【2025.07.24】
みなさん、こんにちは。
2025年4月より医局長を務めています水野鉄也です。前任地の静岡がんセンター時代以来の数年ぶりの寄稿となります。
今回、中国・上海のShanghai Chest Hospital(SCH; 上海市胸科医院)のDr. Maoより招待いただき、第4回SCH Mediastinal Disease Symposiumという研究会に参加してきました。先日、発表した日本胸腺研究会(JART)のデータベースを用いた胸腺上皮性腫瘍の再発巣切除に関する論文がDr. Maoの目に留まり、発表の機会をいただきました。これまで海外各地への学会参加、旅行の経験はあったのですが中国への渡航機会はありませんでした。未踏の地ということで多少の不安はありましたが芳川教授の後押しもあり、ご縁と思って参加を決めました。SCHは中国最古の大学である国立・上海交通大学(Shanghai Jiao Tong University)の付属施設で年間1万超の胸部外科手術を、1000超の縦隔手術を行う中国国内、世界有数のハイボリュームセンターであり、今回は施設見学にも招待いただきました。
初日夜は私と同様に招待された韓国・国立ソウル大学からのKang教授とともにDr. Mao、中国呼吸器外科会のレジェンドであるDr. Fang、Dr. Guとワイン、アレンジされたシーフードを楽しみました。SCHのスタッフには日本への留学経験のある方も多く、特にドラマ「白い巨塔」についての話題で盛り上がりました。2日目は楽しみにしていたSCHの施設見学をしました。同日は約40件の呼吸器外科手術がされているとのことで頻繁な患者さんの入退室、1人で閉創する修練医の先生など日本とは違った慌ただしい時間の流れを感じました。予定手術の終了は遅い日は深夜、未明にもなるとのことでした。3日目には今回のお仕事、JARTデータベースを用いた胸腺上皮性腫瘍の再発巣切除の発表をしました。知見の限られた領域であり、関心をもって聴講してもらいました。また私自身も中国の先生方の最新の知見の発表を聴講し、学ぶことができました。中国の方々はホスピタリティーにあふれていて、日本に関心がある方も多いことを実感しました。国は違えども患者さんのためにベストを尽くすというマインドは同じで日々の診療において海の向こうの同士を思い出しながら頑張っていこうと思えるよい経験となりました。