名古屋大学小児科臨床研修プログラム(PDF、Word形式)
資料1.経験すべき代表的疾患リスト(PDF、Excel形式)
資料2取得するべき手技リスト(PDF、Excel形式)
資料3研修指導者による評価項目シート(PDF、Excel形式)
症例サマリーの雛形(PDF、Word、File Maker形式)


名古屋大学小児科臨床研修プログラム

(2005年度版)

はじめに

 

名古屋大学小児科に入局し、名古屋大学小児科関連施設にて小児科臨床研修を行う医師が効率的かつ円滑な小児科臨床研修を行えるよう「名古屋大学小児科臨床研修プログラム」を作成した。本プログラムを利用して、有意義な小児科臨床研修に臨んでいただきたい。

なお、日本小児科学会入会をもって小児科専門医の研修開始となるので、日本小児科学会に速やかに入会することを勧める。日本小児科学会入会については、日本小児科学会のホームページ(http://www.jpeds.or.jp/)を、名古屋大学小児科入局については名古屋大学小児科のホームページ(http://www.med.nagoya-u.ac.jp/ped/)を参考にしていただきたい。

 

2005年1月

 

名古屋大学大学院小児科学 小島勢二

 名古屋大学小児科臨床研修を考えるワーキンググループ

名古屋大学小児科臨床研修プログラム目次

 

I 名古屋大学小児科の一般目標
II 名古屋大学小児科臨床研修プログラムの目的
III 名古屋大学小児科臨床研修プログラムの管理運営
IV 小児科臨床研修について
1) 標準的な小児科臨床研修コース
2) 定期的に行われる教育関連行事
@ 新入局者オリエンテーション
名古屋大学臨床小児科セミナー
名古屋大学小児科関連病院臨床症例検討会
木曜会
名古屋大学小児科関連病院新生児カンファレンス
E 小児科初期セミナー
3) 名大病院研修について
研修時期・研修期間
研修方法
学会発表
名大病院研修における主な教育関連行事
各診療グループの診療の特徴について
各診療グループの症例検討会、勉強会などのスケジュール
V 経験するべき症例
VI 取得するべき手技
VII 「診療態度」「一般的診療能力」について
VIII 評価シート、各種リストの取り扱い
資料1. 経験すべき代表的疾患リスト
資料2. 取得するべき手技リスト
資料3. 研修指導者による評価シート
IX 専門医取得プログラム
@ 小児科専門医制度
A 小児科各分野の専門医(認定医)制度について
日本小児血液学会
日本小児アレルギー学会
日本小児感染症学会
日本小児神経学会
日本周産期・新生児医学会
日本小児循環器学会
日本先天代謝異常学会
日本小児腎臓学会
日本小児内分泌学会
日本小児心身医学会
日本小児臨床薬理学会
日本小児遺伝学会
日本小児東洋医学会
日本小児救急医学会
日本小児リウマチ研究会
B 小児科分野と関連の専門医(認定医)について
日本てんかん学会
日本透析医学会
ICDInfection Control Doctor
小児科各分野における専門医・認定医の現状(1
小児科各分野における専門医・認定医の現状(2



名古屋大学小児科臨床研修プログラム

 

I.名古屋大学小児科の一般目標

幅広く小児医療・小児保健に貢献するために、すぐれた小児科医を育成し、地域の小児医療の充実を図り、小児医学の進歩に寄与する。
一般目標の実現を目指して以下の事を実践する。
1) 幅広い臨床能力を持つ小児科医を育成する。これからの小児科医は、出生前から成人に至る全課程を総合的にとらえ、成育医療の視点に立った医療の実践を心掛ける。
2) 大学附属病院、関連病院が一体となり、各分野における最高水準の先端医療を推進するとともに、それにあたる人材の育成。確保に努める。
3) 明日の医学を創り出すのに必要な情報を世界に発信するとともに、研究能力を有する人材を確保する。
4) 社会に対し、小児医療、小児保健の重要性を訴え、さらに小児科医の社会的地位の向上に努める。
5) 3つの使命である、教育、診療、研究の推進について国内の他施設と協調し、さらにグローバルな視点にたち、国際交流を図る。

II.名古屋大学小児科臨床研修プログラムの目的

本プログラムは上記の「名古屋大学小児科の一般目標」の実践を目指すために作成された臨床研修プログラムである。
小児科医として幅広い臨床経験を積み、小児科診療の基礎的知識・手技を習得し、小児科専門医を取得するための効率よい臨床研修を提供する。
小児科専門医を取得後に、各分野専門医取得のための研修に速やかに移行できるように、各専門分野の専門医取得についての情報を同時に提供する。
小児科臨床研修を通じて、臨床医としての基本的姿勢、病児とその家族に接する態度を習得できるようにする。

III.名古屋大学小児科臨床研修プログラムの管理運営

本プログラムの管理責任者は小島勢二(名古屋大学大学院小児科学教授)とする。
関連病院部長会などを通して、定期的に本プログラムの研修内容評価、再検討をおこなう。
専門医関連の情報については、1年に1回の更新をおこなう。
本プログラムの修正、訂正などは、「名古屋大学小児科臨床研修を考えるワーキンググループ」を中心に作業を行う。
IV.小児科臨床研修について                      目次へ

1)標準的な小児科臨床研修コース
    卒後2年後    卒後45年後 卒後56年後

                                            

 

 

 

臨床研修

スーパーローテート研修)

原則2年間

 

 

原則的に臨床研修を行った病院にて、引き続き小児科研修を行う。

 

 

 

 

 

 

 

 

関連施設内の一般病院への赴任

関連施設内の専門施設への赴任

大学院入学

関連施設外の国内研修

各分野専門医取得

上記と同様の小児科研修をおこなう。

大学院入学

関連施設外の国内研修

     
                          卒後45年後

  (註)塗潰し部分は名大病院研修の期間

 

卒後2年間は各研修病院の臨床研修プログラムに沿い、ローテート研修を行う。
ローテート研修終了後は、原則的に研修病院の小児科にて小児科研修を開始する。小児科研修に適していない病院である場合は、異動を考慮する。
原則的に新生児研修は必須とする。研修中に新生児研修が行えない場合は必要に応じて異動を考慮する。
原則的に卒後45年後(小児科医として23年経験後)に、名古屋大学医学部附属病院小児科にて研修(以下、名大病院研修)を行う。名大病院研修についての研修内容については別に記す。
卒後45年後に大学院入学、小児病院などへの国内研修をとるコースも設けるが、ある基準を設けて、しかるべき評価機構により、その個人を評価しその上で許可をする事を条件とする。

2)定期的に行われる教育関連行事                            目次へ
@ 新入局者オリエンテーション
新入局者を対象に、23日の宿泊研修会を開催する。オリエンテーションでは小児科、関連診療科(小児外科、耳鼻咽喉科、皮膚科、精神神経科など)の基礎的講義をおこなう。

「新入局者オリエンテーション」の実例(2004年度実施)

日 時:平成161112日(金)〜14日(日)

場 所:あいち健康プラザ(愛知県知多郡東浦町大字森岡字源吾山1番地の1)

期 日

時 間

講 師

内 容

 

 

11/12

17:00

 

健康宿泊館1階に集合 チェックイン

18:00〜19:00

 

夕食(11階レストラン・ランポーネ)

19:00〜20:00

早川昌弘

小児・新生児蘇生法

20:10〜21:10

坂本龍雄

アレルギー講義

講義終了後〜

 

温泉入浴 親睦会

 

 

 

 

11/13

07:30〜

 

朝食(3階レストラン・サルーテ)

09:00〜10:00

奥村彰久

神経講義

10:10〜11:10

大橋直樹

循環器講義

12:10〜

 

昼食(自由)フリータイム

13:30〜14:30

瀬尾孝彦

小児外科講義

14:45〜15:45

上条隆司

内分泌講義

16:00〜17:30

 

自由時間(入浴など)

17:30〜18:30

小島勢二

血液学講義

19:00〜21:00

 

懇親会(4階和室)

 

11/14

07:30〜

 

朝食(3階レストラン)

09:00〜10:00

都築一夫

腎疾患講義

10:30〜11:30

梶田光春

代謝疾患講義

講義終了後

 

