不妊相談Q&A

質問頸管粘液不足は不妊の原因とありますが、不足している状態とはどのような状態なのでしょうか。また、子宮筋腫の手術は関係あるのでしょうか。切除部位によるかもしれませんが、教えていただけませんか。宜しくお願いします。
質問頚管粘液が少ないというのは、すぐに人工授精にステップアップしたほうがよいのでしょうか?もう少しタイミング療法を行った方が一般的なのでしょうか?

答え通常夫婦とも問題なく、排卵の頃に毎月性交があっても、一周期あたり妊娠できる確率はおおよそ20%です。そのため、治療が有効かどうか判断するためには、数周期は同じ治療法にトライしてみることが多いのです。しかし、同じ治療法を繰り返していても、1周期あたりの妊娠率は初めの数回を境に下がっていくことや、検査によって明らかにすることのできない不妊因子が存在する可能性などもあり、タイミング指導を数周期行っても妊娠成立に至らない場合は、次のステップとして人工授精(AIH)を行うことが一般的です。
また、頸管粘液は無菌状態の子宮を細菌の侵入から守るための関所のような役割を果たしています。ところが、排卵が近づくと分泌が増え、精子が頸管を通って子宮腔内へ入り込むのを助けています。排卵期に十分な量の質のよい頸管粘液が出ていない場合は通常の性交では妊娠しにくい可能性があります。その場合、フーナーテスト(排卵期の性交の後、実際に頚管粘液の中に精子が進入できているかを判定する)で確認することができます。
AIHは、精液から運動性良好な精子を集め、子宮腔に注入する方法です。AIHを行なう事により、自然妊娠の過程のうち、「性交、射精、精子が頚管粘液の中を通過する」という部分がバイパスされます。精子の数が少なかったり運動率が低い場合や、排卵前後の時期の頸管粘液の性状が良好で無い場合にはAIHの適応となります。このような不妊因子が明らかな場合は、タイミング指導を早めに切り替えてAIHを行う場合があります。
子宮筋腫は頸管粘液との直接的な関連はありませんが、大きさやできる位置によっては不妊の原因となる場合もあり、再発することも多い疾患です。できれば定期的にチェックを受けておくことをお勧めします。当HPもご活用下さい。
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