不妊相談Q&A

質問私は卵巣嚢腫で、右を全摘、左を核手術を受けました。今度、チョコレート嚢腫で左を手術する事になりそうです。大きさは6〜7センチあります。もし、全的となった場合、妊娠は望めないでしょう。何かで知ったのですが、今、日本で卵子提供等を身内から受ける事ができるのでしょうか?

答えチョコレート嚢胞は子宮内膜症によってできる卵巣のう種の1種ですが、女性ホルモン依存性に発育するため、両側の卵巣を摘出してしまうとその後は再発や悪化をすることはありません。妊娠を希望される方は通常は卵巣の正常部分を残し、のう胞のみを摘出する手術をするのですが、チョコレート嚢胞は再発することも多く、またわずかですが卵巣癌が混じっていることもあり、術式については個別に検討する必要がありますので術前に主治医の先生と十分、話し合っておく必要があります。また再発で2回、3回と腫瘍摘出をした場合は、卵巣の正常部分を温存しても、排卵誘発に対する反応性が著しく悪くなったり最悪の場合は、まったく排卵がおこらなくなったりすることもあります。このため不妊治療を予定されている方で、検査上卵巣癌の疑いがない小さなチョコレート嚢胞(2-3cm)に関しては、手術をせず経過をみることもあります。左右両側の卵巣を摘出した場合、または温存した場合でも排卵誘発にまったく反応うしない場合は、ご自身の卵子を得ることができなくなってしまいます。その場合は残念ながらご自身の卵子で妊娠することは出来なくなります。第3者からの卵子提供については、厚生科学審議会・先端医療技術評価部会・生殖補助医療技術に関する専門委員会の『精子・卵子・胚の提供による生殖補助医療のあり方についての報告書』において,「第三者からの精子・卵子または胚の提供を受けなければ妊娠できない夫婦に限って,第三者から提供される精子・卵子による体外受精および第三者から提供される胚の移植を受けることができる」と報告されています。これは現在の日本産科婦人科学会会告で禁止されている精子/卵子/胚の提供による体外受精を条件付きで解禁することを提案したものです。しかし現時点ではまだ、このような体外受精によって産まれた子供の法的地位を確立する法律がないことなどにより、単純にいますぐ実施されるものではありません。
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