解散


A 名古屋大学臨床小児科セミナー
各専門分野の第一人者を国内外から招聘して行っている講演形式のセミナーで、年数回開催している。セミナーの後に懇親会を開いて、講師との親睦を深めている。
名古屋大学臨床小児科セミナー」の実例(2004年度実施分)
15名古屋大学臨床小児科セミナー 
日 時: 平成16423日(金)19:00
場 所: 名古屋大学医学部 鶴友会館
講 師: Prof. Anton H. SutorFreiberg University
演 題: Guideline for Treatment of ITP
16名古屋大学臨床小児科セミナー
日 時: 平成1695日(日)14:00
場 所: 医学部基礎医学研究別館 病理組織学実習室
講 師: Dr. Charlotte M. NiemeyerFreiberg University
症例検討会形式
17名古屋大学臨床小児科セミナー
日 時: 平成16108日(日)19:00
場 所: 名古屋大学医学部附属病院 東病棟8階大会議室
講 師: Prof. Mirko DiksicMcGill University
演 題: A study of the brain monoaminergic systems using PET
18名古屋大学臨床小児科セミナー
日 時: 平成1712119:00
場 所: 名古屋大学医学部 基礎別館3階修士講義室
 師: Dr. Tong Wu北京大学
演 題: Haploidential Hematopoietic Cell Transplantation (HCT) Compared with Matched HCT from Family Donors: Report of 216 Cases

B 名古屋大学小児科関連病院臨床症例検討会
関連病院を中心とした検討会であり、毎回1つのテーマを決め、その疾患・病態について議論を深めている。年に2回開催されている。
名古屋大学小児科関連病院臨床症例検討会」の実例(2004年度実施分)
43回名古屋大学小児科関連病院臨床症例検討会
日 時: 平成16619日(土)午後3時〜5
場 所: 名古屋大学医学部附属病院 病棟8階大会議室
テーマ: 小児の疾病とサイトカイン
世話人: 岡崎市民病院小児科
演 題:
(1) 抗サイトカイン療法が有効であった新生児脳症の1
(2) 新生児ヘルペスにおける全身性炎症反応の検討
(3) インフルエンザの中枢神経合併症とサイトカインの動向
(4) ブドウ球菌エンテロトキシンBによるヒト末梢血単核球からのサイトカイン産生に及ぼすガンマグロブリンの抑制効果
(5) 化膿性髄膜炎の治療経過とIL-6の関係
(6) マイコプラズマ肺炎発熱遷延例の検討 〜高サイトカイン血症の関与〜
(7) 川崎病とサイトカイン
44回名古屋大学小児科関連病院臨床症例検討会
日 時: 平成16124日(土)午後3時〜5
場 所: 名古屋大学附属病院 東病棟8階大会議室
テーマ: ウイルス感染症の合併症
世話人: トヨタ記念病院小児科
演 題:
(1) ムンプス膵炎が疑われた2
(2) インフルエンザ脳炎の1
(3) 百日咳肺炎の経過中にサイトメガロウイルス感染症を発症した1乳児例
(4) 帯状疱疹髄膜炎の2
(5) 巨大冠動脈瘤を合併した慢性活動性EBウイルス感染症の1例 
(6) パルボウイルスB19による骨髄無形成発作を起こした遺伝性球状貧血症の1
(7) 軽症胃腸炎に伴うけいれんの臨床的特徴

C 木曜会
関連病院から治療、診断に難渋している症例、希有な症例を自由にもちよるインフォーマルな症例検討会で、2カ月に1回、木曜日の夕刻に名古屋大学小児科の医局で行われる。
「木曜会」の実例
日 時: 平成151023日(木)
場 所: 名古屋大学小児科医局
症 例:
(1) ガストログラフィン注腸による広節裂頭条虫の駆虫について難治性ITPの1例
(2) 好中球減少症の1例
(3) 高度の肝機能障害を来した川崎病不全型(?)の1例
(4) メッケル憩室が消化管穿孔の原因であった新生児の1例
(5) 名大病院入院患者提示
D 名古屋大学小児科関連病院新生児カンファレンス
関連病院臨床症例検討会と同様に毎回1つの新生児領域におけるテーマを決め、その疾患・病態について議論を深めている。年に2回開催されている。
名古屋大学小児科関連病院新生児カンファレンス」の実例
8関連病院新生児カンファレンス
日 時: 平成16612日(土曜日) 午後300分〜
場 所: 名古屋大学医学部附属病院 東病棟8階大会議室
テーマ: 早産児・低出生体重児の循環管理
世話人: 名古屋大学医学部附属病院周産母子センター
演 題:
(1) 超早産児の症候性動脈管開存症に対するインドメサシンの反応性についての後方視的検討
(2) 名古屋第一赤十字病院における超早産児の症候性動脈管開存症の臨床像
(3) 動脈管開存症の管理についての文献的考察
(4) 極低出生体重児急性期の循環管理
(5) 鉄剤投与、極低出生体重児栄養管理のガイドラインの紹介
E 小児科初期セミナー(仮称)
名古屋大学小児科入局者以外にも、初期ローテート中の研修医を対象とした小児科初期セミナーを本学内で開催する。研修医が対象であることから、「小児の救急蘇生」、「小児におけるレントゲン読影の基礎」の2テーマとする。

3)名大病院研修について                                                 目次へ

小児科臨床研修の中で名大病院研修をおこなう意義は、大学教官・医員・大学院生とのつながり(縦のつながり)と同世代のつながり(横のつながり)を形成することと、各研修病院間の治療の標準化を図ること、国際化への導入、研究への導入である。また、研修病院で経験できなかった症例を経験して、小児科専門医取得のための研修を補完することも目的の1つである。短い研修期間であるが、有意義な研修であると確信している。
研修時期・研修期間:
原則として卒業後4〜5年目(小児科医として2〜3年目)に、6〜12カ月間おこなう。
研修方法:
Aグループ(血液・腫瘍)、Bグループ(神経、アレルギー、ウイルス、免疫、循環器)、Cグループ(新生児)の各診療グループをローテーションする形式をとる。各グループのローテーションの期間は、研修病院における研修内容を考慮して決定する。
学会発表:
研修期間中に、日本小児科学会東海地方会をはじめ、各分野の学会、研究会にて研究発表、症例報告をおこなう。
名大病院研修における主な教育関連行事
@ 新入院患者プレゼンテーション/教授回診
毎週木曜日の午後1時から病棟5階の教育スペースで、1週間の新入院患者の症例提示をおこない、その後に5E病棟(小児内科病棟)の教授回診をおこなう。これらを通じて、「症例提示の技術向上」と「各研修病院における治療の違いの標準化」を行う。また、外国人留学生、外国人研修生が参加する場合は、英語による症例提示、討論をおこない、国際化に対応できる小児科医の育成を行っている。
A 医局抄読会
教官と大学院生が中心となりScience NatureCellに掲載されている論文の抄読会を1カ月に1回おこなっており、分子生物学的分野のトピックスについての知識を深め、基礎研究へのexposureを図る
B 入院患者症例検討会
教授回診に引き続き、臨床実習の医学部学生を交えて、隔週毎に小児科医局で行っている。入院患者の中から教育的な症例を取り上げて、1症例に1時間と十分な時間をかけて症例検討を行っている。臨床診断に至る過程や鑑別診断を重視したカンファレンスである。
C 関連病院臨床研究
「関連病院臨床研究ワーキンググループ」が中心となり、日常診療で比較的よく診る疾病を対象とした臨床研究を立ち上げている。研修期間中にワーキンググループに参加をして、臨床研究の企画、運営についての方法論を習得する。
D 大学院研究発表会
大学院重点化後は大学院生が小児科医局の半数以上を占め、学外を含め研究活動を行っている。これら大学院生の研究の進行状況および各研究室間での情報交換を目的として、隔月毎に大学院研究報告会を行っている。大学院生は各自の研究の背景、方法論、研究過程について関連病院の医局員を含む公開の場で研究発表をおこなう。
E 全国学会・国際学会報告会
各研究室の最新の成果を報告することで、医局員全体に各分野の研究の動向を紹介し、知識の共有を図ることを目的として隔月毎に学会報告会を行っている
各診療グループの診療の特徴について
<血液研究室>
再生不良性貧血や白血病/悪性リンパ腫といった血液疾患に加えて、神経芽細胞腫やウイルムス腫瘍、脳腫瘍や骨肉腫など固形腫瘍の患者が入院している。これらの疾患に対して、集学的治療を目指し、化学療法や造血幹細胞移植を行っている。2004年では、造血幹細胞移植は骨髄バンクドナーからの非血縁者間骨髄移植7例、非血縁臍帯血移植2例、血縁者間骨髄移植6例、自家末梢血幹細胞移植3例の計18例の実績である。外来では、ファンコニ貧血や先天性好中球減少症(Kostmann, myelokathexis)などの稀な疾患や原因不明の貧血、骨髄不全症候群の患者が紹介されてくる。また、研究と臨床が直結した研究を目指しており、再生不良性貧血や若年型慢性骨髄性白血病発症のモデル動物の作成、白血病発症に関与するGATA1PTPN11遺伝子解析、造血幹細胞移植後のウイルス感染症の解析、ウイルス特異的細胞障害性Tリンパ球の体外増幅等の臨床研究が進行している。
<アレルギー研究室>
診療所/市中病院/保健所等から「難治」として紹介されてきたアレルギー疾患患者(喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹など)を中心に診療している。しかし、真の難治症例は少なく、症状把握を正確に行い、それに基づいて標準的な治療を提供することで多くの症例で良好な治療結果が得られている。
<ウイルス研究室>
難治性ウイルス疾患(慢性活動性EBウイルス感染症、亜急性硬化性全脳炎など)の治療と肝炎(特にウイルス性)に対する診断(肝生検)、治療(インターフェロン)を中心とした診療を行っている。また、様々なウイルス感染症の遺伝子診断を行っており、特に臓器移植患者(生体肝移植症例)、造血幹細胞移植患者に対するウイルスモニタリングシステムと早期治療システムは他施設にはない先端的医療である。
<神経研究室>
外来患者では難治てんかんの症例が圧倒的に多く、一般病院の患者層とは著しく異なっている。また、市中病院では実施が難しい精密な神経生理学的検査を施行している。特に、発作時ビデオ脳波同時記録は年間100例程の実績がある。臨床教育面では、「小児脳波入門」を行っており、小児脳波が判読できるように指導をしている。また、神経学的所見のとりかた、てんかん患者への問診などの指導も行い、小児神経疾患に対する理解を深められるようにしている。
<新生児研究室>
集学的周産期医療が必要な症例が多い。具体的には、胎児診断がついている先天性横隔膜へルニアや胎児水腫などの症例を産科とともに胎児期から管理をしている。また、早産児のみならず、小児外科症例、脳神経外科症例、重症の未熟児網膜症症例など多彩な疾患を研修することができる。
<免疫研究室>
本研究室では詳細な免疫検査や遺伝子診断を行うことが可能である。自ら行うことにより、迅速に結果を得ることができ、外来患者、病棟患者の診断及び治療に役立てている。 また、本邦においての原発性免疫不全症の診断、治療、研究はパイオニア的存在であり、症例の集積は国内ではトップレベルである。臨床診断、遺伝子診断、治療と一貫して行える国内でも数少ない施設の1つである。
<循環器研究室>
不整脈に対するカテーテルアブレーションを、循環器内科医と共同で施行している。対象となる不整脈は、WPW症候群による頻拍発作、学校検診でみつけられた頻拍発作、先天性心疾患術後の不整脈などである。ちなみに当院循環器内科でのカテーテルアブレーション治療は年間150例達しており、非常に経験が豊富である。
各診療グループの症例検討会、勉強会などのスケジュール
<血液研究室>
症例検討会:毎週火曜日(午後400分〜)
研究カンファレンス:毎週火曜日(午後6時00分〜)
抄読会:毎週火曜日(午前8時15分〜)臨床的内容に関する文献について
毎週水曜日(午前8時00分〜)基礎的内容に関する文献について
毎週木曜日(午前8時00分〜)総説について
研究カンファレンス:毎週火曜日(午後6時00分〜)
抄読会: 毎週火曜日(午前8時15分〜)臨床的内容に関する文献について
毎週水曜日(午前8時00分〜)基礎的内容に関する文献について
毎週木曜日(午前8時00分〜)総説について
<アレルギー研究室>
症例相談受付:隔週月曜日(夕方)
勉強会:隔週月曜日(午後6時30分〜)あいち小児保健医療総合センターと合
<ウイルス研究室>
症例相談受付:隔週月曜日(夕方)
抄読会:毎週水曜日(午後700分〜)
<神経研究室>
症例検討会:毎週月曜日(午後500分〜)
発作時脳波検討:毎週月曜日(症例検討会の後)
抄読会:毎週月曜日(午後600分〜)
画像判読・輪読会:毎週木曜日(午前8時00分〜)
若手勉強会:月1回(午後630分〜)
<新生児研究室>
症例検討会:毎週金曜日(午後630分〜)
周産期カンファレンス:隔週金曜日(午後6時00分〜)産科と合同
抄読会:毎週水曜日(午前800分〜)、木曜日(午前800分〜)、金曜日(夕方)
<免疫研究室>
症例検討会:不定期(必要に応じて行っている)
勉強会:毎週1回

