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食道がん

食道がん縫合不全ゼロをめざして〜当科の治療戦略〜

食道がんは治療選択の幅が広くその治療方針を決めるためにも的確な術前診断が必要です。その診断結果をもとに、患者さんの病状と治療の選択肢を充分時間をかけ理解できるように説明し、治療方針を決めていただくことに努めています。外科治療のみならず内視鏡治療や化学放射線治療など他診療科と協力して治療にあたります。

食道がんはその解剖学的特性とがん自体の悪性度も高く、手術治療は難易度が高くその的確な遂行には高度の医療レベルを要すると言われています。当科では以前より食道がん診療にも力を入れており、診療実績は中部圏で有数の施設です。食道外科専門医である小池聖彦講師が担当します。

食道がん手術は、侵襲が最も大きい手術の一つです。全国平均で合併症率41.9%、周術期死亡も3.4%であり、なかでも縫合不全は、治癒するまでに長い期間を要し、定期的な処置も必要となり、重篤な合併症であるといえます。縫合不全は全国平均でも13.3%とまだまだ低いとはいえません1)。

われわれ消化器外科2食道グループは、典型的な食道切除・胃再建手術に関しては過去4年間で、縫合不全発生率1.4%と極めて少なく、合併症が少ない施設のひとつとして全国的にも有名です。これは当科における食道がん治療に対する診療研究の積み重ねのみならず、大学病院ならではの最高レベルの他診療科との協力と高度な医療設備施、また豊富な症例によりトレーニングを積んだ診療・看護スタッフにより診療が行われているからです。また、これまでの食道がん根治術というと、頚部・胸部・腹部の3領域の切開が必要でした。消化器外科2食道グループでは、術前に症例を十分に検討し、食道がんの占拠部位や進行度に応じて、胸部操作については胸腔鏡下手術を導入し小さな創で術後回復を早め、また胸腔内から頚部の操作を行うよう手技を工夫し、可能なかぎり頚部切開を省略しています。こうした侵襲を軽減する努力と、安全な吻合手技の確立で縫合不全1%台を実現しました。

さらに、食道がんのほかに心臓や肺に併存疾患を有するなど、当科の関連病院では治療困難となるような症例の経験も豊富です。食道がんでは他がんの手術に比べ食事の食べ方など、術後のリハビリもやや長い期間必要となる傾向があります。そのため、単に手術を行うだけではなく、その後の社会復帰までトータルに患者さんをサポートすることを目標に治療を行っています。食道がん手術の術後管理も大きく様変わりしつつあります。当科での状況を一部ですがご紹介いたします。当科では術後1日目には歩行を課しており、最近では9割近い患者さんが術後2日目に歩行しています。以前に手術された患者さんにご協力いただき、その際の歩行状況をご覧いただけます。

ほとんどの患者さんが順調に回復され、術後平均在院日数は15日と、術後約2週間で退院されています。

1)A Risk Model for Esophagectomy Using Data of 5354 Patients Included in a Japanese Nationwide Web-Based Database. Annals of Surgery (2014)

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