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前立腺癌

前立腺癌とは

前立腺がんは、高齢化、食生活の変化。PSAの普及に伴って近年増加傾向にあります。その診断、治療法は最近数年で大きく変化してきています。
 前立腺がんは、一般的に進行の遅いがんであり、初期には症状がみられません。最近は検診で発見されることが多くなってきています。血液検査によるPSAの測定、直腸診、お尻からの超音波検査などでがんの疑いが生じた場合、針生検を行って確定診断します。針生検をいつ、どのように、どのような人を対象に行うかについては病院ごとに少し異なりますが、一般的にはPSAが4.0mg/ml以上が対象となります。針生検で前立腺がんと診断された場合は、CTや骨シンチという核医学検査で転移がないかどうかを診断します(ステージン検査)。これまでにわかった情報(PSA値、生検での悪性部分の割合、悪性の度合い、画像診断での病巣の広がり)を基にして適切な治療方針を決めていきます。また、針生検で異常がないと診断された場合でも、将来約20%の人で再度生検をしたときにがんが見つかるとも言われており、PSAによる定期的な検査が必要です。

主な治療法

早期前立腺がんの治療法は、無治療経過観察、手術、放射線治療、ホルモン治療に大きく分けられます。前立腺肥大症の手術で診断された小さながん、針生検で見つかったものの非常に小さなおとなしいがんは経過観察でよい場合もあります。治療が必要な段階で見つかった前立腺の中にとどまる限局がんに対しては、手術または放射線治療を選択します。年齢、進行度、合併症を考慮し、限局がんであっても薬による治療を行うこともあります。いずれの治療法も早期の低リスクがんに対して、現在高い治療成績をあげられるようになっています。
 これに対して進行、転移期前立腺がんに対しては主にホルモン治療が行われ、長期間がんを抑えることができる場合もありますが、薬が効かなくなって再発することもあります。いったん再発すると薬を変えても反応が悪く、また、効果が長続きしないため徐々に病気が進行し死に至る場合もあります。
 中年以上でPSA検査の数値が高い、オシッコが出にくい、身内に前立腺がんの人がいるといった方は専門医の診断を受けるようにお勧めします。

ダ・ヴィンチによるロボット支援前立腺がん手術

日本では平成21年11月に薬事承認が得られ、本院ではそれから間もなく他の地域に先駆けて平成22年3月にこのシステムを導入しました。平成22年5月に前立腺がんの手術を開始、さらに平成23年からは腎がんに対する腎部分切除術もロボット手術で開始しました。海外では現在アメリカで2000台以上、ヨーロッパでは300台以上、お隣の韓国では30台以上が稼働しています。日本はこれまでロボット手術の導入が遅れていましたが、平成23年には全国の各地方の主要都市に徐々に導入され始め、今年に入り50台を超え、その数はさらに増加してきています。特に前立腺がんでは今年の4月から保険診療として行われるようになり(現在、保険診療で行えるのは前立腺がんのみです。腎がんに対する腎部分切除術は、現在、自費診療で180万円前後の費用がかかります)、これまでの開腹手術、従来法の腹腔鏡手術に比べて出血が少なく、機能回復が早いことから手術数も増えており、当院ではロボット支援前立腺全摘術は週3例のペースで行っています。


名大病院泌尿器科におけるロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除(10分30秒)