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明治7年(1874年)9月、ドイツ系アメリカ人ヨングハンス(Junghans, T. H. 日本語表記は雍翰斯)は、愛知県病院において本邦初といわれる皮膚植皮手術を行って世人を瞠目させました。
『愛知縣公立病院及醫學校第一報告』(1873年)の病院沿革略誌は次のとおり伝えています。
「本院に於いて洋教師「ヨングハンス」左脚火傷患者の瘢痕(はんこん 傷痕のこと)に植皮法を行う蓋し我邦此術を行う最も新奇とする所にして衆医員大いに其術の巧妙なるを歎賞せり抑々該患者は当県下愛知郡中根村農伴野新左衛門なる者にして而して弟新蔵奮然義の為に左臂(ひじ)の皮膚の分割を乞い之を移植せし者なり其友愛の情掬(きく)すべく官亦之を嘉しない内務省に具申し金若干を賜うて褒賞せり」
この植皮手術は、「大阪錦画新聞」23号(明治8年)で報じられました。 |