V.経験するべき症例 資料1.経験すべき代表的疾患リスト)               目次へ
本リストは、「小児科医の到達目標」(平成1421日改訂、日児誌106, 8, 10641096, 平成14年)に準拠して、各分野の中から研修到達度の目安となる疾患(群)を列記したものである。研修中の医師がどのような疾患群をよく経験し、経験の不足している分野がどこにあるかを自己チェックする事を目的としている。研修する施設による疾患群の偏りを評価して、できるだけ平等な研修機会を提供する資料とするものである。各分野についての具体的な到達度の目安は、「小児科医の到達目標」に記載されている。本リストは、各疾患について経験した症例数を、経験したレベルに応じて記載するように作成してある。なお、本リストは自己評価となっている。小児科専門医を申請する際には、各分野を網羅した症例の要約を提出することが必要なため、本リストと共に自分の経験した症例の要約を保管されることが望ましい。
自ら主治医として治療した
指導医から指導を受けながらも、自分の判断で指示を出し、家族に説明をして主体的に治療を行った症例数
指導医と共に治療に参加した
指導医が主治医として治療の主導や家族への説明を行ったが、自分も常に患者をフォローして治療に参加した症例数
自ら診断し、専門家に紹介した
自分が主体となって診断し、適切な専門家(専門施設に紹介、外科に転科など)に引き渡して一般小児科医としての責を果たしたもの
他の医師の診療を見た
同じ施設の他の医師が主治医であり、回診やカンファランス等でその疾患に触れる機会があったもの

 

VI.取得するべき手技 資料2取得するべき手技リスト)                 目次へ

小児への身体的、精神的負担、侵襲に配慮しつつ、小児、特に乳幼児に対する基本的な手技を身につけることが不可欠である。本リストは、各手技について経験した症例数を、経験したレベルに応じて記載するように作成してある。また、本リストは「小児科医の到達目標」(平成1421日改訂、日児誌106, 8, 10641096, 平成14年)を参考にし、抜粋、追加し作成した。なお、本リストは自己評価、指導医評価となっている。
自らが中心でおこなった
指導医から指導を受けながらも、自分の判断で指示を出し、家族に説明をして主体的に手技を行った症例数
指導医と共に手技に参加した
指導医が主治医として治療の主導や家族への説明を行ったが、自分も常に患者をフォローして手技をおこなった症例数
他の医師の手技を見た

同じ施設の他の医師が主治医であり、その手技を見る機会があったもの

                                             目次へ
VII.「診療態度」「一般的診療能力」について 資料3.研修指導者による評価シート)

医師として、「診療に取り組む姿勢」、「病児とその家族に接する態度」、「一般的診療能力」は最低限のレベルが必要であるが、小児科専門医を取得する者においては、そのレベルが更に高く設定されると考えられる。本リストを使用して上記項目を評価し、より質の高い小児科医を育成したい。本リストは「小児科医の到達目標」(平成1421日改訂、日児誌106, 8, 10641096, 平成14年)の総論に記載されている項目から、「態度」「一般的診療能力」に準拠して作成した。なお、本リストは指導医評価となっており、5が大変優れている、3が標準的、1が要努力として、5段階評価をおこなう。


VIII.評価シート、各種リストの取り扱い

研修を開始した医師とその指導医は年度末に、「経験すべき代表的疾患リスト」、「取得するべき手技リスト」、「研修指導者による評価シート」を医局長に提出することを義務づける。また、同時に小児科専門医受験に際して必要な症例のサマリーを作成することが望ましい。付録のCD-ROMに、「経験すべき代表的疾患リスト」、「取得するべき手技リスト」、「研修指導者による評価シート」をMicrosoft ExcelWindows XP version)のファイルで、「症例サマリーの雛形」をMicrosoft WordWindows XP version)のファイルで収録してあるので、利用していただきたい。なお、平成18年までは従来の認定医制度を実施するため、本プログラム付録の「症例サマリーの雛形」は認定試験の形式である。専門医に移行した際に、サマリー形式が変更になる可能性があるので、留意されたい。


