神経研究室

 てんかんは、小児全体の1%弱に発症するありふれた疾患です。そのうち約70%は良性です。良性てんかんの場合は治療を必要としない場合も少なくないのですが、診断の誤りや不正確な知識のため不必要な薬剤投与が行われていることもしばしばあります。残りのてんかんは十分な治療が必要で、時には治療しても完全に発作を抑制することは困難なこともあります。このような症例では発作型の確認が極めて重要です。我々はビデオ脳波同時記録による発作型確定を重視しています。
 新生児脳波をはじめとする新生児神経学は、渡辺名誉教授が研究に着手されて以来重要な臨床および研究のテーマです。低酸素性虚血性脳障害や脳室周囲白質軟化症の診断や病態の解明には、脳波が極めて有用です。しかし、脳波の判読には経験が必要で、熟練した判読者は限られます。当研究室は、新生児脳波の判読・臨床応用・研究においては国内外を問わずトップクラスであると自負しています。また、新生児脳障害による発達障害を新生児期から包括的に診療しているのも我々の特徴です。
 神経画像については、PETや拡散テンソル画像などの先進的な手法を取り入れています。また、ウイルス研究室と協力して、インフルエンザ関連脳症をはじめとする中枢神経感染症、サイトメガロウイルスなどによる先天感染などについても診療・研究を行っています。



 
 研究テーマ:
  • 合理的なてんかんの診断・治療法の確立
  • 発作時ビデオ脳波同時期録によるてんかん発作の解析
  • デジタル脳波の臨床応用および小児脳波・新生児脳波のデジタル情報解析
  • 新生児脳波を用いた新生児脳障害の発症機序の解明
  • インフルエンザ関連脳症の診断方法の確立と病態の解明
  • PETや拡散テンソル画像の臨床応用

など    

 
大学院生は、国立生理学研究所や愛知県コロニー発達障害研究所などに留学し、研究成果をあげています。
 
 
スタッフ:
ふりがな なつめ じゅん
氏名 夏目 淳
役職 准教授
ひとこと  
ふりがな いしはら なおこ
氏名 石原 尚子
役職 医員
ひとこと  
ふりがな ないき みさこ
氏名 内木 美紗子
役職 大学院生
ひとこと  
ふりがな なかた ともひこ
氏名 中田 智彦
役職 大学院生
ひとこと  
ふりがな よこい せつり
氏名 横井 摂理
役職 大学院生
ひとこと  
研究会:日本小児神経学会東海地方会