不妊相談Q&A

質問体外受精をすることにしました。GnRHアゴニストの点鼻薬とhMG、ロング法をとりいれることとなりました。多のう胞卵巣のため右だけで30個も卵胞が育ち、合計で45個ぐらいの卵胞を確認しています。すでに、子宮裏側に水がたまりつつあるといわれました。hCG注射後、さらに水がたまるといわれ、不安でたまりません。このような方法でなくても、自然採卵、または卵巣が腫れない方法はなかったのでしょうか?

答え多のう胞性卵巣症候群(PCOS)とは、排卵障害を主訴とする疾患で、時に男性ホルモン高値や多毛などの男性化症状をきたす疾患です。「多のう胞」の名前のとおり、小さな卵胞はたくさんあるのですが、自然では排卵までなかなか育たず、排卵誘発剤の適応となることがしばしばです。排卵誘発剤の使用により、一度に多くの卵胞が育ちすぎ卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を引き起こすことも少なくなく、注意が必要です。OHSSはhCGの作用により発症・悪化するので、OHSSの発症が懸念される場合のhCGの使用は慎重でなくてはなりません。上記のような場合は、キャンセルしhCGの注射をさけるか、hMGの注射を一時中止し、卵胞を少し縮小させてからhCGを投与する方法(コースティングといいます)を考慮します。また採卵周期に胚移植をして、妊娠が成立してしまうと、妊娠性のホルモン(hCG)の作用によりOHSSが悪化しますので、上記のような場合は、胚移植をせず受精卵を凍結しておくことが最近では多いようです。
内服の排卵誘発剤(クロミッドなど)は、OHSSの発生率が注射剤より少ないことが知られていますが、PCOSに中にはクロミッド抵抗性のものも少なくありません。また注射剤を使用する場合は、少量から投与を開始し少しずつ増やしていくことにより、発育卵胞数を抑えることができます(ただし、投与日数は長くなる傾向があります)。その他、PCOSの卵巣刺激法等に関しては、いくつかの工夫がありますので、主治医の先生とよく相談されることをおすすめします。
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