資料1.経験すべき代表的疾患リスト
「小児科医の到達目標」平成14年2月1日改訂(日本小児科学会雑誌Vol.106, No.8, 1064-1096, 平成14年)に準拠して、各分野の中から経験の目安となる疾患名を列記した。各疾患についての到達度の目安は、「小児科医の到達目標」を参照されたい。ここに挙げた疾患は、経験すべき疾患の一部であり、その他経験すべき多くの重要疾患があることを留意されたい。
分野 疾患名 補足説明 A. 自ら主治医として治療した B. 指導医と共に治療に参加した C. 自ら診断し、専門家に紹介した D. 他の医師の診療を見た
 新生児  極低出生体重児
 呼吸窮迫症候群
 胎便吸引症候群
 仮死
 新生児黄疸(交換輸血)
 先天異常  常染色体異常 新生児期と小児期と双方の時期で経験する事が望ましい
 性染色体異常
 先天奇形症候群
 先天代謝異常症・代謝性疾患  先天代謝異常症 各疾患名は、「到達目標」参照
 内分泌  下垂体性疾患
 状腺機能亢進症及び低下症
 症候性肥満
 性成熟異常
 糖尿病
 生体防御・免疫  原発性免疫不全症
 血球貪食症候群
 膠原病・リウマチ性疾患  若年性特発性関節炎 新規診断・経過中の増悪に対する治療経験を含む
 全身性エリテマトーデス
 その他の膠原病
 川崎病
 アレルギー  アナフィラキシー
 気管支喘息重積発作 イソプロ持続吸入以上
 食物アレルギー 経口負荷試験
 感染症  敗血症
 細菌性髄膜炎
 麻疹
 肺結核  化学予防は除く
 呼吸器  感染症以外の肺疾患
 気道異物
 クループ・細気管支炎
 気胸・縦隔気腫
 消化器  腸重積
 肥厚性幽門狭窄症
 腸回転異常症
 炎症性腸疾患
 循環器  先天性心疾患
 不整脈
 心不全
 血液  貧血  鉄欠乏性・未熟児を除く
 血小板減少性紫斑病
 好中球減少症
 血友病
 DIC
 腫瘍  白血病
 脳腫瘍
 固形腫瘍
 腎・泌尿器  急性糸球体腎炎
 慢性糸球体腎炎
 原発性ネフローゼ症候群
 紫斑病性腎炎
 腎・尿路奇形
 腎不全(急性・慢性)
 生殖器  略(8. 内分泌参照)
 神経、筋疾患  てんかん
 急性脳症
 もやもや病
 脳性麻痺
 傍感染性疾患  重症筋無力症、ADEMなど
 フロッピーインファント
 精神疾患・心身医学  自閉症  広汎性発達障害を含む
 LD/ADHD
 被虐待児
 救急  CPA


資料2.取得するべき手技リスト
「小児科医の到達目標」平成14年2月1日改訂(日本小児科学会雑誌Vol.106, No.8, 1064-1096, 平成14年)に準拠して、各分野の中から経験の目安となる手技を列記した。
分野 手技 自らが中心で行った 指導医と共に参加した 他の医師の手技を見た
自己評価 指導医 自己評価 指導医 自己評価 指導医
 救急と一般(新生児含む)  気管内挿管
 中心静脈ルート確保
 経末梢的中心静脈カテーテル挿入
 動脈ルート確保
 腰椎穿刺
 胸腔穿刺
 腹腔穿刺
 人工呼吸管理
 経静脈(中心静脈)栄養
 予防接種
 新生児  採血(動脈、静脈、踵)
 静脈ルート確保
 臍動脈、臍静脈カテーテル挿入
 交換輸血
 頭部エコー
 内分泌  各種負荷検査
 消化器  消化管造影
 胸腹部CT, MRI検査
 腹部エコー
 腸重積の非観血的整復
 循環器  除細動
 心エコー
 心カテーテル検査
 心電図判読
 血液・腫瘍  骨髄穿刺
 骨髄像の評価
 輸血
 腎・泌尿器  腎生検
 逆行性腎盂造影、静脈性腎盂造影
 腎エコー
 腹膜透析
 血液透析、血漿交換
 神経  脳波判読
 頭部CT, MRI読影



資料3.研修指導者による評価項目シート
「小児科医の到達目標」(平成14年2月1日改訂)の総論に記載されている項目のうち、「態度」「一般的診療能力」に準拠して、5段階評価を行う。(5が大変優れている、3が標準的、1が要努力として評価する。)
■態度(attitude)
 1. 医の倫理 5 4 3 2 1
 2. 患者と家族に対する態度 5 4 3 2 1
 3. 患者教育 5 4 3 2 1
 4. 他の医療関係者との協力 5 4 3 2 1
 5. 地域医療 5 4 3 2 1
 6. 医療及び福祉関係社会資源の活用 5 4 3 2 1
 7. 国際的感覚 5 4 3 2 1
 8. 自己研修 5 4 3 2 1
 9. 研究 5 4 3 2 1
 10. 意思決定の困難な場合への対応 5 4 3 2 1
 11. 医療経済 5 4 3 2 1
■一般的診療能力
 1. 面接及び病歴の聴取 5 4 3 2 1
 2. 診察 5 4 3 2 1
 3. 診断 5 4 3 2 1
 4. 臨床意志決定 5 4 3 2 1
 5. 治療 5 4 3 2 1
 6. リハビリテーション 5 4 3 2 1
 7. 一般教育への配慮 5 4 3 2 1
 8. 病歴の記載 5 4 3 2 1
(9. 以下の項目は、診療技能の各論に属するため、自己評価がふさわしい)
■総合的な評価

IX.専門医取得プログラム                                             目次へ

小児科の専門医制度には、小児科専門医のほかに小児科各分野に専門医制度が存在する。小児科初期研修の目的のひとつに、小児科専門医を取得後にサブスペシャリティを育成することがあげられる。本学小児科での研修プログラムに、各専門分野における専門医制度に関する情報を提供するので、各分野の専門医取得に利用していただきたい。

 
@ 小児科専門医制度

名 称:小児科専門医
専門医認定学会:日本小児科学会(http://www.jpeds.or.jp/
概 要:日本小児科学会が認定する。従来の認定制度より、2002年に小児科専門医制度を新たに施行した。小児科専門医は小児保健を包括する小児医療に関してすぐれた医師を育成することにより、小児医療の水準向上進歩発展を図り、小児の健康の増進および福祉の充実に寄与することを目的とし、所定の卒後研修を終了した会員に対し、試験を実施し、資格を認めている。資格は5年ごとに審査のうえ更新される。
※平成18年までは従来の認定医制度を実施。平成14年から18年に認定医になったものは、登録された以降の1年間以上の職歴、研修内容を添付して試験運営委員会に申請する。試験運営委員会で審査し、専門医に相当する5年以上の研修期間を終了したと認められるものを合格とし、理事会で承認を受ける。
必要条件:
A) 試験当日に学会会員であり、学会会員歴が引き続き3年以上、もしくは通算して5年以上であるもの。
B) 2年間の卒後臨床研修を受け、その後さらに小児科専門医制度規則第15条に規定する小児科臨床研修を3年以上受けたもの。もしくは小児科臨床研修を5年以上受けたもの。

 

a 小児科初期研修認定施設に必要な専門医:人数等は規定なし
b 名大関連での専門医認定施設
専門医認定施設
名古屋大学医学部附属病院、国立病院機構名古屋医療センター、春日井市民病院、岡崎市民病院、公立陶生病院、碧南市民病院、名古屋第一赤十字病院、名古屋掖済会病院、社会保険中京病院、トヨタ記念病院、愛知県厚生農業協同組合連合会加茂病院、愛知県厚生農業協同組合連合会昭和病院、労働福祉機構中部労災病院、愛知県厚生農業組合連合会安城更生病院、愛知県心身障害者コロニー中央病院、国家公務員共済組合連合会名城病院、あいち小児保健医療総合センター、垣市民病院
c
小児科専門医を取得するための過程や取得時期:
研修は5年間で、専門医認定施設での研修となる。
d
小児科専門医を取得する制度を構築する上での考えられるモデルコース
2年の臨床研修に引き続いて、小児科の指定研修施設で3年間小児科研修。小児科に入局後は、早期に日本小児科学会に所属し研修を開始する。
(学会会員歴が継続3年以上であることが必要であるが、学会費の滞納があると認定医取得がおくれる場合があるため、学会費の滞納には注意すること。)


A小児科各分野の専門医(認定医)制度について

以下の各項目を各分野の専門医制度につき詳述する。最新の情報については記載してある学会ホームページを参照されたい。
専門医(認定医)の名称、認定学会、取得必要条件
a 専門研修認定施設に必要な専門医(認定医)
b 名大関連での専門医(認定医)認定施設と専門医(認定医)・指導医の人数
c 名大関連病院ごとの特徴(*この際の名大関連とは、関係する研修可能な施設を含む)
d 各分野専門医(認定医)を取得するための過程や取得時期
e 各分野専門医(認定医)を取得する制度を構築する上での考えられるモデルコース

