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新着情報

2023.01.28

名大呼外便りNo.31:自己紹介と大学での研修生活_大原佑子

医師5年目、外科専攻医3年目の大原佑子と申します。11月から大学で研修させていただいております。自己紹介と外科専攻医としての大学研修について述べたいと思います。          

      
                                                                 

 いきなりですが、私は小学校中学校時代をテストや宿題のない私立学校で過ごしました。個性が尊重され、自己決定や体験学習を重視するような学校でした。その中で国境なき医師団の存在を知り、医師を目指そうと思い、一転して高校は公立の進学校に進みました。一浪はしましたが何とか国立大学に合格し、無事に進級して外科医としての道に進んでいます。

 医学生時代は救急や外科系の道に進みたいと思っていました。しかし、臨床研修で外科系の科を一通り研修し、残念ながら診療中に亡くなってしまった患者さんや指導医を含めて一番印象に残っていた科に進むことにしました。外傷診療においていわゆるABCDEアプローチと呼ばれるものがありますが、呼吸器外科医はABに対応できるのが強みだと思います。また、昔こそ肺癌は不治の病だったかもしれませんが、早期肺癌は手術だけで治ることが多く、やりがいのある科だと感じています。何よりも肺という臓器が興味深いのと、他科に比べて手術のアプローチが多岐にわたるところは魅力的です。

 呼吸器外科医になるにはまず外科専門医を取得しなければいけません。臨床研修終了後、3年間の研修期間中に執刀症例や学会発表の経験を積む必要があります。そして、メインとする病院での研修とは別に他の病院で6ヶ月間の研修が義務づけられています。私の場合は市立四日市病院の外科プログラムを専攻しており、すでに必要な研修を終えてサブスペシャリティーと呼ばれる専門領域(私の場合は呼吸器外科)のトレーニングのために大学で研修しています。


 

 大学の研修は臨床だけに限らず、非常に充実しています。全国的にみても有数のロボット手術が行われており、大学にきて早々にダヴィンチの助手ライセンスを取得しました。また、名古屋大学では肺移植実施施設認定に向けて準備を行っており、芳川教授にお声がけいただき、ドナー肺のMC業務や脳死肺移植の見学に同行させていただきました。

先日、実験室で豚肺を使ったトレーニングをさせていただきました。その際に指導医にいわれて気づいたのですが、肺動脈の剥離や胸膜の把持は、市立四日市病院で経験したヘルニア手術における膜の剥離と似ていると思いました。呼吸器外科志望者にとって消化器外科での研修は大変でしたが、外科手技の取得において無駄なことはないのだなぁと思わされました。


 

外科医としての基礎、呼吸器外科医としての土台作りは四日市で積ませていただきました。この場をお借りして、石田先生、森先生、市立四日市病院の外科の先生方にお礼を述べたいと思います。ありがとうございました。

 呼吸器外科医として、一外科医として、一医師として、一人の人間として、成長を続けていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。                       

                                                                    

脳死肺移植見学写真.jpg