排尿管理アルゴリズムを用いて、排尿障害の診断を行い、対処を行う。
 マニュアルの内容をすべて参照する必要はなく、各例に該当する項目のみについて、詳細を参照すればよい。
 以下に排尿管理マニュアルの使い方を示す。

1. 

既往歴、合併症、服用している薬剤を把握する
  種々の排尿障害に関与する薬剤がある。(
排尿機能に影響する薬剤(12)参照)

2. 

尿道カテーテル留置者については、排尿状態の評価のため、とりあえずカテーテルを抜去する。おむつ使用者については、可能であればいったんはずして排尿状態を観察するが、装着のままでも構わない。

3. 

排尿日誌(1)および排尿チェック票(2)を用いて、評価を行う。

4. 

排尿チェック票にもとづいて診断を得る。

5. 

各診断ごとに概要(A、B、C、D、E)、介護・看護者の対処法(A-1、B-1、C-1、D-1、E-1)、一般医での対処法(A-2、B-2、C-2、E-2)、泌尿器科専門医での対処法(A-3、B-3、C-3、D-3、E-3)が示されているので、必要な項目の説明を参照して排尿管理を行う。

6. 

診断が複数になる場合も、それぞれの必要な項目の説明を参考にして排尿管理を行う。

7. 

カテーテル留置、清潔間欠導尿、治療方法、その他の細かい項目については(1)〜(13)に示すので、必要に応じて参照する。

【目的】

 尿失禁、排尿困難を有する高齢者において、尿道留置カテーテルの抜去、おむつはずし、排尿の自立のための排尿管理および治療の方策を示す。

【対象】

 本マニュアルは、現場の介護・看護者(看護婦、保健婦、ケアマネージャーなど)、一般医、泌尿器科専門医を対象とし、各々が連携して排尿管理を行うことを目指しているので、マニュアルに沿って、介護・看護者→一般医→泌尿器科専門医の紹介を必要に応じてスムースに行う。