                                                                    目次へ 

<日本小児血液学会>*小児がんに関して専門医(認定医)制度はない。
名称:日本血液学会専門医(小児科
専門医認定学会:日本血液学会(http://www.jshem.or.jp/
必要条件:
小児科専門医、日本血液学会の認定施設で3年、会員歴3
臨床血液学に関する学会発表または論文が2つ以上
受け持ち入院患者のうち10名の診療実績記録の提出。症例は3領域(赤血球疾患、白血球疾患、出血血栓性疾患)のそれぞれにおいて少なくとも2例を含む)
専門医認定試験あり
a 専門研修認定施設に必要な専門医:
認定施設のための専門医の人数の規定はない
認定施設として毎年書類審査あり
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数
専門医認定施設:(日本血液学会認定の名大小児科関連病院)
名古屋大学医学部附属病院、名古屋第一赤十字病院、国立病院機構名古屋医療センター、岡崎市民病院、愛知県厚生農業組合連合会安城更生病院、トヨタ記念病院、名古屋記念病院、名古屋掖済会病院、社会保険中京病院
専門医:
名古屋大学医学部附属病院 小児科
国立病院機構名古屋医療センター 小児科
名古屋第一赤十字病院 小児科
小島勢二、工藤寿子
堀部敬三、瀧本哲也、前田尚子 
加藤剛二
指導医:
名古屋大学医学部附属病院 小児科
国立病院機構名古屋医療センター 小児科
小島勢二、工藤寿子
堀部敬三
c 名大関連病院ごとの特徴
名古屋大学医学部附属病院:再生不良性貧血・骨髄異型性症を中心として、広範な難治性の血液・腫瘍疾患をカバーする。症例も多数。同種幹細胞移植症例数:15例(2003年)。全国大学附属病院の小児科の中では最多。再生不良性貧血治療研究会の全国事務局。単一施設での小児再生不良性貧血の移植症例は世界有数。血液・腫瘍に関する臨床から基礎的研究まで施行。ヒトへの細胞治療を可能にするGMP基準に合致したセルプロセッシングセンターを併設。

名古屋第一赤十字病院:各種の難治性の造血幹細胞移植を歴史的に数多く手がけており、特に累積移植症例数は全国屈指。また急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫、固形腫瘍、非腫瘍性の血液疾患の豊富な症例数を有する。最近は晩期障害を低減する目的で骨髄非破壊的前処置を用いた移植も実施。

国立病院機構名古屋医療センター:厚生労働省が指定する血液・造血器疾患分野の高度専門医療施設であり、小児科においても急性リンパ性白血病・悪性リンパ腫・固形腫瘍を初めとして、広範な血液・腫瘍疾患が多数症例あり。年移植症例数:数例。附属の臨床研究センターには、日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)のデータセンターがあり、全国から小児造血器腫瘍のデータが登録集計されている。神経芽腫に関する臨床研究も実施。
愛知県厚生農業組合連合会安城更生病院、岡崎市民病院:症例数は上記3病院と比較して少ない。
現在、静岡県立こども病院 血液腫瘍科に研修中の医局員あり
d 各分野専門医を取得するための過程や取得時期
小児科専門医取得後、3年以上の認定施設での研修が必要。
大学院コース:大学院においては、半年〜1年間臨床研修を行い、残りの期間は診療フリーで研究に専念する。大学院在学中に小児科認定医の資格を取得していれば、最短で大学院終了時に血液専門医の受験資格を得ることも可能である。
一般コース:小児科専門医を取得後、血液グループ関連施設(名古屋第一赤十字病院、国立病院機構名古屋医療センター)あるいは、他地域の小児血液腫瘍専門施設で、血液学に関し3年以上の臨床研修を行った後、専門医試験を受験する。
e 各分野専門医を取得する制度を構築する上での考えられるモデルコース
上記のような2つのモデルコースを考えているが、臨床に研究的な考え方も必要であるため、大学院入学を勧めている。大学院終了後、専門医を取得した後は海外留学、血液専門施設への就職、教官への任用、等の道が開かれている。

                                                                  目次へ

<日本小児アレルギー学会>http://www.iscb.net/JSPACI/)*現在2階建制度へ移行中
名称:日本アレルギー学会専門医 「日本アレルギー学会専門医(小児科)」
専門医認定学会:日本アレルギー学会(http://www.js-allergol.gr.jp/
必要条件:
認定教育施設において通算2年以上の入院患者の診療に従事していること。
定期的な外来診療をおこなっていること。
アレルギー疾患患者100例以上の診療実績があること。
「小児科専門医、日本アレルギー学会の会員歴7年」(検討中)
a 専門研修認定施設に必要な専門医:
日本アレルギー学会認定指導医1名以上が常勤
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数
関連病院における専門医認定施設:
名古屋大学医学部附属病院、あいち小児保健医療総合センター藤田保健衛生大学
(小児科専門医に関して、当面は専門医認定施設での研修は要求されない)
専門医:
名古屋大学医学部附属病院 小児科
あいち小児保健医療総合センター アレルギー科
労働福祉機構中部労災病院 小児科
名古屋掖済会病院 小児科
碧南市民病院 小児科
公立尾陽病院 小児科
坂本龍雄
伊藤浩明、森下雅史
山田政功、鈴木聖子
伊藤和江
土井
菊池
指導医:
あいち小児保健医療総合センター       伊藤浩明
c 名大関連病院ごとの特徴
専門医研修の可能な施設は、指導医が勤務するあいち小児保健医療総合センターのアレルギー科のみ。
d 各分野専門医を取得するための過程や取得時期
小児アレルギーの指導医が在籍する施設(名大関連ではあいち小児保健医療総合センターのみ)で少なくとも1年間の臨床研修を行ったうえで、できれば2年以上の研究活動を経験する(名大関連では名古屋大学大学院のみ)。
e 各分野専門医を取得する制度を構築する上での考えられるモデルコース
専門医制度へ移行中のため、未定である。名古屋大学医学部附属病院を含むいくつかの施設においては、症例数の基準を充たすことは容易であるが、指導医資格の取得、教育カリキュラムの確立という基準を整備することは現状では困難である。

<日本小児感染症学会>
名称:日本感染症学会専門医
専門医認定学会:日本感染症学会(http://www.kansensho.or.jp
必要条件:
小児科専門医認定後6年以上、日本感染症学会の会員歴5年
感染症の臨床に関して筆頭者としての論文発表1篇、学会発表2篇、計3篇
認定試験あり
a 専門研修認定施設に必要な専門医:規定なし
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数
専門医認定施設:規定なし
専門医
愛知県厚生農業協同組合連合会昭和病院 小児科 尾崎隆男
社会保険中京病院 小児科 柴田元博

                                                                     目次へ

<日本小児神経学会>
名称:日本小児神経学会専門医
専門医認定学会:日本小児神経学会(http://www.yo.rim.or.jp/~JSCN/jscnhome.html
必要条件:
小児科専門医、日本小児神経学会の会員歴5
症例要約30症例と症例詳細報告5例
筆記試験・面接あり
a 専門研修認定施設に必要な専門医:1名以上の専門医が必要
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数
専門医認定施設:規定なし
専門医
岡崎市民病院
早川文雄
小児科愛知県心身障害者コロニー中央病院 小児神経科
松本明子、熊谷俊明、三浦清邦、中村みほ
市立半田病院 小児科
青い鳥医療福祉センター
名古屋大学医学部附属病院 検査部
愛知県更生農業協同組合連合会加茂病院 小児科
総合病院南生協病院 小児科
三菱名古屋病院
中島佐智恵
麻生幸三郎
根来民子
梶田光春
鬼頭正夫
植村直子(非常勤)
c 名大関連病院ごとの特徴
名古屋第一赤十字病院:脳症やけいれん重積などの急性期疾患も、脳性麻痺・てんかんなどの慢性疾患も多い。特別に力を入れている臨床・研究の内容はないが、ある程度偏りなく研修できる可能性がある。
岡崎市民病院:脳症やけいれん重積などの急性期疾患も、脳性麻痺・てんかんなどの慢性疾患も多い。新生児脳波を始めとする新生児神経学に力を入れて臨床・研究を行っているほか、サイトカインと中枢神経疾患との関連や、神経画像についても臨床・研究で実績がある。
愛知県厚生農業組合連合会安城更生病院:新生児神経の症例数は関連病院中で最多である。脳症やけいれん重積などの急性期疾患も、脳性麻痺・てんかんなどの慢性疾患も多い。新生児神経学に最も重点をおいて臨床・研究を行っているが、てんかんや神経画像の分野でも実績が多い。
愛知県心身障害者コロニー中央病院:重度の障害児が多く、障害児の包括的ケアを研修するのに向く。また、関連病院の中で筋疾患の研修ができる唯一の病院である。また、先天異常児も多く、遺伝性疾患についての研修も可能である。研究面では愛知県心身障害者コロニー内の研究所とのコラボレーションが可能であるが、臨床業務に忙殺されなかなかすすんでいないのが現状である。
青い鳥医療福祉センター:愛知県心身障害者コロニー中央病院よりもさらに療育施設色が強く、障害児・者がほとんどである。臨床業務が多忙で、研究まで行う余裕を持つことが難しいようである。
あいち小児保健医療総合センター:地域の中心施設として、先天異常からてんかんまで多くの症例が集まりつつある。今後は研修施設として機能できる可能性が高いが、現在は常勤スタッフ1名であり、十分な研修が困難である。常勤が2名確保できれば、偏りなく研修するのに良い施設になると思われる。
d 各分野専門医を取得するための過程や取得時期
 初期研修病院での研修内容にもよるが、小児科専門医を取得後23年程度名古屋大学医学部附属病院か、上記のような研修に適した病院でのトレーニングが必要であると思われる。
 専門医取得に関しては、1ヶ所の病院である程度の期間研修すれば何とかなると思われるが、小児神経科医としてはneurologically sick children, neurologically handicapped childrenの偏りなく診療できることが望まれるため、23ヶ所の研修施設で診療に従事するのが理想であろう。
e 各分野専門医を取得する制度を構築する上での考えられるモデルコース
大学院に進学する場合:最低1年は名古屋大学医学部附属病院での臨床業務に従事する。代務で神経外来を継続的に担当する。
大学院に進学しない場合:上記のような研修に適した病院で23年研修するか、名古屋大学医学部附属病院で医員として臨床業務を行う。
神経研究室としては、指導できる医師を適当な病院に配置することが必要と考えており、NICUのある病院すべてに指導力のある医師を最低1人、できれば複数配置したい。複数を配置する理由は、神経疾患の診療においては複数の目で見て客観性・妥当性を確保する必要があるからである。脳波の判読ひとつをとっても、一人で行っていると偏りができてしまうのは避けられない。

