センター長挨拶

ご挨拶

  • てんかんセンター長 若林俊彦 てんかんセンター長 若林俊彦

    名古屋大学医学部附属病院
    てんかんセンター長 若林 俊彦

  •   皆様、名古屋大学医学部附属病院てんかんセンターのホームページへようこそ。

    てんかんセンターは、あらゆるてんかんに対する診断・治療・研究を総合的に実施する部門として構成されています。
     てんかんは、生まれたばかりのお子様からお年寄りの方まで、どの年代にも発症する可能性のある病気であり、生涯の間におよそ100人に1人の方がこの病気になると言われています。そのうちの、およそ70%の患者さんでは抗てんかん薬の内服で発作がおさえられるようになりますが、その一方で、30%の患者さんはなかなかおさえられないとされています。従来、てんかんの治療は抗てんかん薬の内服を中心とした内科的治療が行われてきましたが、最近では、てんかんの発作焦点診断技術の進歩や、定位的な脳神経外科手術技術の進歩により、手術にててんかんが治療される時代が到来してまいりました。これらの進歩に裏打ちされて、小児期の内科的治療を担う小児科、成人期の内科的治療を担う脳神経内科、てんかんに付随する精神症状を担当する精神科・親と子どもの心療科、外科治療を担う脳神経外科、脳画像による焦点診断を担う放射線診断科、てんかんリハビリテーションを行うリハビリテーション部といった複数の科による横断的で集学的な診断および治療体制が望まれています。
      厚生労働省ではこのような現状から「てんかん地域診療連携体制整備事業」として、各都道府県においててんかん診療の拠点機関を指定して、地域のてんかん診療の連携体制の整備を進めております。2018年度には、愛知県においててんかん地域診療連携体制整備事業が開始され、2018年11月30日に名古屋大学医学部附属病院が拠点機関に指定されました。ただし、愛知県には、すでにてんかん診療を積極的に行っている医療機関が多くあり、単一の医療機関を拠点とするのは実情に合わないと考えられました。そこで、2019年1月28日に、愛知県てんかん治療医療連携協議会が開催され、協議会には幅広く県内の四大学病院(愛知医科大学、名古屋市立大学、名古屋大学、藤田医科大学)、名古屋医療センター、すずかけクリニック、森川クリニック等のてんかん医療関係者が参加し、協議会の委員長は愛知医科大学精神科の兼本浩祐教授が務めることとし、幅広く横につながった診療連携体制を構築することと致しました。今後は、本事業の目指すところとして、てんかんに悩む患者さんやご家族の方々に、多くの最新情報をいち早くお伝えすることで、医療関係者と患者さん相互の密な連携を取り、てんかんの最新治療をお届けすることを目指しています。今後のてんかんセンターの活動に是非ともご支援をお願い申し上げます。