主任教授 尾崎 紀夫

当医局の特徴を紹介させて頂きます.

尾崎紀夫 主任教授1908年に開講された当医局は,ヒトの精神現象という「最も人間らしい事柄」に関する診療・教育・研究を,多面的な視点から実践して参りました.現在の医局構成員には,他大学出身,女性,他科の経験を持つ医師も多く,他学部や海外出身の教員が在籍する,という「多様性」が特徴です.さらに,公平で民主的な雰囲気のもと,当医局は運営されています.

当医局,「精神科ユニット」の構成と診療・研究において心がけていること.

当医局,すなわち「精神科ユニット」は,診療部門が「精神科」と「親と子どもの心療科(児童精神科)」,大学院研究部門が「精神医学」,「精神生物学」,「発達・老年精神学」,「親と子どもの心療学」の各部門に分かれており,全ての科長,部門長を尾崎紀夫が担当しております.

診療に際しては,心理面,身体面,患者の置かれている社会的立場といった多面的な視点を持ち,患者・家族のニーズ(気持ち)を踏まえて,現在の診断法,治療法で最適なものを選ぶよう心がけています.研究に関しても,心理社会的側面(養育体験やストレス状況など)と生物学的側面(ゲノム科学や脳科学によるアプローチ)を組み合わせ,患者・家族の願いを適える成果を目指しています.

例えば,産後に起こるうつ病はお母さん自身の問題であると同時に,お子さんの心の発達にも関係し,お母さんを支えるご家族の問題でもあります.また,かつての精神医学は「心か?脳か?」,「遺伝か?環境か?」といった発想で進められていましたが,今では,「心と脳」,「遺伝と環境」の相互関係を踏まえ,全体を捉えることが,臨床面でも研究面でも必要になっております.

この様な状況を踏まえ,各診療科,各研究分野は各々の専門性を重んじながら,診療・教育・研究面で協力しあって,全体が「精神科ユニット」して活動しております.

当医局が求めている人材と研修・教育方針

児童から老年期までの豊富な症例と,各分野のエキスパートである,多様な専門医・認定医,研究者が多数在籍し,その点を活かした研修プログラムを用意しています.入局後,系統的レクチャーを受講して精神医学の基礎知識を身につけ,指導医の丁寧な指導のもと,児童から老年期までの幅広い精神障害の外来・入院症例の診療を研修します.また,総合病院という特性から,癌,周産期,移植といったリエゾン精神医学についても研修することができます.

例えば,児童精神科医を目指す方は,青年期以降に発症することが多い統合失調症の典型例を経験することで,小児期にも発症し得る統合失調症の診断や治療を学びます.一方,成人期に抑うつを訴えて初診する自閉スペクトラム症(ASD)について,児童期のASD症例を専門医とともに診療することで,対応法を習得します.さらに,老年期に起こり易く,総合病院である大学病院で経験可能な,脳の器質的あるいは身体疾患を背景にして生じる精神障害を学び,精神科鑑別診断の基本を身につけます.

さらに,前半2年の大学病院での研修と後半2年の関連精神科病院での研修を繋げることで,広範な領域を経験すると同時に,当大学病院は10以上の各種学会が定める研修施設となっており,精神科医としてのキャリアアップにも繋がります.

研究の基本方針は,「当事者・家族のニーズ」を踏まえて,「現在,利用可能な診断・治療法では対応が困難な部分に関して,病因・病態を解明し,病因・病態に即した診断,治療・予防法の開発すること」であり,多様な研究志向性を持った人材を求めています.

当「精神科ユニット」の診療・教育・研究を実践して行くには,精神科医のみらならず様々な方のご協力を必要としております.ご興味を持たれた方は,医師,心理士,看護師,薬剤師,基礎研究者を問わず,気楽にメールで,何時でも尾崎紀夫まで (ozaki-n@med.nagoya-u.ac.jp)御連絡ください.

また,「尾崎紀夫教授執筆記事のご紹介」をクリックして頂きますと,「精神科ユニット」の診療,教育,研究について,私がこれまで書いた文章をPDFでダウンロード出来るようになっております.あわせてご参照下さい.