不妊相談Q&A

質問体外受精をするにあたって入院しなくてはならない病院と日帰りで帰れる病院とがありますが何故でしょうか?

答え医師法で定められた医療機関には病院(「病院」と名乗っていることが多い)と診療所(「クリニック」や「医院」と名乗っていることが多い)があり、診療所では入院のためのベッドは全くないか非常に限られています。また、病院であってもベッドを分娩や手術など他の目的で使用することの多い医療機関では、おのずと原則日帰りで体外受精をする方針を余儀なくされます。体外受精と一言でいいますが、年齢や体格、採卵時刻(朝早いほど夕方安全に帰宅できる可能性が高くなる)、採卵のために必要となる麻酔の深度(個人差が大きい上に、一般に採卵数が多くなるほど十分な麻酔が必要となり、醒めるまで時間がかかる)、必要となる処置や看護ケア、医師やエンブリオロジストによる結果や経過についての説明(複雑で難しい症例ほど時間を要する傾向がある)など、患者様ひとりひとりで条件が異なり、一律に論じることはできません。多くの医療機関が、そこで最も多いタイプの患者様に最適となるよう、最大公約数的な設定をしているといえます。医療機関によってこのような違いがあるのは、体外受精にかぎったことではありません。医療全般において、同じ名称の疾患、あるいは手術でも、日帰りか入院か、あるいは標準的な入院日数についても医療機関により当然差違があります。これを患者様ひとりひとりに対して個別化できれば理想的かもしれませんが、実際には看護・事務レベルも含めた非常に多くのプロセスを工場のように工程化しておかないと、ミスが多くなったり全体のコストが高くなったりするので、医療界全体の最近の考え方としては、医療機関ごとにパターン化しつつ、その中で個別化を考えることが推奨されています。以上をまとめながらわかりやすく説明すると、お産や他の病気と同じように、医療機関を選ぶにあたっては、交通の便などの他、「(特別なめずらしいタイプの不妊症でなければ)自分と同じような患者さんが多く受診している医療機関かどうか」を見極めて選ぶ事をお奨めします。あくまでも一般的な傾向ですが、貴女が比較的若く健康でしかも医療機関の近くにお住まいで、採卵数が少なくても採卵1回あたりの成功率が比較的高く見込める条件の患者さんであるならば、マイルドな排卵誘発を行って採卵や採卵前後の負担を少なくし日帰りで採卵できる病院にかかるのもよいでしょう。
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