大腸にできたがんを大腸がんと言います。大腸がんは粘膜から発生し、外側の漿膜層へ向かって広がって行きます。さらに進むと、周囲の小腸や膀胱などの臓器へ浸潤して行きます。
大腸がんは通常大腸ポリープから出来ると考えられていましたが、近年ポリープの段階を経ないで正常の粘膜から直接がんが発生することもあるとわかってきています。
昔は欧米に多く日本に少ない病気と言われてきましたが、近年発生頻度は増加傾向で、男女とも第三位となっております(国立がんセンターがん対策情報センター調べ。1975~2001年)。
早期がんではほとんど100%治癒が見込まれ、また進行している状態でも他のがんと比べて治りやすいがんと言えますが、適切な診断と治療が必要です。
がんが進行する過程で、リンパ管からリンパ節へ、血管(静脈)から遠く離れた臓器(肝臓、肺、脳など)へ広がる(転移)ことがあります。またお腹を覆っている膜(腹膜)へ種をばらまいたようにがん細胞が散らばる腹膜播種を起こすことがあります。
以前は新鮮な果物や野菜をとり、動物性の食肉を減らすと大腸がんのリスクが低減すると言われていましたが、近年肉を良く食べる人でも大腸がん発症リスクは高くならないということがわかってきました。
大腸がんで見られる症状には以下のようなものがあります。
初期の大腸がんでは自覚症状はなく、検診などで行われる便潜血(便に血が混じっていないかどうかを調べる)検査で見つかることもあります。早期で発見するために、定期的に検診を受けるようにしましょう。