発見された大腸がんがどれくらい進行しているかを数字で表したものが進行度です。進行度は日本では大腸がん取扱い規約に従って分類されており、深達度(がんの深さ)、リンパ節転移(広がりや個数:N)、他の臓器への転移の有無(肝、肺、遠くのリンパ節、腹膜など:M)の3つの要素の組み合わせにより決定します。
深達度がMとSMまでに留まるものを早期がんと言います。腫瘍が腸の壁の外側まで広がると、がん細胞が腹腔内にこぼれて腹膜播種(P)を起こす可能性が出てきます。また、周囲の組織に浸潤するようになる(Si)と、手術の際に浸潤した臓器(膀胱、子宮、小腸、腹壁、前立腺など)を一緒に切除する必要性があります。
リンパ節は大腸の壁へ栄養する血管沿いに存在します。大腸近くのリンパ節(腸管傍)もしくは少し離れたところに3個以内の転移であればN1、4個以上であればN2、栄養する血管の根本のリンパ節に転移を認めればN3ということになります。
以上の因子を組み合わせて、進行度を決定します。大腸がん取扱い規約では以下のように決められています。
H0,M0,P0 | H1,H2,H3,M1,P1,P2,P3 | ||||
---|---|---|---|---|---|
N0 | N1 | N2,N3 | M1 (リンパ節) | ||
M | 0 | - | |||
SM MP |
Ⅰ | Ⅲa | Ⅲb | Ⅳ | |
SS,A SE SI,AI |
Ⅱ |