大腸に潰瘍やびらんができる原因不明の炎症性腸疾患で、1973年に厚生省の特定疾患に指定されました。
一般に若年成人に好発しますが、最近では中高年での発症される方も珍しくありません。罹患数は年々増加傾向にあります。原因は完全には解明されていませんが、原因のひとつとして免疫抗体の異常があげられています。
潰瘍性大腸炎登録患者数の推移
厚生労働省:平成25年度 医療受給者証交付件数の推移(合計)より
粘血便、下痢、腹痛、発熱などがあります。
腸管合併症として、穿孔、出血、狭窄、中毒性巨大結腸症(炎症が広範囲に大腸の筋層内の腸管神経叢に及び腸管収縮機能が失われて大腸が過度に拡張した状態)や大腸がんの併発などがあります。潰瘍性大腸炎発症後10年で約2%、20年で約10%、30年で約20%に大腸がんを併発するとの報告もあり、またこれらの大腸がんは通常の大腸がんに較べて悪性度の高いことが多いとされています。また、大腸以外にも関節、皮膚、眼、肝臓などに合併症が生じることが知られており、これらには免疫異常が関係していると考えられています。
大腸の下部から上部へ向かって連続性に広がるびまん性炎症所見や炎症が高度になると大腸の鉛管状変化、偽ポリポーシス(粘膜が脱落し、残った部分がポリープのように見える状態)などが特徴的とされます。
潰瘍性大腸炎切除標本
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