するためには遺伝子解析が有用になる場合があります。

研究の目的:

遷延性黄疸、胆汁うっ滞を呈する患者さんとそのご両親に対し、関連が疑われる遺伝子を網羅的に調べ、疾患との関係を明らかにしていきます。これにより、お子様の予後の予測や治療方針を考える上での参考になるとともに、将来、同様な疾患で苦しむ患者さんに対して診療の助けになると期待されます。

研究の方法:

胆汁うっ滞を認める患者さんから臨床検査の際に採取した血液や、手術の時に採取された組織の一部をご提供いただきます。抽出したDNAをmultiplex PCR法と呼ばれる方法で目的とする遺伝子の断片を増幅し、次世代高速シーケンサーという機器を使い候補遺伝子の塩基配列をほぼ全長にわたって確認します。これに基づいて既知の遺伝子変異との比較を行い、遺伝子異常を明らかにします。ご両親の解析は、血液からDNAを抽出して同様の方法で塩基配列を確認し、お子様の配列と比較検討します。

遺伝子解析は研究費によって行われますので、費用負担はありません。

研究機関:

名古屋市立大学以外に、全国の施設と協力して行っています。

連絡先:

本研究に関する連絡先は以下の通りです。遺伝子解析の結果は、他人に漏れないように、取扱いを慎重に行っています。
遺伝カウンセリングの体制も整えています。遺伝子解析をご希望の際は事前にご連絡下さい。

研究代表者
名古屋市立大学大学院医学研究科 新生児・小児医学分野 杉浦時雄
〒467-8601 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
TEL: 052-853-8246
FAX: 052-842-3449

各大学研究担当者
愛知医科大学: 後藤盾信
名古屋市立大学: 杉浦時雄
名古屋大学: 杉山裕一朗
藤田保健衛生大学: 長谷有紗






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