不妊相談Q&A

質問4年ほど前、主人の睾丸がかなり腫れ(激しい腰痛と局部の痛みを併発)治療を受けたことがあります。病名は記憶にないのですが、睾丸炎や副睾丸炎だった場合は、男性不妊の原因になるのでしょうか?
質問主人が10年前にパイプカット(私と結婚前に)をしました。現在子供を望んでいるのですが、主人の精管を再びつなぐ手術ではなく、人工授精か体外授精で妊娠することはできますか?

答え不妊の原因のなかでも、男性因子による不妊は不妊患者の約40%を占めます。
男性因子は大きく分けると、造精子機能障害(乏精子症/精子無力症など)、精管通過障害、性交障害や勃起不全などに分けられます。
高熱を伴う病気は造精能力に影響を及ぼすことがあります。その他、睾丸・副睾丸の病気や停留睾丸、おたふく風邪(特に思春期)などの既往歴も男性因子による不妊原因となります。
造精子機能障害や精管通過障害があるかどうかは、まず精液検査を行って調べます。用手的に採取した精液(ご自宅で採取することも可能です)を顕微鏡下で観察し、精液の量や、精液中の精子の濃度や運動率、奇形率や感染兆候がないかどうかを調べます。産婦人科や泌尿器科で検査ができます。異常がみつかった場合はさらに詳しい検査を行うこともあります。
パイプカットは精管を切断してありますので、精液中に精子は存在しないはずであり、今のままでは人工授精を実施するのは難しいと思います。
ただ、手術でもう一度、精管をつなぎなおすことが出来る場合もあり(泌尿器科医が行います)、精管が再建できれば、自然妊娠を試みることや、人工授精での妊娠成立が可能になることもあります。この確率は、パイプカットしてから、年月がたっていると低くなります。しかし、精管が手術で再建できない場合や、精液中に精子が少ない場合には体外受精の適応となります。精液中に精子が認められない場合には、精巣上体や精巣から精子を採取して顕微授精による治療を試みることになるでしょう。
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