新学術領域研究(研究領域提案型) 脳タンパク質老化と認知症制御 国際活動支援班

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国際活動支援報告

2018年12月3日(月)

訪問者:慶應義塾大学 中村真理

【研修報告】Society for Neuroscience 2018

《研修報告》
平成30年11月3日から11月7日までの5日間、米国のカリフォルニア州・サンディエゴで開催されたSociety for Neuroscience(SfN)に参加しました。神経科学分野で最大規模の学会ということもあり、世界中の70か国以上から約3万人が参加しており、会場は非常に活気にあふれていました。新学術領域研究に参加されている研究者の方々も含め、日本人の参加者もよくお見かけしました。
タウに関連するシンポジウム・セッションは連日行われ、口頭・ポスターを合わせると、約400もの演題がありました。In vitroの解析から、新規マウスモデルの作出、そして薬剤スクリーニングの立ち上げまで、幅広いトピックスが議論されており、多くを学ばせていただきました。また、近年の著しい研究の発展に伴い、iPS細胞技術を用いた病態モデルの構築や病態解析に関する演題も数多く見られました。私自身、「Stem Cells and Disease Modeling: Neuropsychiatric and Neurodegenerative Disease」という名の、幹細胞モデルに特化したシンポジウムにて、口頭発表を行いました。神経精神疾患と神経変性疾患の両方を対象としていたため、発表者の研究内容は多岐にわたりましたが、iPS細胞技術が様々な分野において応用されていること、また、技術が日々進展していることを直に実感することができました。特に、三次元培養モデルに関する発表は多数あり、患者の病態をより忠実に再現できるモデルとして、非常に期待されている様子を伺いました。今後、今回得られた様々なアイデアや最先端の技術を取り入れて、さらに自分の研究を発展させたいと思います。
最後になりますが、今回このような貴重な機会をいただけましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。

(2)新学術領域研究への貢献
私たちの班は、ヒトiPS細胞を用いたin vitroタウオパチーモデルを作成し、治療法開発に向けた病態解析を行っています。今回の学会では、タウに関する知見のみならず、iPS細胞技術に関する最先端の研究内容を勉強させていただきました。今後はこれらを活かし、iPS細胞モデルを用いてタウオパチーのメカニズム解明を進めることで、新学術領域研究に貢献したいと思います。

慶応義塾大学
生理学教室
中村 真理