新学術領域研究(研究領域提案型) 脳タンパク質老化と認知症制御 国際活動支援班

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国際活動支援報告

2018年11月26日(月)

訪問者:慶應義塾大学 永迫友規

【研修報告】Neuroscience 2018, 5th RNA Metabolism in Neurological Disease Conference (Society for Neuroscience)

《研修報告》
この度、5th RNA Metabolism in Neurological Disease Conference(11/1-11/2)及びNeuroscience 2018(11/3-11/6)に参加し、後者にてポスター発表の機会を頂きましたので、ご報告させて頂きます。
前半のRNA Conferenceにおいては、私が研究テーマとさせて頂いております疾患(BAFME)と同じく、異常RNAが病態の発症に関与する様々な疾患の最先端の研究に触れることが出来、今後の実験の手法や方向性を考える上で非常に勉強になりました。また、C9orf72 Amyotrophic lateral sclerosis (ALS)や孤発性ALSの分子病態に関する最新の知見や、spinal muscular atrophy (SMA)の新薬治験の進捗状況に関しても第一人者の先生方から聴講することが出来、神経内科医としても非常に多くのことを学ばせて頂くことが出来ました。
後半のNeuroscience 2018においては、11/5に上記演題にてポスター発表をさせて頂きました。
連日、iPSc由来の細胞モデル(神経、グリア細胞、オルガノイド等)を用いた、様々な神経疾患に関する多様な研究発表を聴講することが出来、大変勉強になりました。また、自身の発表においても、今後実験を進める上で非常に参考となる貴重なご指摘やご質問を頂くと共に、同じ分野で研究をなさっている国内外の先生方と直接お話させて頂くことが出来、大変良い刺激を受けました。このように今回の学会参加を通じて、今後の実験を進める上で有用となる具体的な知識を得ることが出来たと共に、研究者としてあるべき姿勢について考え直す非常に貴重な機会を頂くことが出来ました。また、種々の神経難病研究における最先端の知見を得ることが出来、医師としても非常に学びの多い1週間となりました。今回学んだことを最大限に生かしながら、今後も引き続き精一杯研究を頑張って参りたいと思います。
この度は、非常に貴重な機会を頂きまして本当にありがとうございました。温かなご支援を頂きましたこと、心より感謝申し上げます。

(2)新学術領域研究への貢献
BAFMEは主に成人以降に発症し緩徐に振戦様ミオクローヌスと稀発全般てんかん発作が進行することから、加齢依存的疾患と考えられています。現在私はその病態機序の解明を目指して、ヒトiPSc由来神経細胞の2次元培養系を構築しております。今後は、今回の学会で得た最先端の知見を活用しながら、本神経細胞モデルにおいて老化促進を行い、ヒト細胞における老化依存的変化を引き起こせるかどうかの検討も進めて参りたいと思います。

慶應義塾大学医学部
生理学教室
永迫 友規