                                                                     目次へ

<日本周産期・新生児医学会>
名称:周産期新生児専門医
専門医認定学会:日本周産期・新生児医学会(http://plaza.umin.ac.jp/%7Eneonat/
必要条件:
日本小児科学会専門医
日本周産期・新生児医学会会員歴が3年以上
認定研修施設における3年間の研修6カ月は指定された基幹病院での研修が必須)
学会が認める周産期医学,周産期医療に関連する原著論文 1 編以上を筆頭著者として査読制度のある雑誌に発表していること。
学会が認める周産期医学関連学会に所定の回数,参加し,かつ筆頭演者として発表を行っていること。
筆記試験あり
a 専門研修認定施設に必要な専門医:
1名以上の指導医が必要
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数
暫定期間中のため、専門医認定は平成19年以降となる。指導医は日本周産期・新生児医学会の専門医委員会が選考した暫定指導医である。
研修認定施設:
基幹施設: 名古屋第一赤十字病院総合周産期母子医療センター
愛知県厚生農業組合連合会安城更生病院小児科
大垣市民病院第二小児科(小児循環器・新生児科)
指定施設: 名古屋大学医学部附属病院周産母子センター
公立陶生病院小児科
トヨタ記念病院周産期母子医療センター
岡崎市民病院小児科
補完施設: 半田市立半田病院小児科
指導医(暫定指導医):
名古屋第一赤十字病院 総合周産期母子医療センター 鈴木千鶴子
愛知県厚生農業組合連合会安城更生病院 小児科 小川昭正
大垣市民病院 第二小児科(小児循環器・新生児科) 大城
名古屋大学医学部附属病院 周産母子センター 早川昌弘
公立陶生病院 小児科 家田訓子
トヨタ記念病院 周産期母子医療センター 岡田純一
岡崎市民病院 小児科 早川文雄
c 名大関連病院ごとの特徴
名古屋第一赤十字病院総合周産期母子医療センター:愛知県が認定する総合周産期センターである。年間500症例を超える入院実績がある。超低出生体重児をはじめ、周産期管理が必要な症例が豊富である。
愛知県厚生農業組合連合会安城更生病院:年間30例ちかくの超低出生体重児の入院実績がある。専門医研修における基幹病院であり、西三河地区の中心的病院に位置づけられる。
大垣市民病院:超低出生体重児をはじめとして、重症新生児の症例がおおい。小児循環器科があるため、先天性心疾患の症例も豊富である。岐阜県において、新生児、小児循環器、新生児外科の部門がそろっている唯一の病院である
名古屋大学医学部附属病院周産母子センター:周産母子センターとして、集学的周産期医療を行っている。胎児診断された新生児外科疾患症例が豊富であり、特に先天性横隔膜ヘルニア症例は増加しつつあり、成績も良好である。一酸化窒素吸入療法、体外式膜型人工肺を用いる症例もおおく、三次救命の研修が可能である。また、関連施設のまとめ役的存在であり、関連施設からのデータ管理、分析などもおこなっている。
岡崎市民病院、トヨタ記念病院、公立陶生病院:地域の周産期センターであり、超低出生体重児をはじめとする診療実績は優れている。
関連病院内のデーターベースを構築し、インターネットを利用して関連施設間で情報を共有している。現在は超低出生体重児の登録のみであるが、関連施設全体で年間100例の超低出生体重児の入院登録があり、臨床研究にあたり十分な症例数が用意されている。今後は登録疾患を増やしていく予定である。
d 各分野専門医を取得するための過程や取得時期
研修期間は3年間
基幹研修施設または指定研修施設・補完研修施設で研修となる。
3年間の研修期間のうち、6ヶ月は基幹病院(名古屋第一赤十字病院・愛知県厚生農業組合連合会安城更生病院・大垣市民病院)での研修が義務付けられている。
e 各分野専門医を取得する制度を構築する上での考えられるモデルコース
小児科初期研修終了後(小児科専門医取得後)に、研修可能な施設に勤務をして、専門医研修を開始する。研修中、最低6カ月は基幹病院へ赴任することとする
関連施設で研修群を構成して、効率的な研修ができるように、新生児研修プログラムを作成中である。同時に名古屋大学新生児マニュアルの作成計画も立ち上がっており、施設間における研修内容の違いを極力少なくする努力を行っている。

<日本小児循環器学会>  *小児循環器専門医制度を検討中 (http://jspccs.umin.ac.jp/)
名称:日本循環器学会専門医 
専門医認定学会:日本循環器学会(http://www.j-cire.or.jp/
必要条件:
小児科専門医、日本循環器学会の認定施設で3年、会員歴6
循環器疾患について30症例。手術所見と剖検例をあわせて3 
認定試験あり 
喫煙が心血管病の危険因子であることを認識し、禁煙の啓発に努めるもの
a 専門研修認定施設に必要な専門医:専門医制度なし
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数:専門医制度なし
c 名大関連病院ごとの特徴
社会保険中京病院:心臓カテーテル検査(心カテ)年間300350例、手術件数150例前後である。
あいち小児保健医療総合センター:心カテ210例前後、手術100例前後。今後増加が予想される。
名古屋第一赤十字病院:心カテ100例前後、手術80例前後。  
大垣市民病院:心カテ120例前後、手術80例前後。

                                            目次へ

<日本先天代謝異常学会>http://www1.neweb.ne.jp/wa/jikei-ped/jsimd2.html
名称:日本人類遺伝学会専門医
専門医認定学会:日本人類遺伝学会(http://www6.plala.or.jp/jshg/
必要条件:
小児科専門医不要(無関係)
日本人類伝学会が指定した研修施設・関連施設において3年以上の臨床研修
会員歴が連続3年以上
遺伝医学に関係した筆頭者としての学会発表または論文が2編以上
a 専門研修認定施設に必要な専門医:規定なし
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数
専門医認定施設:規定なし
専門医:名大関連病院にて該当者なし

 

<日本小児腎臓学会>http://nephron.med.tohoku.ac.jp/jspn/
名称:日本腎臓学会認定医(小児科)
専門医認定学会:日本腎臓学会  (http://www.jsn.or.jp/jsn_new/index.html)
必要条件:
小児科専門医、日本腎臓学会の認定施設で2年、会員歴5
症例提出、認定試験あり
a 専門研修認定施設に必要な認定医:
指導医1名以上および認定医1名以上が常勤。
身体障害者福祉法の規定による更生医療担当医療機関(腎機能障害)として指定。
医療法で定める特定機能病院、総合病院または日本腎臓学会が認めた透析療法の研修施設として適切な有床施設であること。
b 名大関連での認定医認定施設と認定医・指導医の人数
認定医認定施設:(日本腎臓学会認定施設)
名古屋大学医学部附属病院、中部労災病院、春日井市民病院、岡崎市民病院、名古屋第一赤十字病院、愛知県厚生農業組合連合会愛北病院、愛知県厚生農業組合連合会安城更生病院、社会保険中京病院、国家公務員共済組合連合会名城病院、名古屋掖済会病院、トヨタ記念病院
認定医:
社会保険中京病院 小児科 都築一夫
名古屋第一赤十字病院 小児科 月舘千鶴子
碧南市民病院 小児科 野口弘道
刈谷総合病院 小児科 美濃和
c 名大関連病院ごとの特徴
社会保険中京病院:小児の腎不全を多数例扱う。腎生検も多数例。腹膜透析のフォローアップ症例も多い。
名古屋第一赤十字病院:小児の腎疾患を扱うが、病院が小児に関しては3次医療機関にあたるため、急性期に伴う腎疾患も多い。
d 各分野認定医を取得するための過程や取得時期
小児科専門医を取得後、日本腎臓学会が指定する研修施設において3年以上研修を施行する。
e 各分野認定医を取得する制度を構築する上での考えられるモデルコース
小児科専門医を取得後、日本腎臓学会が指定する研修施設において3年以上研修を施行する。

