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胆道がん

総合力が問われる高難度手術

胆道癌の手術術式は一様ではありません。胆道周囲の解剖は複雑で、がんの存在する範囲に応じて胆管切除の範囲が異なり、肝切除や膵頭十二指腸切除もしくはその両方が必要となる場合もあります。また、進行癌では門脈合併切除再建や肝動脈合併切除再建を必要とすることがあり、複雑かつ高度な手術手技が要求されます。

適切な手術を行うためには詳細な進展度(がんの広がっている範囲)診断が必要となります。当院では最新の超音波診断装、CT、内視鏡を用い、各分野の専門医が詳細な進展度診断を行っています。特に進展度診断に重要な内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)や管腔内超音波検査(IDUS)、経口的胆道鏡(POPS)、経乳頭的胆管生検などを積極的に行っており、確実な術前診断と過不足のない手術を目指しています。

肝門部領域胆管がんのCT画像

肝門部領域胆管がんのCT画像

肝門部領域胆管にがんを認め(矢印)、肝内胆管左右分岐部を超えて浸潤しています。

肝門部領域胆管がんのCT画像

肝門部領域胆管がんのCT画像

肝門部胆管にがんを認めます。また右肝動脈浸潤を認め(矢印)、門脈浸潤も疑われるため、根治のためには右肝動脈+門脈合併切除再建が必要となります。

ERCP

ERCP

ERCP下に胆管生検を行い、がんの進展範囲を正確に診断し、適切な術式を選択します。

術前の準備も重要です。胆道癌では黄疸を伴うことが多く、内視鏡的診断とともに胆道ドレナージを行い黄疸の治療する必要があります。また肝門部胆管癌や進行胆嚢癌の場合には大量の肝切除が必要となります。肝臓の再生能は豊富とされていますが、生命維持になくてはならない臓器であり、大量に切除した場合や黄疸によって肝機能障害が残存した場合には容易に肝不全となり生命に危険が及びます。肝不全を予防するために切除予定側の門脈血流をあらかじめ止めてしまう経皮経肝門脈塞栓術(PTPE)を行っています。こうすることによって残すほうの肝臓があらかじめ大きくなり術後の肝不全発生の危険性を下げることができます。どれぐらい再生したか、どれぐらい肝機能が改善したかについては、CTを用いた肝容積計算、ICG(インドシアニングリーン)排泄検査、超音波を用いた肝血流動態評価、線維化評価を行い総合的に判断し適切な手術時期を決定しています。

肝左三区域切除+肝外胆管切除+右肝動脈切除再建+門脈切除再建
肝左三区域切除+肝外胆管切除+右肝動脈切除再建+門脈切除再建

手術は先に述べたように一様ではありません。進行胆道癌に対する手術は10時間を超えることもあり、肝切除や膵切除とともに血管合併切除を行うこともあります。以前は血管合併切除、特に肝動脈合併切除を必要とする場合には危険性が高く、手術の適応とならないことがありましたが、肝移植の経験から動脈再建の安全性が高まり手術適応が広がっています。

切除範囲が大きくなればそれだけ術後合併症の危険性も高くなり、緻密な術後管理が必要となってきます。血管合併切除再建症例では血管閉塞の合併症がありますが、これは早急に診断しないと致命的となります。超音波検査はその診断に重要な役割を果たしていますが当科では積極的に活用し早期合併症診断に役立てています。また当科では肝機能が悪い肝硬変患者における肝切除術後管理や豊富な膵頭十二指腸切除術後管理経験を生かしてより安全な術後管理を目指しています。

さらには、大学病院ではこれらの様々な重篤な合併症を、放射線科・消化器内科・ICUなどの優れた専門家と共同して治療にあたることができ、当施設で手術を受けられることの大きなメリットです。

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病気と治療(当科の特色)
名古屋大学医学部附属病院
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