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新着情報

2022.10.31

名大呼外便りNo.30:「第8回・献体を用いた呼吸器外科手術手技トレーニング」に参加して@クリニカルアナトミーラボ名古屋(CALNA)日赤愛知医療センター名古屋第一病院・後藤まどか先生

2022_10_後藤先生_1.jpg2017年卒の後藤まどかと申します。

過日、第8回献体を用いた呼吸器外科手術手技トレーニングが名古屋大学・鶴舞キャンパスにあるCALNA(クリニカルアナトミーラボ名古屋)にて開催されました。この度、医局長である中村彰太先生のお声がけによりサポートという立場で参加させていただく予定でしたが、自身も修練する機会をいただき貴重なトレーニングとなりました。お礼申し上げるとともに、今回のトレーニングの内容や感想をここに報告いたします。

   今回は、貴重な献体を3体使わせていただき開胸方法から胸腔内の解剖確認、開胸/胸腔鏡下葉切除、肺摘出のコースが設定され各々トレーニングを行いました。修練医、サポート役、講師、見学者を合わせ23名が参加し、感染対策を万全に行ったうえで開催されました。心臓外科医や看護師も見学に来られるなど、呼吸器外科医でない方も興味深く勉強されていたのが印象的でした。

   私は午前の部で坪内秀樹先生(日赤愛知医療センター名古屋第一病院・呼吸器外科)の指導下に開胸方法や解剖の確認を行うコースのサポートをさせていただきました。昨今は低侵襲アプローチの増加により、胸腔内をカメラのみで観察し行う手術しか経験のない若手の先生もいらっしゃるほど開胸手術が少ない時代です。そうした開胸術に不慣れだったり未経験の先生には、直視でかつ広い視野の得られる開胸アプローチで、触診しながら解剖を復習し勉強できる貴重な機会となったのでないでしょうか。

   午後の部では福本紘一先生(名古屋大学・呼吸器外科)に指導いただき、胸腔鏡下(VATS)左上葉切除を修練しました。これまで解剖学的切除の執刀は開胸のみで、胸腔鏡下肺葉切除は初めての経験でしたが、体位や手術器械・エナジーデバイス・自動縫合器など普段どおりの環境で修練できました。ご献体の固定状態も非常に良く、血管鞘やリンパ節の剥離、葉間からの操作など生体での手術環境と近似した環境でトレーニングを行うことができ感銘を受けました。心拍動があり、かつ血管内が血液のようなもので充填されていたら、さらに実臨床に近い環境が得られるのではと思い、そのような工夫ができないか中村先生と考える時間もありました。

   前回参加した際は、福井高幸先生(現:愛知医大・呼吸器外科・教授)に指導いただき、後側方切開での開胸左肺上葉切除を指導いただいたことを記憶しておりますが、自身の手技が少しずつ進歩していることを実感すると同時に、それ以上にアプローチや器械が変わると思うように剥離操作が行えない場面もあり、課題も多くみつけることができ有意義なトレーニングとなりました。

   また、指導医や大学医局のサポートの先生からも適宜声をかけていただき、大学の雰囲気に触れリフレッシュするとともに、医局の雰囲気の良さを感じました。若手医局員や指導の先生方との交流ができることも本イベントのよいところでないでしょうか。

   私自身は卒後6年目で第一日赤では最も若手でありますが、今回の参加者の中では更に若手の25年目の先生が半数を占め、毎年の入局員の多さと名大・呼吸器外科の勢いを感じました。

   開催にご尽力いただいた事務局の先生方や、ご指導・ご協力いただいたコメディカルの方々に厚く御礼申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

                                                                      

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