                                            目次へ

<日本小児内分泌学会>http://edpex104.bcasj.or.jp/jspe/
名称:日本内分泌学会 内分泌代謝科(小児科)専門医
専門医認定学会:日本内分泌学会(http://square.umin.ac.jp/endocrine/index.html
必要条件:
小児科専門医
継続4年以上の会員歴、研修期間6年以上
内分泌代謝疾患臨床に関する学会発表、又は論文発表が5編以上あり、少なくとも 2編は筆頭者であること
a 専門研修認定施設に必要な専門医:規定なし
小児科に関しては、指導医および認定教育施設の整備が整っていないので、認定施設は特定していない
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数
専門医認定施設:規定なし(平成20年まで)
専門医
もりもり子供クリニック 小児科
労働福祉機構中部労災病院 小児科 立松 寿
指導医
小川クリニック 小児科 小川正道
総合上飯田第一病院 小児科 上條隆司
c 名大関連病院ごとの特徴
日本内分泌学会認定教育施設とはなっていないが、次の4病院で小児内分泌疾患の診療(入院)を行っている。
岡崎市民病院小児科:甲状腺疾患や小人症などの診療を行っている。
東海産業医療団中央病院小児科:小児内分泌疾患の診療。
労働福祉機構中部労災病院小児科:糖尿病を含めた小児内分泌の診療。
総合上飯田第一病院小児科:Turner症候群やPrader-Willi症候群を含めた小人症の治療や性腺・副腎疾患の診療を行っている。
d 各分野専門医を取得するための過程や取得時期
小児科専門医取得後、3年以上の研修。認定された以外の施設でも、内分泌代謝疾患の臨床経験を十分に積み、かつ内分泌代謝科指導医の承認のある際には専門医の受験申請ができる(平成20年まで)。
e 各分野専門医を取得する制度を構築する上での考えられるモデルコース
特別なモデルコースは今のところ存在しないが、上記4病院を含んだ名大関連病院で専門医、指導医と連絡を取りながら小児内分泌疾患の経験をするのが一つの方法と考えられる。全国のこども病院や他大学で小児内分泌を学ぶという選択肢もありうる(国内留学)。また内分泌・遺伝の基礎研究も重要で、希望があれば、名大環境医学研究所・内分泌代謝部門(妹尾久雄教授)での研究も可能である。
平成20年までには名古屋市で少なくとも一つは内分泌学会認定施設を作りたいと考えている。

<日本小児心身医学会>http://jisinsin.umin.ac.jp/)*小児科では専門医制度なし
名称:日本心身医学会専門医
専門医認定学会:日本心身医学会(http://www.interq.or.jp/japan/shinshin/
必要条件:
小児科専門医不要(無関係)
日本心身医学会の認定施設で3年、会員歴3年
心身医学に関する学会発表3回以上、学術論文3編以上
学会(支部を含む)で主催した心身医学会講習を受講
a 専門研修認定施設に必要な専門医: 1名以上の指導医
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数
専門医認定施設:なし
専門医:現在のところ関連病院では不在
c 各分野専門医を取得する制度を構築する上での考えられるモデルコース
現行ではモデルコースを策定することは困難である。
あいち小児保健医療総合センターにて独自の「心療科レジデント研修プログラム」がある。プログラムの詳細は、http://www.achmc.pref.aichi.jp/5010/5010.htmlを参照されたい。

                                            目次へ

<日本小児臨床薬理学会> *小児科では専門医制度なし。
名称:日本臨床薬理学会専門医
専門医認定学会:日本臨床薬理学会(http://www.jade.dti.ne.jp/~clinphar/
必要条件:小児科専門医不要(無関係)

<日本小児遺伝学会>   
名称:臨床遺伝専門医
専門医認定学会:日本人類遺伝学会、日本遺伝カウンセリング学会(http://www6.plala.or.jp/jshg/
必要条件:
小児科専門医を取得していることが望ましい
日本人類遺伝学会または日本遺伝カウンセリング学会の会員歴3年以上
臨床遺伝専門医制度委員会の認定施設で3年研修
3年間に遺伝医学に関わる論文発表2編もしくは学会発表4回が必要
30例の遺伝臨床経験の要約
口頭試問・筆記試験あり
a 専門研修認定施設に必要な専門医:
臨床遺伝専門医2名以上(うち1名は指導医)
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数(指導医は参考:他科)
専門医研修認定施設
愛知県心身障害者コロニー
専門医:
愛知県心身障害者コロニー中央病院 小児科 水野誠司
指導医:
愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 若松延昭(神経内科)
愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 小笠原信明(生化学)
c 名大関連病院ごとの特徴
愛知県心身障害者コロニー:コロニー中央病院では染色体異常の新患が年間50名、奇形症候群や遺伝性疾患の症例も豊富である。遺伝カウンセリングは年間約50名の来訪者があり、専門医取得に必要な症例や発表できる症例は十二分にある。また隣接する発達障害研究所で分子遺伝学、細胞遺伝学の基礎を学ぶことも可能である。
d 各分野専門医を取得するための過程や取得時期
小児科の十分な基礎研修を終えておくと良い。研修指定施設に勤務できない場合は遺伝医学セミナーの参加などで受験は可能であるが、その場合も研修指定施設への登録は必要である。
3年間に遺伝医学に関わる論文発表2編もしくは学会発表4回が必要。また遺伝カウンセリングもしくは遺伝臨床の経験(30例)の要約が必要。口頭試問(遺伝カウンセリングロールプレイ)と筆記試験がある。
以前は小児科、産婦人科関係が大部分であったが、最近は内科、精神科の臨床医が増加している。小児科医の研修が望まれる。
e 各分野専門医を取得する制度を構築する上での考えられるモデルコース
研修開始届けを提出後、一定数の遺伝医療の実績を積む必要がある。
愛知県心身障害者コロニーに勤務して遺伝医療に従事する。
愛知県心身障害者コロニーで研修届けを提出後、遺伝医学セミナーに毎年参加。症例数の多い病院で勤務し、愛知県心身障害者コロニー非常勤などで実績を積む。
国内他施設に短期留学する。

<日本小児東洋医学会>   
名称:日本東洋医学会専門医
専門医認定学会:日本東洋医学会(http://www.jsom.or.jp/html/index.htm
必要条件:
小児科専門医、日本東洋医学会の認定施設で3年、会員歴3
50症例の一覧及び、そのうち10症例の臨床報告提出
認定試験(筆記試験、口頭試問)あり
a 専門研修認定施設に必要な専門医:規定なし
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数
専門医認定施設: 規定なし
専門医:
公立陶生病院 小児科 山口英明
広瀬クリニック 広瀬滋之

                                            目次へ

<日本小児救急医学会> *小児では現在は専門医制度なし
名称:日本救急医学会専門医
専門医認定学会:日本救急医学会(http://www.jaam.jp/index.htm
必要条件:
小児専門医不要(無関係)
日本救急医学会の認定施設で救急部門の専従医として3
会員歴3年、臨床経験5
筆記試験あり

<日本小児リウマチ研究会> *小児では専門医制度なし
名称:日本リウマチ学会専門医
専門医認定学会:日本リウマチ学会(http://www.ryumachi-jp.com/
必要条件:
小児科専門医不要(無関係)
認定教育施設での臨床3年、会員歴継続5

 

B 小児科学会の専門分野ではないが、小児分野と関連がある専門医(認定医)

<日本てんかん学会> *小児・成人で共通
名称:日本てんかん学会認定医(臨床専門医)
専門医認定学会:日本てんかん学会(http://square.umin.ac.jp/jes/
必要条件:
小児科専門医不要(無関係)、現在てんかん診療に従事
日本てんかん学会の研修認定施設で1年、会員歴5年
種々の病型を含む50例の具体的なリストおよび症例詳細記述5例

