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新着情報

2021.02.23

名大呼外便りNo.11:名大でのOff the Job Training効果を実感!ー今村由人

献体を用いた手術手技トレーニングin CALNA:Clinical Anatomy Laboratory Nagoya

JA愛知厚生連 豊田厚生病院 呼吸器外科 今村由人(2016年卒)

 

 豊田厚生病院の今村由人と申します。このたび、名大呼吸器外科で開催されました「第5回献体を用いた呼吸器外科手術トレーニング」に参加させていただき、実のあるトレーニングだったので、その内容や受講した感想について紹介させていただきます。

「第5回献体を用いた呼吸器外科手術トレーニング」では参加者の修練度に応じて様々なトレーニングが設定されており、今回は開胸方法~解剖の確認、肺動脈の処理方法~肺葉切除、胸腔鏡下(VATS)肺葉切除、気管支形成術や稀なアプローチ(TMA: Transmanubrial Osteomuscular sparing approachやClamshell approach)、肺移植における臓器摘出トレーニングなど様々なコースがありました。また、名大の医学生さんも4名見学しており、若手から指導医までが揃う活気あるトレーニングとなりました。

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図1 トレーニング風景

 

 私は午前中に胸腔鏡下(VATS)肺葉切除のトレーニングを関連施設である名古屋第一赤十字病院の呼吸器外科部長 森正一先生にご指導いただきました。ご献体は生体に近い状態で固定されており、肺動脈の血管鞘を剥離する操作や結紮する操作は実際と非常に近いものであり、良い緊張感をもって臨めました。機材は胸腔鏡鉗子、電気メスや超音波凝固切開装置、自動縫合器などが揃っており、普段の手術とほぼ同じ環境下で臨場感をもって完全鏡視下肺葉切除と縦隔リンパ節郭清を無事完遂することができました。ポイントごとに丁寧な指導をくださった森正一先生と指導サポートくださった病院助教 上野陽史先生に感謝申し上げます。手術手技の修練、解剖の確認だけではなく、他施設の手技を学ぶとても貴重な経験になりました。

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図2 私のVATSトレーニング

 

 午後からは肺移植における死体ドナー臓器摘出のトレーニングを見学させていただきました。心臓外科の先生方と連携し心臓および両肺摘出が行われた手技を間近で見学できたこと、芳川教授の解説スライドは、医学書では得ることのできない充実した内容でした。

 2年前にも同トレーニングに参加させていただきましたが、以前では考えられないほど自分が成長していることに気づき、帰りの電車は不思議な気持ちで一杯でした。少し前の話になりますが、プロ野球でソフトバンクが圧倒的に優勝し、その原動力となった球界屈指の若手育成システムが話題となりました(当院オペ室だけの話かもしれません)。普段よりアドバンストな内容に触れる、大学屈指の若手育成システム(CALNA)に感謝しております。