不妊治療について

スクリーニング検査および二次検査にて不妊因子を明らかにし、適切な治療方針を決定いたします。各不妊因子に対する治療に加え、より負担の少ない方法から順次治療を高度なものへと発展させていく「ステップアップ方式」に関しては、数多くのデータに基づいた治療を行っています。ART(体外受精、顕微授精など)に関する施設は2011年4月に全面移転し、最先端設備による新施設での実施となっております。なお外来担当医師は生殖医療専門医4名を含むグループ診療の形式をとっております。

1)一般不妊治療について

不妊を主訴に受診された方に対しては、まずスクリーニング検査(血中ホルモン検査、精液検査、子宮卵管造影検査など)を行います。スクリーニング検査にて異常を認めた方に対しては、二次検査を行って不妊因子を明らかにし、適切な治療方針を決定いたします。各不妊因子に対する治療に加え、より負担の少ない方法から順次治療を高度なものへと発展させていく「ステップアップ方式」を原則として、患者さまのニーズにあった治療法を提案させていただきます。具体的には、タイミング指導や人工授精、内服薬や注射による排卵誘発剤の投与などを行います。

2)補助生殖医療(ART:体外受精、顕微授精など)について

スクリーニング検査や二次検査にて補助生殖医療の適応と診断された方や、ステップアップ方式での一般不妊治療で妊娠に至らない方に対して行っています。卵巣刺激方法(クロミッド周期やFSH自己注射含む)や精子処理方法などを、症例ごとに毎回カンファレンスで検討して提案させていただいております。胚移植に関しても、胚盤胞胚移植を含む様々な方法の中から選択しております。胚(受精卵)凍結・融解胚移植、レーザーアシスティッドハッチングもおこなっております。採卵、胚移植とも日帰り入院で行います。(体外受精の費用:ロング法で排卵誘発を10日間行い採卵、顕微授精、胚移植、余剰胚凍結を行った場合は約393000円となっております)

3)Ovarian Reserve Test(卵巣予備機能評価)

妊娠のしやすさは、卵巣に含まれる卵の量と質によって決まります。卵巣に潜在的にどれだけ良質な卵が残っているかどうかを予測する検査が卵巣予備能評価です。卵巣予備能は、年齢だけでなく卵巣に対する手術、抗がん剤の使用などで低下します。当院では各種ホルモン検査などによる卵巣予備能評価を行っています。また卵巣予備能を示す指標AMH(アンチミュラー管ホルモン)を用いた臨床研究で数多くの報告をおこなっております。

4)生殖領域の内分泌疾患について

多嚢胞性卵巣症候群は、排卵障害や男性ホルモンの上昇を主症状とし、不妊症の原因となるだけでなく、排卵誘発に際しては過剰な反応(卵巣過剰刺激症候群)や多胎妊娠をきたしやすく治療に難渋することもしばしばです。また時に耐糖能異常(糖尿病)を合併することでも知られています。当院では、FSH漸増投与法(自己注射含む)などにより、上記副作用を最小限に抑えるとともに、耐糖能異常のスクリーニング検査も施行しております。さらに当院不妊外来では、原発性や続発性無月経に対しても生殖医療専門医、内分泌・代謝科指導医を含むチームで診断・治療をおこなっています。

Serum anti-Mullerian hormone level is a useful marker for evaluating the impact of laparoscopic cystectomy on ovarian reserve.
Iwase A et al. Fertil Steril 2010
The post-operative decline in serum anti-Mullerian hormone correlates with the bilaterality and severity of endometriosis.
Hirokawa W et al. Hum Reprod 2011