新学術領域研究(研究領域提案型) 脳タンパク質老化と認知症制御 国際活動支援班

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国際活動支援報告

2016年6月12日(日)

訪問者:新潟大学脳研究所 加藤 泰介

【派遣報告】Keystone Symposia conference : Common Mechanisms of Neurodegeneration

20160616_074043平成28年6月13日より4日間の日程で、Keystone Symposia conference : Common Mechanisms of Neurodegenerationに参加した。Keystoneは標高2800メートルの高地で、アメリカの避暑地として知られる湖畔のリゾート地である。周辺には目立った観光施設もなく、雄大な自然に囲まれ、まさに学会に集中できる環境であった。今回の学会参加者は、neurodegeneration とmicrogliaのグループ併せて400人弱と参加人数も絞られており、近い専門性の研究者だけあって、盛んなディスカッションが行われていた。申請者のポスターセッションにも2時間のコアタイム中に20人近くもの研究者が訪れてくれて、深いディスカッションを行うことができた。DSC_0891英語力は、まだまだ拙いが、お互いに議論を交わしたいと思っていれば、少ないボキャブラリーでも科学的な意見のやり取りは十分に可能であると感じることができた。我々が研究しているTDP-43はタンパク質の動態は深く研究されているが、mRNAレベルでの制御や、疾患患者細胞内での検討は世界に先駆けたものであり、多くの方に「interesting」と言っていただけて、論文を読んでもらうだけでは分からない海外研究者の感想を直に聞けることができ、今後の研究意欲にも繋がるものであった。他の研究者の発表で衝撃を受けた発表はJ.Paul TaylorとDouglas Golenbock, そしてBeth Stevensのものであった。彼らの発表は、論文で先端と思っていた研究のさらに先に進んだものであり、世界の第一線の研究者のパワーとスピード感には驚嘆させられるものがあった。データの中には我々の研究テーマをさらに躍進させるヒントも見つかり、非常に有意義なものであった。20160616_081303-1アメリカ北米神経科学会SfNなどの巨大な学会にしか、これまで国際学会は参加経験がなかったが、このように分野を絞ったコアな学会のほうが、中身の濃い時間を過ごすことができるのかもしれないと肌で感じることができた点も、良い経験となり今後の参加学会の選択にも影響するものであった。さらにこの学会は食事も学会参加者が一緒にビュッフェ形式で摂るため、親睦を深める時間も多くあり、多くの研究者と知り合うことができる点も、非常に素晴らしいものであった。

新潟大学脳研究所
加藤泰介