てんかんに関する論文(原則として臨床論文。最近10年間のもの5編、うち3編は筆頭著者としての臨床論文)。
a 専門研修認定施設に必要な認定医:規定なし
b 名大関連での認定医認定施設と認定医・指導医の人数
認定医認定施設:学会が認定
認定医
愛知県心身障害者コロニー中央病院 小児神経科 三浦清邦
愛知県青い鳥医療福祉センター       麻生幸三郎
公立尾陽病院 小児科           羽賀淑子
名古屋大学医学部附属病院 検査部     根来民子
名古屋大学医学部附属病院 小児科 奥村彰久
名古屋第一赤十字病院 小児科       夏目
総合病院南生協病院 小児科       鬼頭正夫
c 名大関連病院ごとの特徴
名古屋第一赤十字病院:てんかんの症例数は多い。夏目先生が画像解析の知識を持っており、研究も可能である。全般的に偏りなく研修できる可能性がある。
岡崎市民病院:てんかんの症例数は多く、けいれん重積など多い。脳波や神経画像について臨床・研究で実績がある。全般的に偏りなく研修できる可能性がある。
愛知県厚生農業組合連合会安城更生病院:てんかんの症例数は多い。周生期障害の合併症としてのてんかんの症例も多い。脳波や神経画像について臨床・研究で実績がある。全般的に偏りなく研修できる可能性がある。
愛知県心身障害者コロニー中央病院:重度の障害児が多く、その合併症としてのてんかんが多い。臨床業務が多忙で、研究まで行う余裕を持つことが難しいようである。
あいち小児保健医療総合センター:てんかんの症例が集まりつつある。今後は研修施設として機能できる可能性が高いが、現在は常勤スタッフ1名であり、十分な研修が困難である。常勤が2名確保できれば、偏りなく研修するのに良い施設になると思われる。
d 各分野認定医を取得するための過程や取得時期
小児科専門医を取得後、1年の認定施設での研修を含め、23年程度名古屋大学医学部附属病院か、上記の研修に適した病院でのトレーニングが必要であると思われる。認定医取得に関しては、1ヶ所の病院である程度の期間研修すればなんとかなると思われるが、病院により症例の内容には差があるため、2-3ヶ所の研修施設で診療に従事するのが理想であろう。
e 各分野認定医を取得する制度を構築する上での考えられるモデルコース
大学院に進学する場合:最低1年は名古屋大学医学部附属病院での臨床業務に従事する。代務で神経外来を継続的に担当する。
大学院に進学しない場合:上記研修に適した病院で23年研修するか、名古屋大学医学部附属病院で医員として臨床業務を行う。
いずれにせよ、指導できる医師を適当な病院に配置することが必要である。神経研究室としてはNICUのある病院すべてに指導力のある医師を最低1人、できれば複数配置したい。複数を配置する理由は、神経疾患の診療においては複数の目で見て客観性・妥当性を確保する必要があるからである。脳波の判読ひとつをとっても、1人で行っていると偏りができてしまうのは避けられない。

                                             目次へ

<日本透析医学会>
名称:日本透析医学会専門医
専門医認定学会:日本透析医学会(http://www.jsdt.or.jp/
必要条件:
小児科専門医不要(無関係)、臨床経験5年、学会認定施設での研修5
学会出席ならびに業績について30単位
本会年次学術集会参加1回以上
学会筆頭発表1件以上と原著(必ずしも筆頭でなくてもよい)1編以上の両者
a 専門研修認定施設に必要な専門医:指導医1名以上および専門医1名以上が常勤
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数
専門医:
社会保険中京病院 小児科 都築一夫
c 名大関連病院ごとの特徴
社会保険中京病院:成人領域では血液透析症例数は非常に多い。小児では腹膜透析を中心に透析医療を行っている。

 

ICD制度協議会(日本小児感染症学会など16学会・研究会で構成)
名称:ICDInfection Control Doctor
認定組織:ICD制度協議会http://www.icd.umin.jp/
必要条件:
下記の3条件を全て満たす場合、ICDInfection Control Doctorに応募が可能である。ICD認定委員会で3条件を満たしていることを確認し、協議会がICDとして認定する。
A 協議会に加盟しているいずれかの学会の会員であること。
B 医師歴が5年以上の医師または博士号を取得後5年以上のPhDで、病院感染対策に係わる活動実績(下記13)があり、所属施設長の推薦があること。
1 感染対策委員またはそれに準ずる活動の証明があること
2 インフェクションコ ントロールに関連した学会発表又は論文計3編があること
3 本協議会の主催 する講習会または厚生労働省の委託による院内感染対策講習会への参加実績が3回以上あること
C 所属学会からの推薦があること。
a 専門研修認定施設に必要な専門医:規定なし
b 名大関連での専門医認定施設と専門医・指導医の人数
ICDInfection Control Doctor
名古屋大学医学部附属病院 小児科 木村
愛知県厚生農業組合連合会昭和病院 小児科 尾崎隆男西村直子
名鉄病院 小児科 宮津光伸
社会保険中京病院 小児科 柴田元博
トヨタ記念病院 小児科 木戸真二
尾西市民病院 小児科 成瀬
藤田保健衛生大学 小児科 浅野喜造
永井小児クリニック 永井

                                            目次へ


小児科各分野における専門医・認定医の現状(1)

 

小児科分科会

関連学会専門医名称

 

 日本小児血液学会

 日本血液学会専門医(小児科)

 日本小児アレルギー学会

 日本アレルギー学会専門医

 日本小児感染症学会

 日本感染症学会専門医

 日本小児神経学会

 日本小児神経学会専門医

 日本未熟児新生児学会

 周産期新生児専門医

 日本小児循環器学会

 日本循環器学会

 日本先天代謝異常学会

 日本人類遺伝学会専門医

 日本小児腎臓病学会

 日本腎臓病学会認定医(小児科)

 日本小児内分泌学会

 日本内分泌学会内分泌代謝科(小児科)専門医

 日本小児心身医学会

 日本心身医学会専門医

 日本小児臨床薬理学会

 日本臨床薬理学会

 日本小児遺伝学会

 日本人類遺伝学会、日本遺伝カウンセリング学会(臨床遺伝専門医)

 日本小児東洋医学会

 日本東洋医学会専門医

 日本小児救急医学会

 日本救急医学会

 日本小児リウマチ研究会

 日本リウマチ学会専門医

 日本小児呼吸器疾患学会

 日本呼吸器疾患学会

 日本小児栄養消化器肝臓学会

 日本消化器病学会、日本肝臓学会

 

 

 

◎:小児科分科会専門医or学会(小児科)専門医となっているもの

 

▲:小児科としてのsubspetialityとしては認められていないため、今後小児のみの専門医をめざすもの

 

◇:今後の情勢を見極めている段階

 

 

日本小児科学会ホームページ 

分科会サブスペシャリストの現状(http://plaza.umin.ac.jp/%7Ejpeds/senmon-meibo-j.html)を改変

 


小児科各分野における専門医・認定医の現状(2)

 

関連小児科分科会

専門医・認定医取得必要条件

学会に関する備考

 日本小児血液学会

 小児科専門医、日本血液学会の認定施設で2年、会員歴3年

 

 日本小児アレルギー学会

 小児科専門医、日本アレルギー学会の会員歴7年

 現在2階建て制度へ移行中

 日本小児感染症学会

 小児科専門医、日本感染症学会の会員歴5年

 

 日本小児神経学会

 小児科専門医、日本小児神経学会の会員歴5年

 

 日本未熟児新生児学会

 小児科専門医、日本新生児学会の認定施設で3年上積み、会員歴5年

 

 日本小児循環器学会

 小児科専門医、日本循環器学会の認定施設で3年、会員歴6年

 小児循環器専門医制度を検討中

 日本先天代謝異常学会

 小児科専門医不要(無関係)

 

 日本小児腎臓病学会

 小児科専門医、日本腎臓学会の認定施設で2年、会員歴5年

 

 日本小児内分泌学会

 小児科専門医、内分泌代謝疾患の診療に7年従事

 

 日本小児心身医学会

 小児科専門医不要(無関係)、日本心身医学会の認定施設で3年

 

 日本小児臨床薬理学会

 

 日本臨床薬理学会専門医(小児科)を目指す

 日本小児遺伝学会

 小児科専門医不要(無関係)、臨床遺伝専門医制度委員会の認定施設で3年、会員歴3年

 

 日本小児東洋医学会

 小児科専門医、日本東洋医学会の認定施設で3年、会員歴5年

 

 日本小児救急医学会

 小児専門医不要(無関係)日本救急医学会の認定施設で3年、会員歴3年

 日本小児救急医学会専門医を目指す

 日本小児リウマチ研究会

 小児科専門医不要(無関係)、日本リウマチ学会の認定施設で3年、会員歴5年

 

 日本小児呼吸器疾患学会

 小児科専門医不要(無関係)、会員歴5

 

 日本小児栄養消化器肝臓学会

 小児科専門医不要(無関係)

 

 

日本小児科学会ホームページ 分科会 サブスペシャリストの現状(http://plaza.umin.ac.jp/%7Ejpeds/senmon-meibo-j.html)を改変
                                            目次へ