泌尿器科の病気について
膀胱がん

膀胱がんとは

膀胱がんは、泌尿器科領域では、前立腺がんに次いで2番目に頻度の高いがんです。発症年齢は60〜70歳が最も多く、男女比は約3:1と男性に多くみられます。リスク要因として、喫煙、職業性曝露(ナフチルアミン、ベンジジン、アミノフェニル)などが考えられています。膀胱がんは、膀胱粘膜、粘膜下層内にがんがとどまっている表在性膀胱がんと膀胱の筋肉や膀胱外にまでがんが発育した浸潤性膀胱がんに大別されます。表在性腫瘍は高分化傾向(がんの悪性度が低い)で、浸潤性腫瘍は低分化型(がんの悪性度が高い)の傾向があります。

検査・診断

膀胱がんの症状として、検診での尿潜血(尿に目で見てわからない程度の血液が混じっている)陽性所見より偶然見つかるもの、症状がない突然の肉眼的血尿(目で見て明らかに尿が赤い)、なかなか治らない繰りかえす膀胱炎(排尿痛、残尿感、頻尿、排尿困難)の検査中に見つかることがほとんどです。

診断には、膀胱内をカメラ(内視鏡)で見ることが必要です。当院では軟性膀胱鏡(ファイバー内視鏡で柔らかい)を用いており、男性でもほとんど痛みなく検査することが可能です。

泌尿器Care & Cure Uro-Lo(メディカ出版)、21(4)、p13、2016 (山本新吾、膀胱がんってどんな疾患?)より転載