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クローン病の治療について

内科的治療

現段階ではクローン病を根治させる治療はありませんが、多くの場合は緩解状態へ導入・維持することが可能であり、病気と上手につきあっていくことが重要であると考えられます。このためには、患者さんご自身が本疾患を充分に理解し、治療に協力していくことが必要不可欠です。

治療の主体は栄養療法(食事療法)や薬物療法といった内科的治療であり、腸管の炎症を抑えることによって症状を緩和し、病気とうまくつきあっていくことを目的として行われます。外科的治療は内科的治療により改善が望めない場合に行われますが、手術によりクローン病自体が根治するわけではなく、引き続きの内科的治療が必要です。

栄養療法

脂質の摂取制限、肉類の制限、繊維質の食品の制限等に加え、エレンタール・ダイエットなどが病状に応じて行われています。

薬物療法

主に5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤が栄養療法と併用され用いられます。重症例では製剤や免疫抑制剤などが用いられることもあります。また、最近ではインフリキシマブ(TNF-α阻害剤、商品名:レミケード)が広く用いられル様になっています。ただし、高度の狭窄、内瘻、膿瘍形成例などでは投与ができないこともあります。

外科的治療

前述のように内科的治療がクローン病の治療の主役でありますが、高度の狭窄、穿孔、瘻孔形成、膿瘍形成を伴う場合等には手術適応となる事があります。一般にクローン病の患者さんに手術が必要となる率は発症後5年で約30%、10年で約70%程度とされています。手術の役割は内科的治療で改善できない部分のみを最小限治療することであり、クローン病そのものを根治させてものではありません。術後も引き続き栄養療法や薬物療法を継続する必要があります。

手術適応

高度の腸管狭窄、瘻孔形成(内瘻・外瘻)、腸管穿孔、膿瘍形成、痔瘻など

術式

病態によりさまざまな手術が行われます。クローン病に対する手術の基本は、最小限の腸管切除にとどめることであり、病変の部位・程度により切除と狭窄形成術を組み合わせて行います。また、手術時には、通常の検査では検索が難しい小腸を全検索することが可能であり、病変の範囲や程度を明瞭にして、今後の内科的治療の方針に役立てることができます。

当科では、できる限り患者さんへの手術の負担を軽減する目的で、小開腹法による手術を導入しています。狭窄型の患者さんの手術では80%以上で約5-7cmの術創で手術が可能です。

クローン病の小開腹手術

【左図】他院での第1・2回目手術創/【右図】当院での第3回目手術創

【左図】他院での第1・2回目手術創/【右図】当院での第3回目手術創

術後の経過

高度の腸管狭窄、瘻孔形成(内瘻・外瘻)、腸管穿孔、膿瘍形成、痔瘻など

クリニカルパス(小腸・回盲部切除)

経口摂取 投薬 処置等
術前 前処置なし
1POD 水分 (-500ml)
2POD ED:0.5P (1P/600ml) バルン抜去
3POD ED:1P (1P/300ml) ペンタサ:6T
4POD ED:2P (1P/300ml)
5POD ED:3P (1P/300ml) ドレン抜去
6POD ED:4P (1P/300ml)
7POD 低残渣食, 経鼻ED開始 ペンタサ:9T
8-10POD 退院
14-28POD Half ED 継続 インフリキシマブ
アダリムマブ
外来

再発率

一般にクローン病の再手術率は5年で約30%程度とされており、再燃・再発予防が重要であります。

当科での手術件数の推移

当科での手術件数の推移

クローン病
名古屋大学医学部附属病院
〒466-8560 名古屋市昭和区鶴舞町65番地
 TEL 052-741-2111(代表)
 【休診日】 土・日曜日、祝日、振替休日、
年末年始(12月29日~1月3日)

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