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2023.10.23

名大呼外便りNo.40:ウィーン留学記4・名古屋大学_仲西慶太

ウィーン留学記

                                                           

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Guten Tag, an alle

                                                            

こちらに来てからあっと言う間に時が経つ。10月初めは半袖で過ごし、週末はホイリゲ(自家製のとれたてのワインが飲める酒場)のテラス席で食事を楽しんでいたというのに、ここ数日で瞬く間に冬の様相を呈してきた。道行く人々は既にダウンジャケットを着用している。子供達も季節の変わり目ですぐに風邪をひいた。さて私はと言うと、幸いなことにウィーンで様々なことにチャレンジさせて頂いている。まず友人が出来た。こちらのResidentStaff surgeonとも親密になり、先日も郊外のハイキング+上述のホイリゲでの飲み会に連れて行って頂いた(Figure 1,2)。会話についていけないことも多々あるが、耳を傾けるだけでなく積極的に質問をし、話の邪魔になるぐらい会話にカットインする積極的な姿勢を常に意識している。外国語習得にはこれぐらいの図々しさが必要であろう。朝のカンファレンスでも末梢小型肺癌に対する治療戦略(主に区域切除)に関して意見を求められることもあり、大したことは言えてないと思うがそれでも発言する機会が増えてきているのは確かだ。手術は開胸よりもVATSで行われることが多い。RATSは月2-4例で当院よりも少ない。VATSは術者にもよるがuniportが積極的に行われている。私もウィーンでの記念すべき一例目の執刀をuniportwedge resectionさせて頂いた。また先日、前教授Prof.Klepetkoが現在勤務しているprivate clinicへ手術支援に行かせて頂いたが、3件ともスタンダードな開胸手術が行われていた。大変ご高名なgreat surgeonと二人で3件の手術を行い、ご指導頂けたのは大変良い経験になった(Figure 3)。移植に関しては現在は他国からのObserver/Fellowshipも多く順繰りで経験させてもらっている形になる。ただExplantationは次は執刀させてもらう約束を取り付けた(?)ので、早く次のチャンスが来ないか期待して日々待機している。また私は長期滞在のため肺移植のChief: Prof. Konradに積極的に臨床研究への参加を勧めて頂き、現在二つの臨床研究・試験を主体的に進めている。一つは肺移植後の横隔神経麻痺が呼吸機能に与える影響を調べるために約1500症例のビッグデータを用いた後ろ向きの観察研究を行っている。もう一つは詳細は記載出来ないが、当院で20239月より開始となったRCTRandomizationおよびImplantation時における薬剤・データ管理、BALや末梢血のサンプリングを行っている。一つ目の臨床研究においては全例の肺機能検査を見慣れぬドイツ語のカルテから抽出しなければならず大変苦労したが、ある程度データをまとめることが出来、次の国際学会で発表すべく抄録作成を終えたところだ。引き続き発表および論文作成も頑張っていきたい。

                                                                

それでは皆さん、Tschüss

                                                                      

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