高齢者では、いろいろな病気に関係して、種々の、また多くの薬剤を服用していることが少なくない。薬剤の中には、主作用の他に、排尿状態に影響を及ぼすものがあり、排尿異常の評価においては、内服している薬剤とその排尿に対する影響を評価しておくことが重要である。下記に、排尿に影響を及ぼし得る代表的な薬剤を示す。
尿排出障害を起こしうる薬剤
麻薬(モルヒネ) 中枢性骨格筋弛緩薬(リオレサール) 抗精神病薬(セレネース)
頻尿・尿失禁治療薬(ポラキス、バップフォー、プロバンサイン) 鎮痙薬(ブスコパン、コリオパン、チアトン、セスデン) 消化管潰瘍治療薬(コランチル) パーキンソン病治療薬(アーテン、アネキトン、ペントナ) 抗ヒスタミン薬(レスタミン、ポララミン、ホモクロミン) 三環系抗うつ薬(トフラニール、トリプタノール、アナフラニール) 抗精神病薬(コントミン、ニューレプチル、ヒルナミン、メレリル) 精神安定剤・睡眠鎮静薬(セルシン、コントール、リーゼ、ユーロジン) 抗不整脈薬(リスモダン) 血管拡張薬(アプレゾリン) 気管支拡張薬(テオドール)
気管支拡張薬(塩酸エフェドリン、メチエフ) βアドレナリン遮断薬(インデラル)
感冒薬(ダンリッチ、PL) 末梢性骨格筋弛緩薬(ダントリウム) 抗結核薬(イスコチン)
蓄尿障害を起こしうる薬剤
コリン作動性薬(ウブレチド、ベサコリン)
交感神経α遮断薬(ミニプレス) βアドレナリン刺激薬(イソプロテレノール、イソクスプリン、など)