呼吸器内科学
長谷川 好規

呼吸器内科教室では2007年5月からの長谷川好規教授の指導体制のもと、これまで多くの諸先輩方が築いてこられた教室の伝統と力をさらに発展させるため、研究、診療そして教育活動にも教室員一丸となって日々努力邁進しております。
  呼吸器疾患は年々増加傾向にあり、しばしば社会問題とも密接な関係にあり、環境問題とも関連して広く注目されています。呼吸器疾患は、肺癌を中心とする呼吸器腫瘍と、喘息・間質性肺炎・COPDを中心とする免疫・アレルギー疾患、さらに肺炎・結核を中心とする呼吸器感染症と幅広い分野にわたります。教室の基本方針として、これらの3分野におけるバランスよい研究・診療・教育の発展をめざすことにより、呼吸器疾患に対して質の高い医療の提供と、最先端の医療を開発するための基礎的なトランスレーショナルリサーチを推進いたします。

 臨床面においては、客観的に評価され得るより良い呼吸器専門医療の確立を目標とした治療標準化委員会を医師のみでなく病棟看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士が参加し定期的に開催しています。同委員会はクリニカルパスの作成、運用も協議、立案しており、真の横断的な医療を目指す取り組みとして院内でも高く評価されています。また呼吸器外科、放射線科、化学療法部との合同で週1回肺癌を中心とした高い水準の呼吸器臨床検討会を行っています。

 研究面では、教授の指導管理のもとに行われる定期的な研究検討会、自由参加のテーマ別勉強会などがあり、各教員を中心に遺伝薬理学、気道炎症、気道平滑筋、癌遺伝子、肺線維症、気道細胞生理学、呼吸器免疫学など多岐にわたる分野で精力的に研究を行っております。
現在、教室内での研究グループとして、

  1. 肺癌に関する遺伝子解析 とPharmacogenomics
  2. 間質性肺炎・肺線維症の免疫学的・分子生物学的解析
  3. 気道の炎症病態における上皮細胞の機能異常に関する研究
  4. 肺気道リモデリング・炎症に対するメカニカルストレスの影響について
  5. 肺炎・結核のリスク因子の検索と遺伝学的解析のグループ

を研究課題としています。

 教育におきましては、関連病院で初期臨床研修終了後に呼吸器専門医を目指して研鑽中の若手医師を対象とした「呼吸器内科専門医教育セミナー」(1泊2日で呼吸器疾患の6領域-肺癌・腫瘍領域、喘息・アレルギー領域、COPD・呼吸リハビリ領域、びまん性肺疾患領域、呼吸器感染症領域、呼吸・循環領域-にわたって研修を行う)を開催して、若手呼吸器専門医がこの地方のエキスパートの先生を交えて高度専門医療の勉強会を行う「若手医師養成塾」も順調にその参加者数を増し、共にこの地区の呼吸器内科学のレベルアップに大きく貢献していると自負しております。

 高齢化社会、肺癌の増加などで呼吸器疾患の患者さんは増加する一方であり、呼吸器内科医の仕事はますます増え人的な不足はきわめて深刻であります。しかし逆に研究でも臨床でも、まだいくらでも若い先生方が力を発揮できる余地があるということであり、一人でも多くの若い先生たちが呼吸器内科を専攻していただき、一緒にがんばってくれることを教室員一同切望しております。