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新着情報

2023.04.11

名大呼外便りNo.33:博士号を取得しました・豊田厚生病院_伊藤俊成

平素より格別のご厚情とご指導を賜り、厚く御礼申し上げます。このたび名古屋大学大学院医学系研究科 呼吸器外科学分野を修了し、博士号を取得いたしましたのでご報告させていただきます。

 学位論文では、悪性胸膜中皮腫において胸膜肥厚を含む術前因子と合併症発生との関連を検討し、胸膜肥厚は患者の周術期リスクを評価する簡便で有用な指標と結論付けました。お時間ある時に、ご高覧いただけますと幸いです。

Ito T, Nakamura S, Kadomatsu Y, Ueno H, Kato T, Ozeki N, Fukumoto K, Chen-Yoshikawa TF. (2023). Impact of Pleural Thickness on Occurrence of Postoperative Complications in Patients with Malignant Pleural Mesothelioma. Annals of Surgical Oncology, 30(3),1574-1583. doi: 10.1245/s10434-022-12790-9.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36371580/

 悪性胸膜中皮腫といいますと、学生時代に呼吸器外科をローテーションする前は「石綿が原因の胸膜に発生するがん」程度の認識しかありませんでした。その予後の厳しさを学び、衝撃を受けた記憶があります。

 当教室は、悪性胸膜中皮腫に対する集学的治療の一環として外科治療を積極的に行っており、手術症例数は日本でも有数です。これまで先生方が、悪性胸膜中皮腫の診療、研究にご尽力されてきました。そのような背景があっての本論文であり、これもまた今後の一助になればと思います。

 論文がなかなかアクセプトされず、厳しい時期もありました。つらい時期にも、先生方の温かいご指導のもと論文として掲載され、万感の思いです。新たな気持ちで一人前の呼吸器外科医、安心して任せられる呼吸器外科医を目指して研鑽を積んで参ります。

 

 改めて芳川豊史教授、論文執筆をご指導くださった中村彰太先生をはじめ、教室の先生方に心より感謝申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。

豊田厚生病院 呼吸器外科 伊藤俊成

                                               

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